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札幌、好調の裏にある3連敗の記憶。DFキム・ミンテという“強さ”がもたらす破壊力

今季初の3連勝。順位も7位に上げ、北海道コンサドーレ札幌は4日、好調を維持してゴールデンウィークの明治安田生命J1リーグ第10節・ヴィッセル神戸戦に挑む。神戸は監督交代も含めなかなか調子が上がっていないが、それでもビッグネームが名を連ねるメンバー構成は迫力十分。クラブ史上初となるJ1での4連勝を懸けた一戦は、総力戦で迎え撃つことになりそうだ。

■3連勝前の3連敗、札幌は何を学んだか

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ただし、忘れてはならないのは、札幌は3連勝をする直前までは3連敗を喫しており、苦戦をしていたということ。順位も15位まで落としていた。そこから巻き返して一気に真逆の戦績にしたところは見事の一言に尽きるが、3連敗を喫していた要因からは目を背けることはできない。

「球際の部分だったり、相手よりも走るという部分だったり。連敗中はそういったところが足りていなかった」

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そう振り返るのは鈴木武蔵。その他にも「浦和レッズ、清水エスパルスに連勝したことで、どこか慢心が生まれた」といった類の言葉を発する選手も複数いる。4位と躍進を果たした昨季は、プレー強度と豊富な運動量とで相手を圧倒していたような試合も多かった。3連敗を経て、そうした昨季とのプレーの比較をした結果、3連勝へとつながっていったようだ。第8節の横浜F・マリノス戦で見せた相手ボール保持者へのパワフルなアプローチなどは、確かに迫力があり、昨季の好調時を彷彿とさせていた。

そして、そこに加えて注視すべきは「先制点」が与えた影響だろう。一般論に近いところもあるが、3連敗中はすべての試合で先制点を奪われており、3連勝中はその真逆。もっと言えば、選手に少なからずの慢心を与えた浦和戦、清水戦も先制点を奪って快勝したゲームである。

鈴木、チャナティップ、アンデルソン・ロペスら前線のアタッカー陣が見せる高速カウンターは今季の札幌の大きな武器。それこそ5-2のスコアで快勝した清水戦などは先制点を含めて常に先手をとり、相手が同点を目指して前がかりになってきたところでそのカウンターを発動。大量得点を奪うことに成功した。

一方で先制点を奪われた場合は、相手に守備ブロックを作られて手を焼いた。現代サッカーではブロックを構築した際の守備組織が整備されており、誰が誰と戦ってもそれを崩すのは簡単ではない。特に札幌はスペースに走るプレーが得意なアタッカーが多く、厚い壁には苦しめられた。長身FWジェイがいれば空中戦からスクランブルを生み出せたのかもしれないが、負傷離脱をしていた。

■キム・ミンテという“攻撃”への1つの解

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結果、札幌が落としどころとしたのは、とにかく先制点を与えないこと。そうやってC大阪戦での勝利で連敗を止め、そのなかで存在感を放ったのがこの試合で今季初スタメンとなったDFキム・ミンテだった。そしてこの選手が3バックの中央でスタメン起用されてから3連勝を果たすことになる。

キム・ミンテの武器はスピードとパワー。C大阪の都倉賢などのようなフィジカルを生かして勝負を仕掛けてくる相手をしっかりと封じることに成功した。昨季終盤から今季序盤にかけて3バック中央に入っていた宮澤裕樹はどちらかというとパス配球やビルドアップが強みであり、体を張ってねじ伏せるタイプのDFではない。その意味では、先制点を与えずに試合を進めようというプランにはキム・ミンテのほうがマッチしたわけである。どちらが良い、という話ではなく、どちらがシチュエーションにマッチしたか、ということだ。

ただし、それでもやはりキム・ミンテの活躍は大きく称えたい。今季は開幕から控えに回る試合が続いていたが、「自分に何が足りないのかを、常に考えながら練習をしてきた。練習でも良いいいパフォーマンスを持続してきた自信はある」と話しており、そうした選手が抜擢されて直ちに活躍を見せたのだから、チームに与えた好影響は大きい。4連勝を目指すうえでも、この選手がいかに神戸の強力攻撃陣を封じるかがカギを握ることだろう。

また、普段はスーツ姿で指揮を執るミハイロ・ペトロヴィッチ監督が、3連敗を喫した直後のJリーグYBCルヴァンカップ・グループステージ第3節の湘南ベルマーレ戦から「連敗で流れが悪かったので、変えてみた」とジャージ姿で采配。そこから公式戦5連勝となっており、この試合でもジャージ姿の指揮官が見られるはずだ。

文=斉藤宏則

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「※」は提携サイト『 Sporting News』の記事です

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