異なるチーム編成で6月のキリンチャレンジカップとコパ・アメリカに臨む森保ジャパン。メンバーには来年の東京五輪を目指す顔ぶれが多く招集された。その選考の意図、そして両大会のテーマとは?スポーツライターの飯尾篤史氏はこう読み解く。
■苦戦したメンバー選考
森保一監督が苦悩する様子が浮かんでくるようだ。
6月5日、9日に行なわれるキリンチャレンジカップと、6月半ばに開幕するコパ・アメリカに出場する日本代表は、まったく別のチームになった。
キリンチャレンジカップでトリニダード・トバゴ、エルサルバドルと対戦するチームは純粋なA代表。一方、コパ・アメリカに参戦するチームは23人中18人が22歳以下の選手たち。東京五輪世代に、5人のオーバーエイジを加えた、あるいは、オーバーエイジで人数を揃えた、そんな趣なのだ。
もっとも、メンバー選考が苦戦するのは、かねてから予想されていた。
コパ・アメリカの開催時期はインターナショナルマッチウイークではなく、アジアの日本にとって所属する大陸の大会でもない。森保監督が語ったように「(日本協会に選手の)拘束力がない」「(クラブに選手の)派遣義務がない」大会なのだ。
実際、1カ月ほど前、指揮官は「(コパ・アメリカが)どんなメンバーになるか分からない。協会が今、交渉してくれている」と語り、「両方(キリンチャレンジカップとコパ・アメリカ)とも呼べる選手が、どれだけいるか」と苦しい胸の内を明かしていた。
©Getty Images結果、両大会とも招集できたのは、9人だけ。しかも、そのうち2人は、メンバー発表時点で今季の試合出場がゼロのGK川島永嗣と、シーズン得点がゼロの岡崎慎司なのだから、いかに苦しい人選だったかが伺える。
また、コパ・アメリカのメンバーは、大迫敬介と松本泰志を送り出したサンフレッチェ広島、小島亨介と岩田智輝の派遣を許可した大分トリニータを除くと、1クラブから1選手しか選ばれていない。この時期、Jリーグが開催中だから、各クラブ原則1名ということで派遣に協力してもらったのだろう。もはや、監督の力の及ぶ問題ではなかった。
■コパ・アメリカを東京五輪に向けた強化の場に
こうしたことを理解したうえで、両大会におけるポイントを見ていく。
キリンチャレンジカップのテーマは「さらなる戦術の浸透」つまり、「継続」だ。
1月のアジアカップの中心選手で、3月の親善試合では選考外だった長友佑都、大迫勇也、原口元気、酒井宏樹らの“ロシア組”が復帰。彼らと、3月の親善試合で台頭した鈴木武蔵、橋本拳人、畠中槙之輔らの新戦力との融合を図るのが狙いだろう。
「キリンチャレンジカップでは、ベストな部分でチーム力を上げたい」と森保監督自ら明かしているように、現状のベストメンバーに近い顔ぶれ。9月に開幕するカタール・ワールドカップ予選に向けて、チームの骨格がくっきりと見えてきた。
©J.LEAGUE一方、コパ・アメリカのテーマは、大きく3つある。
ひとつは、森保監督が指揮を執ることによるチームの活性化だ。
五輪世代の選手たちが森保監督の指導を受けるのは、昨年9月のアジア大会以来のこと。それ以降、A代表と五輪代表の活動が重なっていたため、横内昭展コーチが五輪代表の指揮を執ってきた。
この間、強化が進んでいないとは言わないが、実際の監督も教えを請えないというのは、選手のモチベーションに影響を及ぼしかねない。東京五輪本番まで、あと1年ちょっと。森保監督が直接見ることで、チーム作りのギアを上げたい。
ふたつ目は、真の強豪との対戦で世界レベルを体感すること。
五輪代表がこれまで対戦したなかで強敵と言えるのは、2歳年上のU-23ウズベキスタン代表と、2歳年上で、オーバーエイジもいたU-23韓国代表くらい。今回、その彼らより2ランクも、3ランクも上のチリ、ウルグアイ、エクアドルのA代表と対戦するチャンスを得られたのだ。強烈な経験が、今後の成長の糧になるはずだ。
ちなみに、2011年大会に招待されたメキシコは、今回の日本と同じように五輪代表にオーバーエイジを加えたチームで参加した。このとき彼らは3戦全敗に終わったが、翌年のロンドン五輪で金メダルに輝いている。
もうひとつは、オーバーエイジの疑似体験ができること。
本番直前にオーバーエイジが加わると、選手たちが萎縮してしまうことがある。そうならないためにも、あらかじめ年上の選手とプレーする、年上の選手とポジションを争う経験を積んでおくことは、重要だろう。東京五輪は予選がないわけだから、東京五輪世代とオーバーエイジの融合に、もっと早く取り組んでもよかったくらいだ。
キリンチャレンジカップとコパ・アメリカの両大会に向け、異なるチームを編成することになったが、東京五輪に向けた強化ということを考えれば、怪我の功名。22歳以下の選手たちはこれ以上にない経験を積めるはずだ。
文=飯尾篤史
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