■歴史的優勝争いを繰り広げた両雄が再び
イングランド・フットボールの新シーズンは、8月4日のコミュニティ・シールドで幕を開ける。プレミアリーグ王者とFAカップ王者が対戦するいわゆる“スーパーカップ”だが、昨季はイングランド史上初となる国内3冠を成し遂げたマンチェスター・シティがプレミア、FAカップともに優勝しているため、対戦相手はリーグ戦を2位で終えたリヴァプールとなった。両者の対決は、この大会では初となる。
この両チームは昨季、プレミアリーグの歴史に残るハイレベルな優勝争いを繰り広げた。シーズン30勝を挙げ、わずか1敗でクラブ史上最多となる勝ち点「97」を稼ぎ出したユルゲン・クロップのリヴァプールだったが、その上をいったのが、ペップ・グアルディオラの下で「32」もの白星を積み重ね、勝ち点「98」を獲得、リヴァプールに唯一土をつけたチームでもあった史上最強のシティだった。
リヴァプールはサディオ・マネ、モハメド・サラーがそろって22ゴールを挙げてプレミア得点王に輝き、守ってはPFA年間最優秀選手に輝いたヴィルヒル・ファン・ダイク、ゴールデングローブ獲得の守護神アリソンが鉄壁を誇り、攻守いずれも隙のないチームだった。だが、それでもシティには一歩及ばなかった。シティはクロップのチーム顔負けのゲーゲンプレッシングや手堅い守備に加え、リーグ最多95ゴールを挙げた攻撃陣の充実を武器に、リーグ戦ラスト14連勝という圧巻の勝負強さで追いすがるリヴァプールを退けたのだった。
しかし、リヴァプールはどうしても欲しかったプレミアのトロフィーを奪われた悔しさをバネに、シティ顔負けの勝負強さでトッテナムとの同国対決となった決勝を制し、チャンピオンズリーグ優勝を果たしている。そのレッズが掲げたビッグイヤーは、シティが何よりも欲していたトロフィー。その意味でリヴァプールも一矢報いたとも言える。このように、両者はローカルダービーでもなければ因縁の歴史があるわけではないが、現在の力関係からいえば、今イングランド・フットボール界で最大のライバルと言えるような関係にある。
だからこそ、プレミア開幕前の“プレシーズンマッチ”とはいえ、イングランド王者とヨーロッパ王者の間には、互いに負けられない意地がある。これから始まるシーズンで再びタイトルを争うからには、どちらもここで情けない姿を見せて敗北するわけには決していかないのだ。
■プレシーズンマッチで苦戦続きだったリヴァプール
Getty Images両チームともに、ベストメンバーは組めないかもしれない。リヴァプールはアフリカネーションズカップで7月19日の決勝まで勝ち上がったセネガル代表のマネが遅いオフを取っており、コミュニティシールドは欠場見込み。同大会をベスト16まで戦ったエジプト代表のサラーや、ブラジル代表としてコパ・アメリカを決勝まで戦ったロベルト・フィルミーノもチームに合流したばかり。プレシーズンマッチを1試合しかこなしておらず、まだコンディションはピークに達していない。
またナビ・ケイタ、ジェルダン・シャキリもケガから復帰したばかりで様子見の可能性がある。クロップはディヴォック・オリギや、昨季末に長期離脱から復帰したアレックス・オクスレイド=チェンバレン、ローンバック組のライアン・ケントやハリー・ウィルソンらに、プレシーズンマッチから引き続きチャンスを与えるかもしれない。
強烈無比な3トップを欠いたプレシーズンマッチでは、サラーとフィルミーノが出場した最後のリヨン戦に勝利(3-1)するまで、ドルトムント(2-3)、セビージャ(1-2)、ナポリ(0-3)に敗れ、スポルティング(2-2)とはドローと勝ちに見放された。ただ、この時期に「大事なのは長いシーズンに向けて体力をつけること」と語るクロップはさほど気にした様子を見せておらず、逆に多くのサブメンバーを試すことができたのを前向きに捉えている。今回のコミュニティ・シールドも3トップのレギュラーは揃わないかもしれないが、ただそれでも、生き残りやメンバー争いに燃えている控え組は引き続き必死のアピールを見せるはず。とりわけシティ相手に結果を出せれば、それはシーズンイン後も“使える”選手であることの証明にもなる。新しいリヴァプールの可能性を見出す上でも、彼らのプレーには十分に注目する価値がある。
■主力を欠いてもやはり完成度が高かったシティ
Getty Images一方のシティも、マネと同様にリヤド・マフレズがアフリカネーションズカップで決勝までプレーしており、コパ・アメリカ組のセルヒオ・アグエロ、ガブリエウ・ジェズス、フェルナンジーニョ、エデルソンらもトレーニングに合流したばかり。コミュニティ・シールドで彼らを起用するかは微妙なところだが、リヴァプールよりも層が厚いチームはプレシーズンのアジアツアーで、アグエロらの不在を感じさせない“横綱相撲”を見せた。
まずは中国で行われたプレミアリーグ・アジアトロフィーでは、ウェストハムを4-1で破り、ウォルヴァーハンプトンとはスコアレスドローに。続いて香港で傑志SCを6-1で粉砕し、さらに日本へと移動して横浜F・マリノスを3-1で破った。一連の試合では、ウルブズ戦でやや決定力を欠いたきらいはあったものの、ペップ・スタイルのチームの完成度の高さがやはり際立っていた。どの試合でもしっかりとボールを支配し、ポゼッションワークで相手を敵陣に押し込めるスタイルは健在であり、フォアチェックや中盤でのプレッシングも相変わらず徹底されていた。
その中では唯一ボールポゼッションで苦戦したのが似たスタイルを持つ横浜FM戦だったが、この試合ではカウンターでも確実に点を取れることを示し、中でもその中心となるケヴィン・デ・ブライネが素晴らしい仕上がり具合を見せた。昨季はケガに苦しめられたデ・ブライネだったが、1ゴール1アシストをマークしたこの試合では広い視野、鋭い身体のキレ、正確なキックとあらゆる面で状態の良さを感じさせ、リヴァプール戦から始まる新シーズンも改めて他チームの脅威になりそうだ。
またアトレティコ・マドリーからクラブ史上最高額の移籍金で獲得した新戦力のMFロドリも上々のプレーぶりで、早期にペップのスタイルにフィットしそうな印象を与えた。チーム全体の完成度とコンディションで言えば、リヴァプールよりもシティに一日の長がありそうである。
簡単には負けられないライバル対決にして、プレミアリーグ開幕に向けた大事な“最終テスト”の場でもあるコミュニティ・シールド。両監督の選手起用やシーズンをにらんだ駆け引きを堪能しつつ、今季もタイトルを争うことになるであろう両チームの仕上がり具合をぜひチェックしたい。
文=寺沢薫
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「※」は提携サイト『 Sporting News』の提供記事です



