磐田戦は“不運な敗戦”なのか? 浦和の敗因は青木拓矢のミスにあらず

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3日に行われた明治安田生命J1リーグ第10節でジュビロ磐田をホームに迎えた浦和レッズは、0-1で敗戦。連勝は3試合で打ち止めとなり、ピッチ上には課題を残した。浦和がさらに上位を目指すうえで、乗り越えなければならない壁とは何なのだろうか。

■露呈した“崩し切る”オプションの欠如

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令和という新時代の幕開けに行われたこの一戦、人数をかけた守備を特徴とする両チームの戦いは、大きな動きを見せないまま推移する。そして、試合終了間際の93分に磐田のプレスを受けたMF青木拓矢がバックパスを選択すると、FWロドリゲスがカット。GK西川周作との1対1を制し、これが決勝点となった。

 

オズワルド・オリヴェイラ監督が試合後に「青木(拓矢)も人間。ミスを犯すこともある」と語る通り、青木という信頼のおける選手らしからぬプレーとはいえ、不運な失点というのは往々にして起こり得るものだ。

それよりも、敗戦の原因を挙げるとすれば、チームとしての幅の持たせ方が足りない部分にあるだろう。この試合における浦和のポゼッション率は60%。それまでの3連勝していた試合の数字を並べれば、ガンバ大阪戦が42%、ヴィッセル神戸戦が25%、清水エスパルス戦が55%と、それほどボールを持つ戦い方はしていない。

もちろん、いかに地に足の着いた堅守を持ち味とし、FW興梠慎三を中心とする鋭いカウンターから得点を奪ってきた今季の浦和であろうと、ポゼッションは一つの指標でしかない。重要なのは、どういった意図がその数字を生み出したかという点だ。

磐田戦に関しては、完全に“持たされた”結果としてポゼッションで上回ることとなった。ハーフタイム中の指示で名波浩監督は「飛び込まない守備」を徹底。さらに、磐田GKカミンスキーも0-0で迎えていた後半終盤、ルーズボールを処理した場面でゆっくりとボールをセットし、強かに時間を使っていた。

0-0の状態で時間を使っていたということは、磐田が浦和にボールを“持たせていた”意図は、勝ち点1を持ち帰る戦い方を良しとしたためだ。そして、なぜボールを持たせることが勝ち点の獲得に繋がると判断されたのか。

それはやはり、浦和というチームの攻撃がカウンターに大きく依存していることが原因だろう。MF柏木陽介が欠場していたとはいえ、現状で崩し切るオプションを有しておらず、対戦相手に割り切ったプランを採らせる余地を与えてしまった。

■無得点という結果は“事故”ではない

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現状のままでも、浦和が大崩れしていくことはないだろう。しかし、名波監督が「(浦和は)バックパスが多い。狙いを持っておこうと伝えていた」と明かしているように、パターンの偏りは確実に付け込む隙を与える。

浦和の目標はあくまで優勝だ。今後、オリヴェイラ監督の下で結果が付いてくればくるほど、相手は勝ち点1を十分な結果と評価するようになる。

興梠は、「前半は結構チャンスがあったが、そこを決め切れずに自分たちで苦しい試合にしてしまった」と振り返る。確かに、DF山中亮輔の果敢な攻め上がりから、幾度かの決定機は得ていた。しかし、その形はここまで繰り返し見せてきたものであり、シーズンが進むにつれて当然、対策はされていく。

オリヴェイラ監督は敗戦後、「選手たちも人間。波があると思う」と語り、「私たちの道のりの中で起こってしまった事故。インテンシティーの高い準備をまた進めていきたい」と前を向く。

だが、磐田戦のスコアは0-1だ。タイトルを目指すには毎試合で勝利を求めなければならず、勝利を目指すには最低1点以上が必要となる。ここまでの10試合での総得点が8点というのは、かなり物足りない数字だ。そして、安定して得点数を増加させるためには、試行回数を増やすか、決定機そのものの質を高める必要がある。今季のPKによる3得点を除けば、浦和が今季1得点当たりに要しているシュート数は20.6本。失点には不運もあったが、磐田戦でのシュート数は8本のみであり、無得点という結果は“事故”ではない。

とはいえ、この日、オリヴェイラ監督は0-0の状態で迎えた63分というやや早いタイミングでFW汰木康也を、71分にはマルティノスを投入した。さらに、86分にはDF森脇良太に代えてFWアンドリュー・ナバウトを送り出し、攻撃に比重を傾けている。勝利をもぎ取ろうという姿勢は見えた。

劇的ではないが、少しずつ変化を見せている浦和。磐田戦を“不運な敗戦”と許容してこれまでの延長線上に成長を描くか、“決め切れなかった試合”と悔やんでゴールをこじ開ける形を模索するか。ここから夏に向けて浮上していくためのターニングポイントには、すでに差し掛かっている。

しかし、日程は待ってはくれない。浦和は中3日となる7日にAFCチャンピオンズリーグ(ACL)グループステージ第5節でブリーラム・ユナイテッド(タイ)とのアウェーマッチを戦い、それから中4日の12日に行われるJ1第11節では名古屋グランパスとアウェーで対戦する。過密日程が続くなか、どれだけ強化を進めることができるか。指揮官の手腕が問われる。

取材・文=上村迪助(Goal編集部)

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「※」は提携サイト『 Sporting News』の記事です

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