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無観客のスタジアム。響く選手の声、ボールを蹴る音。鹿島が札幌との練習試合を配信した理由

■リーグ戦が中断する中で

 新型コロナウイルスは収束の気配を見せていない。2月21日に開幕した今季の明治安田生命J1・J2リーグは第1節を消化したのみで中断された。その後、Jリーグは、開幕を迎えていなかったJ3を4月25日、J2を5月2日、J1はゴールデンウィーク明けの5月9日を再開日と定めた。

「試合ができない状況が長く続いている中で、クラブとしても考えさせられることが多かった。今年はほとんどプレシーズンがなくシーズンに入ったことで、この期間をプレシーズンのように扱っていたところもあるんですが」

 鹿島アントラーズ・マーケティンググループコンシューマーチームマネージャー春日洋平氏はそう語る。サッカー専門紙エル・ゴラッソの鹿島担当記者田中滋氏もこの突然の中断は、選手にも影響を与えていると発言する。

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「日々取材するなかで、モヤモヤしている選手がいると感じます。リーグ戦があると、ある程度のルーティンができますよね。試合に向けての取り組みがないと、どこにピークを持っていけばいいのか大変だと思います。ある選手はモチベーションの置きどころが分からないと言っていました。難しいですよね」

 選手、チーム、そしてファン・サポーター。今までそこにあったサッカーを軸とした日々が送れない。春日氏は言う。「今この状況で我々ができることって何だろう? となったときに、練習試合をライブ配信しようと」。クラブは決断からわずか数日間で数々の承認を経て開催にこぎつけた。

 一番注意を払ったのは言うまでもない。感染予防だ。

「選手導線、関係者導線、そしてメディアの導線といったものを明確に分ました。消毒液、マスク着用を徹底し、100点ではないものの難しい状況の中届けられるものは届けられたという思いです」

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■厳戒態勢を敷いて実現した配信

 4万人収容の県立カシマサッカースタジアム。中継スタッフはスタジアムの上層から試合映像を俯瞰で撮影している。観客がいないことで、選手、そして監督の声が響く。

「通常プロチームは上からのカメラは入れたくないものなんです。戦術面でオープンになりますからね。それは札幌さんも同じでしょう。でも、今だからこそオープンにすることでファン・やサポーターのみなさんんに選手の声、表情すべてを届けようと。そこに合意していただけたのは本当にありがたいと思っています」

 そんな春日氏の思いを表すかのように、激しく競り合い、緊張感あふれるゲームが続く。この日、解説を務めたのは両クラブのOBの二人。鹿島の中田浩二クラブ・リレーションズ・オフィサーと河合竜二コンサドーレ・リレーションズチーム・キャプテンだ。河合氏が言う。

「激しいですね。やはり久しぶりの試合ですし、スタジアムでやる、配信されている。だから気持ちも入る。ボールを蹴る音、競り合う音が響きますね」。

 試合が終了し、選手たちは取材を受ける。この日は感染防止のためメディアとは完全隔離され、TV画面を通じた取材となった。厳戒態勢のなか実現した配信。「プロの興行ですから、チームを応援してくださっている皆さんにコンテンツを見ていただけたことは、クラブとして喜ばしいと考えています。今回は配信という形でした。でも、やはり赤く染まったスタジアムが見たいです」と春日氏は語る。

「再開に向けて最高の準備を続けることが使命だと思っています」

 J1リーグ戦の再開はゴールデンウィーク明けの5月、第13節となる。鹿島は10日(日)にガンバ大阪とパナスタで、札幌は9日(土)に清水エスパルスと札幌厚別で対戦する予定だ。その日を迎えられる日を心待ちにしたい。

 なお、この練習試合はDAZN(ダゾーン)で見逃し配信中だ。

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「※」は提携サイト『 Sporting News 』の提供記事です
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