2015年以来となる4年ぶり2度目のJ1に挑戦する松本山雅FC。2月23日、ヤマハスタジアムでの明治安田生命J1第1節・ジュビロ磐田戦に臨み、1-1のドローで終えた。この試合では、新加入の右センターバック服部康平、左CBエドゥアルド、左ウイングバックに入った高橋諒ががチームに融合し、及第点の動きを見せている。
■大きく変わった守備陣の顔ぶれ
J1に初昇格した2015年は最終的に年間16位となり、1年でのJ2降格を余儀なくされた松本山雅。3年を経て、今季ようやく2度目のJ1の舞台に戻って来た。そんな彼らが目指すのは、もちろんJ1残留。クラブとしては「J1に3年とどまって、最高峰リーグで戦える土台を作りたい」という大目標を掲げている。
その意味でも、開幕・ジュビロ磐田戦は重要なポイントだった。まだ混とんとした状態の序盤戦でポイントを積み重ねておくことが、先々に大きな影響を及ぼす。そこは知将・反町康治監督も十分心得ていたに違いない。
今季の松本にとって大きな変化の一つが守備陣の顔ぶれが入れ替わったこと。
J2制覇を決めた2018年最終節・徳島ヴォルティス戦での先発は、GK村山智彦、DF今井智基、橋内優也、飯田真輝、右サイド・田中隼磨、左サイド・石原崇兆という陣容だった。
石原は昨年末にベガルタ仙台へ移籍し、その穴埋め役として湘南ベルマーレから高橋諒が加入。最終ラインにも服部康平とエドゥアルドという新戦力がそれぞれ栃木SCと川崎フロンターレから加わった。
磐田戦ではその新戦力が揃って先発出場。GKは守田達弥が定位置を奪い返し、右サイドも岩上祐三がスライドする形になった。「今年はキャンプからメンバーを固定している」と田中が語ったように、反町監督は新たな陣容の完成度を高めることを重視して、ここまで準備を積み重ねてきたのだろう。
■後半生まれた一瞬のスキ

▲湘南から加入し、左サイドで奮闘した高橋諒(左)右は(C)J.LEAGUE
J2時代から前線からのハイプレスと素早い切り替え、スピーディーな攻撃を追求してきた松本は、この日も高いインテンシティーで磐田を凌駕した。
負傷のレアンドロ・ペレイラに代わって1トップに陣取った永井龍、2シャドーの前田大然とセルジーニョが猛然と相手にプレスをかけにいき、自由を奪う。名手・中村俊輔でさえもボールロストが目立った。磐田は右のロドリゲス、左のアダイウトンの両サイドの個人能力で勝負し、中央にチャンスボールを入れようとしたが、それも岩上と高橋の両サイドが献身的に対応。服部とエドゥアルドも高さと強さではね返した。
「正直、もう少しコンパクトにしたかったのはあります。前半は相手両ワイドの選手にウチの両ワイドが引っ張られて、いびつなラインになってしまった。プラス、開幕戦ということで、ちょっと大味なゲームになってしまった」とキャプテンマークを巻く橋内は反省点を口にしたが、前半は磐田にチャンスらしいチャンスを作らせなかったのは確か。守備陣の編成が変わる中で、ある程度の完成度まで引き上げられたことは前向きに捉えていいだろう。
だからこそ、後半の一瞬のスキが悔やまれた。8分という前半早いうちに岩上の直接FKで松本が1点をリードして迎えた後半。磐田は中村を早い段階で下げて、ケガ明けの川又堅碁を投入してきた。
川又が1トップ、大久保嘉人がトップ下という明確な立ち位置になったことでボールも動くようになり、山田大記らもイキイキとプレーし始める。ロドリゲスと代わった荒木大吾も右サイドを活性化し、磐田がじわじわと押し込むようになる。55~70分の松本は全体が下がってしまい、相手に主導権を許すようになっていた。
そこを巧みに突かれてしまう。上原力也が左に開いた山田に展開した瞬間、岩上のマークが下がり、クロスに対応し切れなかった。次の瞬間、ゴール前で川又がドンピシャリのヘッド。
ここでもエドゥアルドの対応が遅れ、競りに行けなかった。ここまでほぼパーフェクトな仕事ぶりを見せていたエドゥアルドにしてみれば悔しいミスに他ならない。残念ながら、この失点で松本は1-1のドロー。開幕戦勝利とならなかった。
■新戦力が十分戦えたという収穫
©J.LEAGUE▲川崎Fから加入のエドゥアルド(C)J.LEAGUE
「ああいう場面はキャンプ中にはなかった。今回起きてよかったと思うし、練習からもっともっとやっていかないといけない。しっかり自分のミスだと捉えて、つねに向上心や学ぶ姿勢を忘れないで、自分を向上させていかないといけない」。とエドゥアルドは自戒を込めて語る。
しかし、「簡単に点を与えたところでは及第点は上げられないけど、よくやった」と反町監督も話すように、新戦力が十分戦えることを示したのは大きな収穫と言っていい。J2での経験しかなかった服部も「やる前はすごい緊張していたけど、いざピッチに入ったら普段と変わらないようにできた」と前向きに語っている。
今回ベンチ入りしながら出番のなかった町田也真人(←ジェフユナイテッド千葉)、ケガで離脱中のブラジル人FWレアンドロ・ペレイラ(←クラブ・ブリュージュ/ベルギー)、杉本太郎(←鹿島アントラーズ)らアタッカー陣が戦力になれば、選手層も厚くなる。
松本の前線は守備でハードワークするぶん、消耗度が高いだけに、永井と前田、セルジーニョだけに頼ってはいられない。全員が高いレベルではプレーできるようにならなければ、J1を戦い抜くことはできないだろう。
第2節では、第1節で鹿島アントラーズを下した大分トリニータとの昇格組対戦、JリーグYBCルヴァンカップ第3節では難敵・浦和レッズと難しい相手との試合が続く。松本は集中力とハードワークで、今季初白星をどん欲に狙っていく。
文=元川悦子
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