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【2015年/J1昇格プレーオフ・プレイバック】福岡が5年ぶりのJ1へ…中村北斗の決勝弾は諦めない姿勢から

2015年の明治安田生命J2リーグは、大宮アルディージャが勝ち点86で優勝。2位は昨年のプレーオフで涙をのんだジュビロ磐田で勝ち点82。終盤のリーグ戦12試合を11勝1分けと終えたアビスパ福岡は、第41節に磐田と勝ち点で並ぶも得失点差で4届かず、3位でJ1昇格プレーオフへまわった。

2015シーズンのJ2は、序盤戦から波乱の展開。2014年のJ3優勝を果たし、J2に上がってきたツエーゲン金沢が、13試合無敗を達成するなど波に乗り、首位に立った。中盤以降は19試合勝利なしと勢いは失速したものの、早々にJ2残留を決めた。そんな金沢に代わり、大宮が優勝争いをけん引。独走態勢を築いたが、終盤に失速し、一時は勝ち点差16をつけていた2位磐田に詰められ、終盤は3位福岡も加わり混戦に。しかし形勢は変わらず、1試合を残してJ2優勝・J1自動昇格を決めた。

4位はシーズン途中で元ウルグアイ代表FWディエゴ・フォルランとの契約を満了し、終盤に大熊清監督が就任したセレッソ大阪で、勝ち点は67。5位は勝ち点65でプレーオフ初出場となる愛媛FC。6位は勝ち点60のV・ファーレン長崎となった。ギラヴァンツ北九州は勝ち点でわずか1及ばず7位。3年連続でプレーオフに進出していたジェフユナイテッド千葉は9位に終わった。

プレーオフ準決勝で福岡は長崎と、C大阪は愛媛と対戦。福岡vs長崎は、リーグ8連勝で勢いづく福岡のペースで試合が進む。立て続けのセットプレーから、ゴールを強襲すると、48分に末吉隼也のCKからウェリントンが先制点を奪取。GK中村航輔の好守もあり、1-0で福岡が完封勝ちを収めた。もう1つの準決勝、C大阪vs愛媛は互いに決め手を欠き、スコアレスドローで終了。リーグ戦で上位のC大阪が決勝進出を果たした。

決勝の会場はヤンマースタジアム長居。決勝は中立地開催が原則だが、これまで使用していた国立競技場が改修作業に入ったため、意図せず、C大阪のホームスタジアムで開催されることになった。試合は60分、関口訓充とのワンツーから玉田圭司が決めてC大阪が先制する。試合は終盤に入り、福岡の反撃も実らず、C大阪の1点リードで試合が終わるかと思われた。しかし87分、このシーズンから福岡に復帰した中村北斗のゴールが炸裂。福岡が土壇場で同点に追いつく。

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同点とされたC大阪は、このままではリーグ上位アドバンテージのレギュレーションにより、敗退が決定する。最後の最後まで猛攻を仕掛けたが、GK中村航輔を中心とした福岡守備陣が勝ち越しゴールを許さず、1-1でタイムアップの笛。3位の福岡はリーグ戦と合わせ、14試合無敗でJ1昇格を決めた。

試合後に井原正巳監督は「一発勝負なので何が起こるか分からない怖さがあった」とし、実際に「先制点を奪われて非常に苦しい展開になった」と振り返りながらも、選手には「慌てないで最後まで諦めずに戦おう」と話していたという。監督の「諦めずに戦おう」というブレない姿勢が、ピンチをチャンスに変える大きな要因となった。

「選手たちは90分間走り続けてくれた。本当にチーム全員の一体感であったり、思いがあのゴールにつながった」

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「サッカーは何が起こるか分からない」。混戦模様のJ2で怒涛の追い上げを見せ、プレーオフでも最後まで「諦めずに戦う」ことを止めなかった福岡が、5年ぶりにJ1の舞台への切符を手にした。

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