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森保ジャパン、新たな顔ぶれが先発か。新布陣による序列変化でサイドは激戦区に

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柴崎岳とコパ・アメリカに出場する代表選手2

日本代表は9日、ひとめぼれスタジアム宮城でキリンチャレンジカップ2019・エルサルバドル戦に臨む。前回のトリニダード・トバゴ戦で新システムの3-4-2-1を試した森保ジャパンは、今回のエルサルバドル戦も3バックを継続する見込み。この試合の位置づけと注目すべきポイントとは。

■課題が見えたトリニダード・トバゴ戦

9月から始まるカタール・ワールドカップアジア2次予選を前にして、5日のトリニダード・トバゴ戦(豊田)で就任15試合目にして3バック導入に踏み切った森保一監督。3-4-2-1でスタートしたチームは、試合を通してボール支配率が60%超え、シュート25本と、内容で圧倒したものの、最後まで得点を奪うことはできなかった。

この新システムに関して最大のポイントと言えるのは、「3バックの生命線」とも言われるウイングバックだ。前回は右に酒井宏樹(マルセイユ)、左に長友佑都(ガラタサライ)というおなじみのコンビが務めたが、「前半は4バックの癖が抜けきらなくてすぐ後ろに下がってしまった」と、長友が話すように、慣れ親しんだ4バックの感覚に引っ張られてしまい、低めのポジショニングを取ることが多かった。

確かに3トップ気味の相手に対して日本は、両ウイングバックが下がり気味となってしまい、後ろに重い印象は否めなかった。一方で、攻撃時は空いたスペースを駆け上がる“前への推進力”と、ボランチからの左右の展開を交えた“横のダイナミックさ”は感じることができた。長友が「初めてにしてはポジティブなものがたくさん見えた」と手応えを口にしていたように、課題が見えたなかでも、新システムによる明確な収穫も感じ取ることができた。

■WBは原口、室屋の起用が濃厚

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森保監督は、9日に行われるエルサルバドル戦(宮城)でも3バックでスタートすることを明言している。さらに「第1戦から先発を入れ替えて試合に臨みたい」と話していたことから、メンバーはガラリと入れ替わる可能性が高い。

そのエルサルバドル戦では、室屋成(FC東京)と原口元気(ハノーファー)がウイングバックで先発出場する見込み。FC東京では4バックの右でプレーする室屋は、もともと前への推進力が持ち味。4枚の時も積極果敢にオーバーラップし、ゴールに直結する仕事ができる。新システムへの適応具合次第だが、その持ち味を発揮できれば、右の定位置争いもより激化しそうだ。

さらに、伊東純也(ゲンク)のウイングバック起用の可能性も浮上している。エルサルバドル戦では、室屋に代わって入ることが濃厚。森保監督も伊東の右ウイングバックにはこだわりがある様子で、練習でも繰り返しトライさせていた。持ち味の鋭いドリブル突破は、攻撃色をより高めてくれるはずだ。

左の原口はウイングバックを本職とする数少ない選手の1人だ。浦和レッズ時代には、森保監督が師と仰ぐミハイロ・ペトロヴィッチ監督(札幌)の下で3バックに慣れ親しんでいたことから、戦術理解度も高い。さらに、現在所属するハノーファーでもウイングバックが主戦場。だからこそ、ウイングバックで求められるポジショニングや、役割を熟知している。

 「僕は毎週(ウイングバックを)経験している。あの位置はちょっとした高さのポジション取りが大事。いい場所にいることによって、真ん中が空いてきたりとか、一発で裏を取れることもある。逆に言うと、守備で曖昧なポジションを取っていると裏を突かれたり、プレッシャーがかからなかったりする。本当に難しい役割だけど、自分の運動量は生かせる」

■新システムの併用がもたらす可能性

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このように3-4-2-1の採用によってチームに新たな競争が生まれたのは明らかだ。右ウイングバックであれば、酒井、室屋、伊東が1つのポジションを争う構図で、左も長友、原口、山中亮輔(浦和レッズ)がひしめく。両サイドで高い実戦経験を誇る原口は、一気にファーストチョイスとなる可能性もある。新システムの採用で序列が崩れることは、日本代表の活性化につながる――。それはどのポジションでも同じことが言える。

また、3バックと4バックの併用が可能かどうかを確認することも、エルサルバドル戦の重要なテーマとなる。

森保監督は「ワールドカップ予選やこの先の戦いのなかで臨機応変に変化をつけることができればいい」と、対戦相手や状況によって柔軟に戦い方を変化させられるチームを目指している。トリニダード・トバゴ戦に出場しなかった選手も、新布陣を経験することで、チーム全体の戦術理解度が向上すれば、秋からのW杯予選は非常に戦いやすくなる。

その布石を打つべく、エルサルバドル戦では、新システムのさらなる収穫を手にしたいところ。この試合に向けては、森保監督が18歳になったばかりの久保建英(FC東京)のベンチ入りを明言。A代表デビューが確実視されている。

ウイングバック争い、若き才能のデビューなどを含めて、この一戦の見どころは少なくない。前回未勝利に終わっている日本代表だけに、今回は勝利してこの2連戦を締めくくることが大切だ。

文=元川悦子

【日本代表戦結果・日程】
キリンチャレンジカップ:6月5日(水)日本 0-0 トリニダード・トバゴ
キリンチャレンジカップ:6月9日(日)19:00~ vsエルサルバドル

【コパ・アメリカ 日本代表戦の日程(日本時間)】※DAZN独占配信
グループC第1節:6月18日(火)8:00~ vsチリ
グループC第2節:6月21日(金)8:00~ vsウルグアイ
グループC第3節:6月25日(火)8:00~ vsエクアドル

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