ブンデスリーガ第28節が6日に行われ、バイエルン・ミュンヘンとドルトムントによる“デア・クラシカー”が開催された。『Goal』ではこの一戦をフォーカスマッチとし、選手採点を実施した。
ドルトムントが勝ち点2差で乗り込んだバイエルン戦。ドルトムントはアクラフ・ハキミ、ラファエル・ゲレイロ、パコ・アルカセルと主力を欠いた状態で、大一番を迎えた。一方のバイエルンはロベルト・レヴァンドフスキ、トーマス・ミュラーらが先発し、ケガ明けのマヌエル・ノイアーやダビド・アラバもスタメンに名を連ねている。
試合はまさかの展開に。最高の立ち上がりを見せたバイエルンが前半から圧倒し、45分間で4ゴールを奪う。90分間を通しても集中を貫き、5-0と圧勝。勝ち点でドルトムントを逆転しただけでなく、スコアと内容でもライバルにダメージを与える形で首位へと返り咲いた。
この試合、『Goal』による選手採点は以下のとおり。※5点満点。平均点は【3.0】。出場20分以上の選手が対象
■バイエルン選手採点
GKマヌエル・ノイアー【3.0】
セーブを強いられるようなシーンはほとんどなく。安定したパスでビルドアップを最後方から支えた。
DFダビド・アラバ【3.5】
大一番でそつなくこなした。もちろん、そつがないだけでなく、攻守で頼れる存在であり、ビルドアップの逃げ場としては安定。コマンとのコンビネーションも板についてきた。
DFマッツ・フンメルス【4.5】
安定した球出しが持ち味のセンターバックだが、この日は相手ゴール前で脅威を発揮。大一番で貴重な先制点を挙げ、その後もセットプレーで幾度となく好機を頭によって生み出した。
DFニクラス・ジューレ【4.0】
相方は目立つ仕事を成し遂げたが、年齢に似つかわしくないクレバーな役割を90分間通して続けた。かつてはビルドアップ能力の低さを指摘されることもあったが、大一番でもミスなくこなし、対人戦の強さはさすが。文句をつけることは難しい。
DFヨシュア・キミッヒ【3.5】
サイドバックとしては世界一とも謳われる、キック精度の高さでビルドアップの危機も脱出。守備面でも日進月歩の成長を見せ、崩されるシーンは皆無。ゴールに直接的に絡むことを好む若武者としては、その点で少し物足りなかっただろうか。
MFチアゴ・アルカンタラ【5.0】☆Goal選出マン・オブ・ザ・マッチ
全員が出色のパフォーマンスを見せた中、立ち上がりの勢いの象徴だったプレーメーカーをマン・オブ・ザ・マッチとしたい。出足の良さでプレスの先鋒となり、ホームでその意気込みをファンへと見せつけた。加えて先制アシストも記録。リード後には相手を外す仕掛け、パス出しで反撃の芽を何歩も前から摘み取っていた。
MFハビ・マルティネス【4.0】
相方チアゴが前へのプレスで存在感を発揮したが、この男は後方での戦いで奮闘。チームの守備意識の高さを代表するような働きぶりだった。それだけにとどまらず、“らしくない”コントロールショットで3点目をマーク。縁の下の力持ちにふさわしいご褒美だった。
→レオン・ゴレツカ
MFトーマス・ミュラー【5.0】
チャンピオンズリーグ・リヴァプール戦では不在で悔しい思いをした、チームのシンボルが大一番で躍動。エースのレヴァンドフスキが度々「自分にとって欠かせない存在」と口にしていたが、まさしくピッチでその関係性の良さを証明した。ボールを持てば、まずは9番を探し、攻撃の一歩を踏み出す。時には引いてリズムも作り、攻守で走ってアシストも記録。トップ下に求められるプレーすべてをこなした。チアゴと並んでMOM級の活躍であった。
→レナト・サンチェス
MFキングスレイ・コマン【3.0】
単騎の仕掛けが基本だったが、サイドバックとの連携も増え始め、着実にウィンガーとして幅を広げている。しかし、ハムストリングを痛めた様子で途中交代。
→MFフランク・リベリ【3.0】
出番を得たが、すでに勝敗が決していたため、見せ場はそれほどなく。それでも、ベテランらしく試合を締め切った。
MFセルジュ・ニャブリ【4.5】
好調の男はしっかりと結果で存在価値を示した。クロスに珍しく頭で合わせ、前半で勝負を決する4点目を記録。持ち前の仕掛けの思い切りの良さも失わず、日々進化を続ける。おなじみのゴールセレブレーションもアラバとともに若干のアップデート。
FWロベルト・レヴァンドフスキ【4.5】
