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専門家チームがNPBとJリーグへ提言…選手・関係者が新型コロナ陽性反応でも、原則活動は停止せず

日本プロ野球機構(NPB)と日本プロサッカーリーグ(Jリーグ)は12日、第3回の「新型コロナウイルス対策連絡会議」を実施。専門家チームが新型コロナウイルス感染症対策の基本方針を発表した。

プロ野球は第2回会議で専門家チームより「開催延期が望ましい」との見解が示されたのを受けて、3月20日の開幕を延期。同じくJリーグも3月18日の再開予定を後ろ倒しにし、4月3日まで延長する方針を固めていた。

12日に行われた第3回会議では、感染症対策について話し合いが行われた。専門家チームの提言によれば、感染対策は「個人防衛、集団防衛、社会防衛の3つの見地から考える必要がある」こと、「何よりも重要なのは選手・コーチ・監督・スタッフが、発熱・咳・倦怠感などの症状を認めたら休む勇気を持つこと、観客も観戦にあたっては発熱・咳・倦怠感などの症状を認めた場合には、スタジアムに行かない文化を醸成すること」を基本方針に掲げた。

そのうえで「日本野球機構および日本プロサッカーリーグは、“選手・コーチ・監督・スタッフを守る、観客を守る、選手・コーチ・スタッフ、観客が感染クラスターになることを防ぐ、日本のスポーツ文化を守る”という観点から、新型コロナウイルス感染症に対する対策・対応を考えていくことが重要」であると強調した。

専門家チームは、特に野球選手やサッカー選手に感染リスクがあるものとして「人混みのなかでのファンサービス」「過酷なトレーニングと緊張」「食事・体重・スケジュールなどの管理」「集団での移動(飛行機、バスなど)」を指摘。選手や組織には、毎日の体温測定、問診票チェック、行動記録などの管理を徹底することを求めた。

さらに、選手・関係者の感染予防策に「ロッカー室やシャワー室、ベンチなどでの濃厚接触を回避すること」や、「タオルなどのリネンの共用は避ける」こと、「トイレなどの手拭きはペーパータオルを使用する」ことなどを挙げている。

なお、選手や関係者などで37.5度以上の発熱が2日以上あり、感染の疑いがある場合は、チームドクターに報告のうえ、各地域の専門家チーム・アドバイザーにもとづく濃厚接触者の洗い出しを行い、PCR検査および医療機関受診対象者であるかどうかを確認していくという。

仮に選手・関係者に陽性反応が出た場合は、入院もしくは自宅療養とし、濃厚接触者も自宅待機となる。日本野球機構ならびに日本プロサッカーリーグと今後の方針を相談しつつ、その他の選手やチーム関係者は原則、活動を停止せず、予定通りに練習・試合を行っていくという。

また、専門家チームの提言には「観客への対応策」も示された。観客が感染する要因として「不特定多数の集団が集まるマスギャザリング」「人混みにおける不特定多数との遭遇・接触」「試合観戦中の濃厚接触状態」を挙げ、感染リスクが高いものには、阪神タイガースが甲子園球場で行っているジェット風船の応援や、肩組み、飛び跳ねなど集団での動きを伴う応援などが指摘された。また、ビッグフラッグを掲げた応援や、ハイタッチ、両手を叩いた大声での応援なども、接触・飛沫における高い感染リスクを伴うという。

今回の指針を表明した専門家チームは「各クラブの対応や対策の現状を見た場合、選手・監督・コーチ・スタッフ・家族への啓発や、サーモメーター、消毒液、マスクなどの資機材の確保、スタジアムの環境整備にあと数週間程度の時間が必要ではないか」との見方を示したうえで、「医学専門家としては、その間に各種のデータが安定することと、全スタジアムに感染対策のために必要な資機材が確保され、環境清掃などの準備が整うことを前提に、公式戦開催の適否を判断されることが望ましい」と呼びかけた。

会見に出席した専門家チームの賀来満夫氏(東北医科薬科大学医学部・感染症学教室特任教授)は「感染症にゼロリスクはない。どれだけ下げていくかが重要。リスクマネジメントを徹底する。長丁場になりそうな新型コロナウイルスにどう対応していくかが重要」であることを強調した。

また、同じく専門家チームの舘田一博氏(東邦大学医学部微生物・感染症学講座教授)は、「長いスパンで考えていかなければならない。感染症の専門家として提言させていただいた。マスギャザリングをやらないのは効果的なのはわかることだが、経済社会でいろんな問題が置きてしまう。スポーツ観戦での注意点を説明させていただいた。日本の中で誇れる感染対策のモデルになるような提言になるのではないか。関係者の皆さまだけではなく、ファンの皆さまのご理解とご協力が必要だと思います」とファン・サポーターへの協力を呼びかけている。

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