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特別手記:消されたメッシの存在感…主役となったC・ロナウドの忘れられないアクション【最高のクラシコ】

18:40 JST 2019/03/02
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フットボールをお祭りごととして記述するならば、エドゥアルド・ガレアーノに勝る人物は今なお現れていない。快楽を感じさせる文章を書かせればアーヴィン・ウェルシュの右に出る者はいないし、ピッチ上の現象は書き表すことはサイモン・クーパーがお手の物としている。しかしながらクラシコというものは、フットボールの宇宙においてそれだけで存在が成立している。ただ、それを見ればいい。聞けばいい。触れればいい。ただただ、感じるだけでいいのだ。

私はスペイン首都に拠を構えるスポーツ紙『AS』の記者として、これまで13シーズンを過ごしてきた(私たちは年数ではなく、シーズン数でキャリアをはかる)。しかしカンプ・ノウでのクラシコを経験するまでには、2012年まで待たなくてはいけなかった。もちろん、サンティアゴ・ベルナベウでのクラシコも壮観ではあったが、もう一つのスタジアムで行われるクラシコも目にする必要性を感じていた。

アルフレド・ディ・ステファノは「ゴールのない試合など、太陽のない日曜日みたいなものだ」と言ったが、私は「毒のある論争や記憶に残る場面がないクラシコなどクラシコではない」ということを付け加えたい。私の頭と心には、金色の三本線が入った白いユニフォームを着ているクリスティアーノ・ロナウドがいる。あの4月21日に行われたクラシコで、彼はマドリーのマタドールとしてカンプ・ノウに詰めかけた9万9252人の胸を一突きにした。

カンプ・ノウのゴールを陥れた直後、「まあ落ち着けよ」とでも言わんばかりに、ピッチに向けた右手の手の平を上下させたあのパフォーマンスは、1999年にラウール・ゴンサレスが同じスタジアムで人指し指を口に持っていたものと並んで、マドリーの伝説として扱われている。

【2011−12シーズン、リーガ・エスパニョーラ第35節】
バルセロナ 1-2 レアル・マドリー

◆バルセロナ先発
GK:バルデス
DF:プジョール、アドリアーノ、マスチェラーノ
MF:ダニエウ・アウベス、チャビ、ブスケッツ、チアゴ・アルカンタラ
FW:テージョ、イニエスタ、メッシ
監督:ジョゼップ・グアルディオラ

◆レアル・マドリー先発
GK:カシージャス
DF:アルベロア、セルヒオ・ラモス、ペペ、コエントラン
MF:シャビ・アロンソ、ケディラ、ディ・マリア、エジル、C・ロナウド
FW:ベンゼマ
監督:ジョゼ・モウリーニョ

■圧巻のモザイク


あの日のことを、詳細に語ろう。私はマドリーのアトーチャ駅からスペインの高速鉄道AVEに乗り込み、バルセロナのサンツ駅へと向かった。ビッグマッチの前にいつも聞く、ピクシーズの曲を相棒に。あのクラシコは、ジョゼ・モウリーニョ率いるマドリーが、リーガ優勝を決定づけるかどうかという試合だった。バルセロナに到着すると、カタルーニャ料理の傑作パ・アム・トゥマカットをほうばって、それからカンプ・ノウの周りを少し散策してからスタジアム内に入った。

カンプ・ノウは、まさに圧巻だった。空席でも感動を誘い、満席になると恐怖すら感じた。記者席もとても大きく、試合直前にはその眼前に4万人がつくり出すモザイクが広がった。そこに浮かび上がったカタランの言葉は「私たちは私たちであり、未来も私たちであり続ける」。バルセロナのアイデンティーが、強烈な形で示されたのだった。

クラシコのクラシックな審判、ウンディアーノ・マジェンコが笛を吹くと、カンプ・ノウは揺れた。アルゼンチンのように、いきなり吠え声がとどろくわけではないが、激しいざわめきがスタジアムを支配する。そしてそれは徐々に、悲しみと喜びの叫び声へと変わっていったのだった。

16分、サミ・ケディラが彼らしく泥臭い、ぬめりけのあるゴールでマドリーの先制点を記録。対するバルセロナは69分にアレクシス・サンチェスが同点弾を決め、観客に希望をもたらした。しかし、クラシコはやはり花形がゴールを決めるべきものなのだ。この試合ではジョゼ・モウリーニョの策略により、リオネル・メッシの存在感がかき消されていた。つまりは、C・ロナウドがその役割を引き受けなければならなかったのだ。

■ライバルという存在


ポルトガル人FWは、右サイドのメスト・エジルが出したスルーパスから最終ラインを突破。そのままペナルティーエリア内右に侵入すると、GKビクトール・バルデスを眼前に右足のシュートでネットを揺らした。「まあ落ち着けよ」の手振りなど必要ないくらいにスタジアム全体は静まり返り、一方で少数のマドリディスタスは、まるで聞き分けがないように狂喜乱舞だった。

試合終了後、当時のバルセロナ指揮官ジョゼップ・グアルディオラは「これだけ早く優勝を決定付けたマドリーを祝福する」と語ったが、モウリーニョ率いるマドリーは最終的に、史上初の勝ち点100を獲得してリーガ優勝を達成。一方のバルセロナは、ペップが疲弊を理由として監督の座を辞している。明暗は、スタジアムで感情が奔流するクラシコの時点で分かれていた。

レアル・マドリーはバルセロナなしでは生きていけず、バルセロナはレアル・マドリーなしでは生きていけない。最大のライバルからは、耐え難い悲しみを与えられることも、無上の喜びを手にすることもできる。私はそのことを、あのカンプ・ノウの夜に思い知ったのだった。

文=カルロス・フォルハネス(Carlos Forjanes)/スペイン『AS』、レアル・マドリー番記者
翻訳・構成=江間慎一郎

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