5月5日(日本時間6日1時)、トルコのシュペル・リグ第31節でガラタサライvsベシクタシュの“イスタンブール・ダービー”が開催される。両チーム優勝のチャンスを残す中で迎える2位・ガラタサライと3位・ベシクタシュの大一番は、日本でも長友佑都と香川真司の欧州での初対決が実現するかに注目が集まっている。トルコ人記者のカーン・バヤズツ氏が、今回のダービーの重要性、そして現地人にとっての長友と香川の存在価値について綴る。
文=カーン・バヤズツ(Kaan Bayazıt)
翻訳・構成=井川洋一
■イスタンブール・ダービー
(C)Getty Imagesトルコ最大の都市イスタンブールには、この国で最も人気と実績を誇る3つのフットボールクラブがある。フェネルバフチェ、ガラタサライ、ベシクタシュ──いわゆるビッグ3だ。それぞれの直接対決は当然、熱狂のダービーマッチとなるが、通常一番激しくなるのは最多リーグ優勝回数を誇るフェネルバフチェ絡みの試合。だが今季、14位と低迷している彼らを横目に、残り2クラブは最近の怒涛の追い上げにより、優勝争いを演じている。
つまり、長友佑都を擁すガラタサライが香川真司の所属するベシクタシュを迎える日曜日の一戦は、名門同士がリーグタイトルの行方をかけて直接激突するダービーとなる。そのうえ、この二人の日本人選手が初めて対戦する公式戦にもなりそうだ。普段から熱狂で知られるトゥルク・テレコム・アレナが、いつもより熱くなるのは間違いない。
つい3、4週間ほど前まで、首位のイスタンブール・バシャクシェヒルにどちらも勝ち点10ほどの差をつけられていたが、初優勝を狙う新興クラブがもたつき始めると、負けなしを続けていた両者は首位の背後にピタリと迫っている。消化試合のひとつ多いバシャクシェヒルが勝ち点63、2位のガラタサライが同60、3位のベシクタシュが同59。今回のダービーのホームチームであるガラタサライはリーグ16試合で無敗、ベシクタシュは13試合に負けていない。ただしより勢いがあるのは、目下6連勝中のアウェーチームだ。
「このダービーのために、かなりハードに準備してきた」と香川はトルコのテレビ局NTVに話している。1月に期限付きで加入した日本代表アタッカーは、チームの課題も口にした。
「ただ先週のアンカラギュジュ戦は前半の出来がいまひとつで、何度もボールを失っていた。ガラタサライ戦であのようなパフォーマンスをすれば、45分間に2、3点を奪われてしまうだろう。試合を通して、集中を維持しなければならない」
■長友は先発へ、香川は五分五分か
(C)Getty Images現在30歳のアタッカーはその試合の64分に投入されると、アデム・リャイッチのゴールをお膳立てし、チームの4-1の勝利に貢献している。ただしこの時も先発を逃しているように、シェノル・ギュネシュ監督の信頼を掴んでいるとは言い難い。指揮官は共にナンバー10のポジションを主戦場とするリャイッチと香川の共存を、主に守備面の観点から疑問視しており、好調を保つセルビア代表が優先されがちなのだ。
それでも途中出場したデビュー戦で鮮烈な2ゴールを決め、ここまで3得点2アシストを記録する香川への称賛は止まない。俊敏なターン、卓越したボールタッチ、戦況を読む能力を持つ日本人アタッカーについて、ベシクタシュのサポーターのみならず、ライバルクラブのファンも次のように称える。ガラタサライのファンは「どうしてベシクタシュに先を越されてしまったんだ!」とSNS上で叫び、ひどいシーズンを送るフェネルバフチェのサポーターにいたっては「彼ほど高いクオリティーのある選手がうちにいれば、こんなシーズンを送ることはなかった」と嘆いている。またボルシア・ドルトムントやマンチェスター・ユナイテッド、そして日本代表での活躍を知るベシクタシュのサポーターは、彼の初のホームゲームでスタンドから“お辞儀”をして極東出身のスター選手を歓迎した。
2018年1月からガラタサライに所属する長友も、トルコで高い評価を確立している。現在32歳のレフトバックは加入後すぐに定位置を掴んでおり、その意味ではチームでの重要度がより高いと言えるかもしれない。昨季途中から加入し、チームのリーグ優勝に寄与した彼は、オープンなキャラクターもあいまって、トルコの熱いフットボールファンの間でも広く知られた存在だ。
ただし今季は負傷の影響もあり、リーグ戦の半分以上を欠場している。ひざの怪我から復帰した4月20日のカイセリスポル戦では早速ゴールを決め、周囲を安心させたが、ベテランのコンディションはやや気がかりだ。
日曜日のダービーで、長友の先発は確定的だが、香川については五分五分か。前者は左サイドバック、後者は2列目を幅広く動き回るだろう。すなわち、二人が共に同じピッチに立った時、直接マッチアップする可能性は高い。それはこれまでに一度も実現しなかった贅沢な日本人対決だ。長年、日本代表で同じ釜の飯を食ってきた二人が対峙する初めての機会。しかも舞台は熱狂のイスタンブール・ダービーで、そこにはタイトル争いの行方もかかっている。
「週末には、とても重要で難しいダービーマッチが控えている」と香川は現地紙『ハバートゥルク』に語った。
「長友と僕は親友で、この試合は初めて敵として対戦する公式戦になる。でもひとたびピッチに足を踏み入れれば、どちらもそれぞれのチームのために、すべてを尽くして戦うよ」
トルコ人だけでなく、日本人にとっても、見逃せない一番となる
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「※」は提携サイト『 Sporting News』の記事です





