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Diego Godin Atletico MadridGetty

血と涙とアトレティコの象徴ゴディン、感涙でホーム最終戦を終える「僕たちはいつも一つだった。本当の家族だった」

12日のリーガ・エスパニョーラ第37節、アトレティコ・マドリーは本拠地ワンダ・メトロポリターノでのセビージャ戦を1-1で引き分けた。

あの涙の退団発表から5日--。ディエゴ・ゴディンがアトレティコのホームで戦う最後の試合が、ついにやって来た。ゴディンはあの退団発表で「クラブとは契約延長について何度も話し合ったが、合意に至らなかった」と語り、30歳以上の選手とは1年毎にしか契約を延長しないクラブの方針と衝突した、望まぬ退団であったことをほのめかした。しかし、それでも今季キャプテンマークを巻くこのウルグアイ人DFが、クラブの歴史に深く刻まれる選手であることは変わらない。

ディエゴ・シメオネが監督として帰還する1年半前、2010年にビジャレアルからアトレティコに加わったゴディンは、このセビージャ戦で同クラブでの出場数が387を数え(外国人選手では最多となり、全体では歴代トップ10入り)、合計で8タイトルを獲得。とりわけ2013-14シーズンのリーガ最終節、優勝決定戦となったバルセロナ戦(アウェー)で、1-1の同点ゴールを決めてアトレティコを18年ぶりの同リーグ制覇に導いた姿は、永遠のようにファンの心に残り続ける。

ゴディンは逆境の中で輝く選手でもあった。2015年のレアル・マドリー戦ではサミ・ケディラとの衝突で尾骨を骨折して血を流しながらも、チームの4-0の勝利に貢献(その後2試合はマスク着用でプレー)。昨季バレンシア戦はGKネトと衝突して歯を3本失いながらも、1-0の勝利に貢献。そして今季アトレティック・クラブ戦では、肉離れを患いながらも交代枠が残っていなかったためにピッチに残り、自らゴールを挙げて3-2の勝利に貢献。たとえ傷つき血を流そうとも、懸命に汗を流して、涙を供する結果を残す……。ここ最近のアトレティコにはフェルナンド・トーレスやガビといった象徴的選手がいたが、鉄壁を誇った最終ラインの象徴、血と汗と涙を流すチームの象徴として、ゴディン以上の存在はいないだろう。

このセビージャ戦、ゴディンはいつも通り「私はマンサナレス川へ行く。エスタディオ・ビセンテ・カルデロンへ」で始まるアトレティコのイムノが歌われる中、チームメートともにピッチに登場。キャプテンとしてセビージャキャプテンのヘスス・ナバス、審判団と話し、自身の持ち場についた。しかしもちろん、観客はいつも通りではない。「ディエゴ・ゴディン! ディエゴ・ゴディン!」「ウ・ル・グ・アージョ(ウルグアイ人)!」のチャントをかつてないほど力強く歌い、ゴディンは目頭を押さえている。

そうして始まった試合はアトレティコのペースで進み、観客は「記憶に残るゴールを! 歴史に残るファラオン(ファラオ、ゴディンの愛称)を! 」と歌い背番号2のゴールを期待した。そして30分、スコアが動く。決めたのは……来季よりゴディンに代わって第一キャプテンとなるコケだった。背番号6はカウンターからペナルティーエリア手前までドリブルで持ち上がって、そのままシュートを放つと、ボールはシモン・ケアーのひざに当たってコースが変わり、GKヴァツリークの意表を突く形で枠の右に収まった。

リードを得て試合を折り返したアトレティコだったが、やはりフットボールは美しいストーリーが約束された演劇ではなく、現実としてそこにあるノンフィクションものである(だからこそが、大きな感動が生まれるのだが)。後半に入るとチャンピオンズリーグ出場権獲得を目指すセビージャの反撃に遭い、69分に失点。フランコ・バスケスの折り返しからサラビアにシュートを放たれると、これがモンテロに当たってGオブラクの守るゴールに吸い込まれている。結局、試合は1-1のまま終了のホイッスル。アトレティコはこの試合で獲得した勝ち点1によって、2シーズン連続でレアル・マドリーを上回り、2位でシーズンを終えることを決めている。

試合終了後にはF・トーレス、ガビに対しても行われたように、ゴディンの退団セレモニーが催された。コーチ陣、チームメートがつくる花道を通って、8個のトロフィーが置かれたセンターサークルに立ったゴディン。彼がそこで最初に目にしたものは、アトレティコでの9年間の軌跡を振り返る映像だ。その映像の締めに使われたのはもちろん、カンプ・ノウでリーガ優勝の捺印を押した、あのヘディングシュート。その場面で観客は大きな拍手を送り、こんなチャントを歌っている。

「私たちに命とリーガを捧げた! なんてヘディングだ! 君は生きる伝説! ゴディン、私たちのファラオン!」

その映像の後に行われたのは、ゴディンからコケへのキャプテンマークの受け渡しである。マイクを取ったコケは、長年の戦友に向けて感謝の言葉を口にした。

「9年も一緒にいるなんて、誰が予想できただろうか。君はここにいる人たちの愛情を手にした。それは簡単なことなんかじゃない。君は『勇気とハートをあふれさせて(アトレティコのイムノの一節)』勝ち取ったんだよ。チームの全員が君に感謝をし続ける。これ以上、何を言えばいいんだろう。大好きだよ、アミーゴ」

そしてゴディンは、両親と妻ソフィア・エレーラに見守られながら、ファンに向けてスピーチを行った。親友のグリーズマンが涙ながらに見守る中、同じく涙を流すリーガ史上に残るセンターバックは、アトレティコ、そしてクラブを支える人々との間に通わせていたものが、まぎれもなく愛であったことを説いたのだった。

「こんな、忘れらることなんてできない日をプレゼントしてくれて、ありがとう。チームメート、コーチングスタッフとは、良いことも、悪いことだって分かち合ってきた。みんなに感謝をしたい。僕たちはいつも一つだった。僕たちは本当の家族だった。ロッカールームとスタジアムが家族になることこそ、このクラブが手にした成功なんだ」

「また両親にも感謝を。父と母は、学ぶこと、努力すること、経緯を持つ重要さを教えてくれた。そして最後に、ファンのみんなへ。もう長い時間一緒にいるけど、君たちは僕が到着した日から、ここを家だと感じさせてくれた。君たちがこのエンブレムを愛させたんだ。今日、選手のゴディンは別れを告げる。でも僕はこのクラブのファンであり続けるんだ」

 「結局、選手たちは行ったり来たりするものだ。だから君たち(ファン)こそこのチームの心臓、魂なんだ。難しい時期でも、君たちは背を向けたりしなかった。僕がピッチで行なってきたことによって、誇りを感じてくれたならうれしい。自分にとって本当の褒賞は、君たちが誇らしく思ってくれることなんだ。バモス! フォルツァ・アトレティ!」

ゴディンはその後、ファンに挨拶をするためにピッチを一周して、それからロッカールームへ続くトンネルへと姿を消した。退団セレモニー中、スタジアムのスクリーンには性別も年齢も関係なく、涙に濡れる人たちの顔が映し出された。フットボールは美しいストーリーが約束された演劇ではない。が、ゴディンはその堅実な守備でもって、痛みをこらえてのプレーでもって、勝利という結果でもって、確かに美しいストーリーを生み出してきた。血と汗と涙とアトレティの象徴は最後に、ただアディオスを告げることで、ファンに涙を流させたのだった。

取材・文=江間慎一郎

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