現在レアル・サラゴサに所属する日本代表MF香川真司が、現リヴァプール指揮官のユルゲン・クロップ監督との「決して忘れることはない」瞬間を明かした。『The Athletic』のインタビューのなかで明かしている。
2010年夏から12年夏まで、そしてマンチェスター・ユナイテッドから復帰した14年夏から昨年1月まで、計6年半ドルトムントでプレーした香川。セレッソ大阪からドイツの同クラブに渡ったばかりの2010-11シーズンはリーグ戦4試合目となった宿敵シャルケとのダービーで2ゴールを奪い、一気にファンのハートをつかむと、そこからドルトムントのリーグ優勝、翌シーズンは連覇、DFBポカール制覇のダブルに大きく貢献した。
一方、2年間過ごしたマンチェスター・Uから復帰して以降では、2015年夏にはクロップ監督が退団し、チームとともに手にしたトロフィーは17年のDFBポカールのみ。トーマス・トゥヘルやピーター・ボス、ペーター・シュテーガーやルシアン・ファーヴルへと監督交代が続いたドルトムントで、香川個人も中心的な存在としての地位を失い、1度目の在籍時ほどの活躍を継続的に見せなくなっていた。
そんななか、リヴァプール指揮官に就任したクロップ監督は、愛弟子の状況を気に掛けていたようだ。香川は『The Athletic』で、18年9月に行われた元ドイツ代表GKローマン・ヴァイデンフェラーの引退試合のためにドルトムントに駆けつけたクロップ監督がベンチで隣の席に座ったときの会話について言及。「クロップは僕のことを心配していると話していました」と振り返り、会話の内容について次のように続けた。
「ドルトムントが優勝したのは僕がこのチームでプレーしていたからだと話してくれました。もちろん、ほかの選手たちもたくさんいましたが、あの言葉にはすごく勇気づけてもらいましたね。『君は心配する必要はないよ』とも話してくれて、僕も心配することはなかったです。彼の言葉は僕を幸せにさせて、あの瞬間を忘れることは決してありません」
クロップ監督は、昨年12月にもレッドブル・ザルツブルクから日本代表MF南野拓実のリヴァプール行きが浮上するなかで開かれた記者会見でも香川について「日本人選手の姿勢は素晴らしく、スマートだ。いつも本当に良いテクニックを持っていて、運動量も素晴らしく、本当にダイナミックで、ナイスガイだ。今でも彼のキャリアを追っている。最高の経験だった」と絶賛。ドイツ人指揮官にとっても香川は特別な存在であり続けているようだ。
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