今、全世界のサッカーファンの注目がスペインに集まっている。27日からの4日間で、2度も“クラシコ”が行われるからだ。
レアル・マドリーとバルセロナという、スペインだけでなく世界で最も力を持つ2クラブの対戦。一度目はコパ・デル・レイ準決勝セカンドレグ、そして2日にはラ・リーガ第26節で再び激突。両試合ともレアル本拠地サンティアゴ・ベルナベウでの決戦だ。
このビッグゲームを前に、『Goal』は独占インタビューを敢行。現役時代、バルセロナの下部組織出身でありトップチームデビューを果たしながら、1990年にレアルへと“禁断の移籍”を行ったルイス・ミジャ氏に、スペイン最大の試合について話を聞いた。
■レアルのリーダーは変わった
GETTY IMAGES――レアルは2つのクラシコ(コパ・デル・レイとラ・リーガ)を控えているが、コパ・デル・レイの方が重要になると思う?
「コパ・デル・レイは決勝に進出してタイトルを勝ち取る可能性を秘めている。ラ・リーガがレアルにとってかなり難しいものになっていることを考えると、コパ・デル・レイの方に焦点を当ててもおかしくないね。でもどちらの試合も両チームのモチベーションをかなり高めるものだ。お互い一歩も引かない戦いになるだろうし、レアルはどちらの試合も勝ちに行くだろう」
――選手個人の調子は良い一方で、チームの調子は悪いのでは?
「レアルはカンプ・ノウとワンダ・メトロポリターノでは調子が良いように見えたが、それからもたつき始めた。もしかしたら、彼らはクラシコや今後の試合のことを考えていたのかもしれない。ジローナやレバンテとの試合にあまり注意を向けていなかったのかもしれないね」
「バルセロナ最大の長所はリオネル・メッシだ。彼はどんな相手でも崩すことができる。あとジェラール・ピケやマルク=アンドレ・テア・シュテーゲンも高いレベルでプレーしているね。だが、両チームともチャンピオンズリーグ(CL)を制するためにはチーム力の向上が必要だ。そうしなきと、どちらもCLを優勝することはできないだろう」
――ヴィニシウス・ジュニオールがメッシと比較されているが?
「彼らを比較することはできない。実際、誰もメッシとは比較できないよ」
「だがそうはいっても、ヴィニシウスは若くて高い能力があり、ドリブルができて、最高レベルのパワーと攻撃力を有しているのは確かだよ」
「ただ、いくつか改善しなきゃいけないところもあるね。例えばボールを手放すタイミング。彼はとても興味深い選手だが、メッシと比べるとまだ見劣りするよ。比べるのはまだ早い」
――ルイス・スアレスのゴールが減っているね。
「フォワードはいつも得点が欲しい。ゴールがないと調子が下がるというわけではないが、彼らの自信はプレッシャーの大きさによって左右され得る。チームがうまくいっていない時はプレッシャーが大きくなるから問題になりやすい。継続的にゴールしたくても、結局ミスをしてしまうんだ」
「それを考えると、スアレスは継続的にゴールをしていなくても決める時は決める選手だね。(第25節)セビージャ戦でそれを示した。彼はゴールを決める風には見えなかったが、メッシのアシストからうまく決めた」
――マドリーでは、今カリム・ベンゼマがリーダーとして振る舞っているように見えるね。彼はキャリア最高のプレーを見せている?
「少なくともキャリア最高のうちの一つに入る。彼がクリスティアーノ・ロナウドの隣でプレーする重荷を背負っていないことがわかるだろう。マドリーはC・ロナウドに気持ち良くプレーさせることを第一にしていた。ベンゼマのために組み立てることは少なかったんだ」
「今の彼は最高のプレーをしている。彼は居心地よくプレーしているね。中盤をサポートして連携を図っている。(第25節)レバンテ戦ではチームのボール回しがうまくいってなかったから、彼は中盤にまで下がってボールを受けていた」
「C・ロナウドが去ってから彼のプレーは効果的になっている。チームの主軸になろうと努力していて、それがうまくいっているようだね」
■両者の“唯一の違い”
Getty Images――コパ・デル・レイのクラシコは、ラ・リーガのクラシコにどう影響すると思う?