「ビッグマッチで結果を残せない」との批判もあったエースが面目躍如の活躍。このカードで5試合連続となる得点を記録し、ブンデスリーガ通算200ゴールを達成。相手のミスから生まれたものだったが、キーパーをかわしてからのジャンピングボレーは誰にでもできるものではない。ポストプレーも安定していた。
監督：ニコ・コバチ【4.0】
ハメス・ロドリゲスが万全ではなかったとはいえ、ミュラーの先発起用は大正解であった。また、序盤の勢いは選手たちのモチベーションが元になったとはいえ、ゲームプランは見事。ホームで完全にドルトムントを飲み込んだ。敵地での悔しい逆転負けを、圧倒的粉砕という形でリベンジを果たす。
■ドルトムント選手採点
(C)GoalGKロマン・ビュルキ【3.0】
スコアによっては、MOMに選出してもいいほどのビッグセーブを連発したが、終わってみれば5失点。どの失点も責められるものではなく、守護神にとってはあまりに気の毒な夜となってしまった。
DFアブドゥ・ディアロ【2.5】
ニャブリを相手によく戦っていたが、後半の5点目のシーンでは疲れが完全に足へときていた。本職ではないポジションであることを考えれば、それほどひどい出来だったと糾弾することは難しい。
DFダン・アクセル＝ザガドゥー【1.0】
大一番で戦犯となってしまった形に。最終ラインで横パスをさらわれるという、考えられる中でセンターバックとして最悪のミスを犯してしまった。若さゆえのもので、その後もミスを引きずっている様子がうかがえた。結局、その影響もあってか前半のみで交代に。
→DFユリアン・ヴァイグル【2.5】
後半頭から投入されたが、理由はザガドゥーを考慮してのもの。バイエルンの得点への意欲が収まっていたため、それほど危機にさらされることはなかったが、だからといって得意のパスが冴えることもなかった。
DFマヌエル・アカンジ【1.5】
やはり5失点の責任は重いと言わざるを得ない。4点目のシーンでは完全にニャブリを見失い、失点にも関与した。
DFウカシュ・ピシュチェク【3.0】
ベテランが負傷明けで先発。得意のオーバーラップも見せたが、途中交代。やはり無理を押してのスタメン入りだったと思われる。
→DFマリウス・ヴォルフ【2.5】
攻撃面を求められて投入されたはずだが、持ち味を発揮することはできず。守備に奔走するばかりだった。
MFアクセル・ヴィツェル【2.0】
今季からドルトムントでプレーし、一躍ブンデスリーガ屈指のアンカーとの評価を得たが、この日はバイエルンの波に飲み込まれた。ビルドアップでも味方を見つけるのに苦労していた。
MFトーマス・ディレイニー【2.0】
持ち味としている攻撃性、守備の激しさなどほとんど見せることはできず。ヴィツェル同様、ただただバイエルンの気の入ったMF陣に蹂躙された。
MFマフムード・ダフート【2.0】
思えば、試合の潮目を変える最初で最大のビッグチャンスを逃した。フリーでロイスからのクロスを合わせたが、ポストに直撃。その後も波に乗ることはできず。
→MFマリオ・ゲッツェ【2.5】
あまりにロイスが孤立していたため、早い時間で投入。すぐにチャンスが訪れたが、シュートはDFに当ててしまった。それ以降はDFに潰され、ボールをなかなか持てず。
MFヤコブ・ブルーン＝ラーセン【1.5】
サイドを変えるなど工夫をあったが、対面の相手をほとんど脅かすことはできず。ビッグマッチで戦うにはまだ実力が足りていないことを露呈し、ゲレイロらの不在を強く感じさせてしまった。
MFジェイドン・サンチョ【1.5】
売り出し中のヤングスターで、2019年『NxGn』の頂点に輝いたが、この日は沈黙。前向きで仕掛けられるシーンが少なく、その能力をミュンヘンで披露することはできなかった。
FWマルコ・ロイス【2.0】
走ってよし、合わせてよしの大エースだが、ボールが入ってこなければさすがに厳しい。ストライカー不在のため、最前線に構えたが、チームがそこまで運ぶことに苦労した。
監督：リュシアン・ファーヴル【2.0】
戦略家であり、プランはあったはずだが、前半のバイエルンの押し寄せる波に全く対応できず、4失点。後半もミュンヘンまで訪れたファンのためにも反撃が求められたが、集中したバイエルンの前で何かを変えることはできず。とはいえ、離脱者も少なくなく、そうでなくとも、この日のバイエルンに対抗することは難しかっただろう。
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