今季マーク・ヒューズ前監督体制でスタートしたサウサンプトン。ヤニク・ヴェスターゴーアら即戦力級の選手を数人補強して挑んだ新シーズンだったが、プレミアリーグ第15節を終えた段階でわずか1勝。19位と降格圏に沈んでいた。
降格候補筆頭に挙げられるなど厳しい時期が続いたセインツ(サウサンプトンの愛称)だったが、昨年12月5日、オーストリア出身の知将の招へい風向きが変わる。ブンデスリーガのライプツィヒを躍進させたラルフ・ハーゼンヒュットル就任後、アーセナル(第17節)やトッテナム(第30節)に勝利を挙げるなど、18試合で8勝(3分7敗)を記録。33試合消化時点で勝ち点を36にまでに伸ばした。まだまだ安心できるポジションではないものの、重苦しい雰囲気に包まれていたクラブを51歳の指揮官が救ったことは間違いない。
今回、『Goal』はドイツメディア『sporx』と連携し、ハーゼンヒュットル監督の独占インタビューに成功。プレミアリーグの特徴やサウサンプトンのプロジェクト、そしてチームに科す意外なルールについても語ってくれた。
インタビュー=フロリアン・レーゲルスマン/Florian Regelmann
校正=Goal編集部
■サウサンプトンに持ち込んだルール
(C)Getty Images試合後20分間携帯電話に触ることを禁じるなど、選手へ厳しい規制を科すライプツィヒ出身のハーゼンヒュットル。サウサンプトンにもいくつかのルールを持ち込んでいる。その1つが、宿泊ホテルでのWi-Fi規制だ。指揮官はこの意義について、薬物依存症を引き合いに出しつつ、ゲームやSNSに依存することを防ぎたいと説明している。
「我々の対策で世の中を変えることはできないかもしれないね。でも、考え方を変えるきっかけは大切だと思う。ドラッグやアルコール依存が問題だってことは皆が知っている。だが、これはギャンブル依存症とはまた別の問題だと思うんだ。今、確かにeスポーツはサウサンプトンでも流行っているし、若者に影響力がある。熱中するのはかまわないけど、注意を払うことも大切だと思う。例えばビデオゲームに費やす時間を考えたりね」
厳しいルールもあってか、サウサンプトンは直近6試合で4勝を記録。ハーゼンヒュットルの戦術も浸透しつつありチームは上向いているが、指揮官も難しい時期は切り抜けたと感じているようだ。
「良い方向に進んでいるよ。でも先はまだ長い。とても競争の激しいリーグだし、ここからまた厳しい戦いが続いていく。ほんの少しの猶予はあるが、まだ安心できるわけではない。でも一つ言えることは、一番難しい段階はすでに切り抜けたことだ。最初の6か月はとにかく適応することだね」
■“プレミアリーグの復権”の理由

絶対王者バイエルン・ミュンヘンが君臨するブンデスリーガとは違い、プレミアリーグでは毎年激しい優勝争い、チャンピオンズリーグ出場権争い、そして残留争いが繰り広げられる。今季もリヴァプールとマンチェスター・シティによる優勝争いやトップ4争いは熾烈を極めているが、ハーゼンヒュットルはイングランドでの挑戦に意欲を燃やしている。
「プレミアリーグにはバイエルンと同じレベルのチームが6チームもあるね。つまり、1シーズンにバイエルンと12試合することになる。その12試合で勝ち点を取ることはなかなか難しいね。さらにレヴァークーゼンやライプツィヒ並みのクラブが4~5クラブある。私達はプレミアリーグの中でマインツやフライブルク、アウクスブルクのような立ち位置なんだ。こんな言い方をして失礼だと誤解されたくないが、とても比較しやすいはずだ。何が求められているのかね。完璧な試合をしなければならない。それでも勝ち点が後からついてくる保証はない。特別な挑戦だよ」
「(優勝争いは)どこが優勝するか予想はできないね。リヴァプールとマン・Cは質が非常に高くて、最終節まで全ての試合を勝つことができるだろう。だが、毎週負け続ける可能性だってある。それがプレミアリーグだ。最終的には細部の詰めが違いを生むことになるだろう」
そして、現在プレミアリーグはブンデスリーガよりも上の存在であると言及。その理由について推察している。
「プレミアリーグは非常にレベルの高いトップクラブが6チームも揃っていて、彼らはその恩恵を受けているね。トップレベルで実力の拮抗するクラブが互いに多く対戦できる。これは一年中チャンピオンズリーグを戦っているようなものだよ。だから、国際大会でも十分に戦えるようになる。私達のような小さなクラブにとっても、トップ6チームと定期的に試合ができることはありがたいことだね」
今季のチャンピオンズリーグではリヴァプールとトッテナムが準決勝に進出。ヨーロッパリーグでもアーセナルとチェルシーがベスト4に名を連ね、1983-84シーズン以来36年ぶりにイングランドの4クラブが欧州大会のベスト4に残った。“プレミアリーグの復権”とも伝えられているが、ハーゼンヒュットルの言うように国内リーグで何度もビッグクラブと対戦することが、クラブのレベルを引き上げることに大きくつながっているのかもしれない。
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「※」は提携サイト『 Sporting News』の記事です