「水曜日に勝ったチームは決勝戦が約束される。それはかなり影響するだろう。両チームともプロフェッショナルだから、どんな状況でも気持ちは切り替えることができると思うが、勝った方は勢いづき負けた方はいくらかダメージを受けるだろう。特にメンタル面での影響が大きい」
「ラ・リーガのクラシコに関しては、バルサは勝ち点が上回っている(9ポイント差)ことを意識しながら試合を進めるかもしれない。マドリーはジローナ戦やレバンテ戦よりもいいプレーをしなければいけない。カンプ・ノウやアトレティコ・マドリー戦(第23節)で見せたような戦いをね」
――コパ・デル・レイ、ラ・リーガそれぞれのクラシコで有利なチームは違うということ?
「有利なチームはないと思う。たとえ片方がもう一方より順調に進んでいたとしてもね」
「両チームの唯一の重要な違いは、メッシがいるかいないかだ。それ以外は互角の対戦カードだと思う。ホームチームの方がファンも多いし少し有利かもしれないが、はっきりとした優位とまではいかない。マドリーはたくさんのプレッシャーを受けているから何が起こるかはわからない」
■それぞれの監督、そしてベイルの愚行
Getty Images――(バルセロナ指揮官)エルネスト・バルベルデへの批判は理解できる?
「そうした批判は結果が伴わない時に起こるものだが、それは的を射ていない。彼の哲学はバルセロナが求めているものとうまくマッチしている。ペップ・グアルディオラ(2008~2012年指揮)は水準をとても高くしてしまった。彼は他の人が達成するのが難しいレベルに達してしまったんだ。ペップ以降の監督はそれでも彼らなりの成果をあげてきた」
「エルネストは成果を上げているし、より良いバランスを求めている。時にはより守備的になって攻撃にさらされないようにするとかね。監督にはそれぞれ自分のアプローチがあるが、彼はバルセロナでうまくやっていると思うよ。ただ求められる水準がとても高いん」
(レアル指揮官)サンティアゴ・ソラーリについてどう思う?
「ソラーリは監督として始まったばかりで、とても難しいチャレンジに直面している。彼の唯一の指導者経験はレアル・マドリード・カスティージャ(Bチーム)でのものだ。そして今はレアル・マドリーという非常に難しいクラブで、自分がフットボールを理解しているだけでなくチームをまとめ上げる力も持っていることを証明しなければならない」
「彼はその能力を証明しつつもある。ビッグネームをスタメンから外して若手にプレーをするチャンスを与えることでドレッシングルームでの地位を強固にしたね。しかし、いい決断をしそこなった試合もある。例えば(第24節)ジローナ戦では相手のエウセビオ・サクリスタン監督が作った変化を見極めることができていたとは思えない」
「緊迫した状況でゲームの流れを見極める経験が不足しているところは、まだ改善の余地はあるね。けれどもマルセロやギャレス・ベイルをスタメンから外した決断は高く評価するよ。あれは簡単にできる決断ではない」
――物議を醸しているレバンテ戦のベイルについては(※決勝弾を挙げた際、駆け寄ってきたルーカス・バスケスをうつむいたまま振り払った)?
「彼はかんしゃくを起こしたんだと思うが、それは大きな過ちだ。ベイルはもうL・バスケスに謝罪をしていると想像するよ。プロチームであろうとなかろうと、サッカーチームにおいて悪いイメージがもたらす被害は甚大だ」
「チームというのは価値観を共有してこそうまくいくもので、多くの人々の前でああいったジェスチャーをするのはチームの連帯を乱すものだよ。さらに問題なのが、過ちを繰り返しているということだ。我々はすでにワンダ・メトロポリターノで彼の愚行を目にした(※ゴールを決めた際、侮辱的なジェスチャーを披露)」
「彼はチームメイトとコミュニケーションを取っていない印象を受けるよ。それがレアルの問題だ。彼らは“最高のチーム”というイメージを見せたいのだが、そこで選手の一人がああいったことをすると台無しになる」
「たしかにあれはアンラッキーで、若い選手が過ちを犯すのはしょうがないとも思うよ。だがこれはクラブのイメージにとって非常にマイナスだ。なぜならチームメイトへの敬意を欠いているからね。特にL・バスケスに対してね」
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