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「失点せず、焦れずに自分たちのサッカーを」。川崎フロンターレOB寺田周平氏が語る鹿島戦

3連覇を目指す川崎フロンターレが、3月1日、明治安田生命J1リーグ第2節で鹿島アントラーズを等々力陸上競技場に迎える。金曜日開催ながら、チケットは完売。第1節で川崎Fはドロー、鹿島は敗れているため、ともに負けられない一戦となる。

『DAZN(ダゾーン)』では、フライデーナイトJリーグ特別企画として、川崎F、鹿島それぞれのOBによるレジェンドインタビューを実施。

ここでは1999年から2010年に川崎Fに所属し、大型CB3人による「川崎山脈」の一員でもあった寺田周平氏(現・川崎U-18コーチ)に、川崎Fの強さ、鹿島戦のポイントを聞いた。

■J2時代から変わらないコンセプト

――川崎Fは連覇を果たしました。その強さの理由は何だと思われますか?

僕は1999年、J2初年度(※)のときに加入しました。当時から「攻撃的」といったチームの大きなコンセプトがあって、そこをずっと継続してきました。サッカーの内容で違いはありましたが、攻撃的なサッカーを貫いてきた。それが根底にあるのかもしれません。

ただ、僕が所属しているころは得点も多かったけど、失点もすごく多かった。ディフェンスでしたから責任を感じながらプレーをしていました。昨シーズンのチームは最多得点・最少失点でリーグを制しています。これは従来の攻撃に加え、守備がチーム全体として構築された結果でもあると思います。

※1998年度JFL準優勝。J1参入決定戦で敗れたことで99年はJ2からのスタートとなった

――寺田さんが加入されたころから監督もだいぶ代わりましたね。監督が代わっても攻撃的なスタイルは継続されてきた。

ジュニーニョっていう強烈な選手がいましたからね。それで得点が取れていたことも大きかった。長い目で見れば、チーム全体が持っている攻撃の意識が自然と植え付けられてきたのかな、と思います。

――連覇を果たしたチームに昔と変わったと感じる点はありますか?

前の選手の守備の意識ですね。チームとしてしっかりトレーニングしているんだろうなと感じました。切り替えの速さ、僕らもそこは大事だと思ってプレーしてきましたが、今のチームはしっかりとピッチの中で表現していると感じます。

――鬼木監督のもとで、前線からの守備、切り替えの速さの質が上がった。しかも得点が多く失点が少ない。新しいサッカーのスタイルを確立したのでは?

最多得点・最少失点という数字(57/27/+30)が出ていますからね。相手陣地でサッカーをやっているシーンが多いですし。僕自身がフロンターレにいるからかもしれませんがいわば理想的なサッカーだと思うんです。常に相手の陣地でサッカーをやれればリスクも減ります。理想的であり、魅力的。見ていて本当に面白いので。今やっている選手たちがうらやましいですね。

■「もうちょっとのところ」で逃した試合

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▲09年最終節。柏に勝利も鹿島が浦和を下し、勝ち点2差で2位に終わった(C)J.LEAGUE

――逆に、ご自身がプレーされていた時に一番印象的だった試合、フロンターレらしさが出たような試合は?

なんですかね…なんだろう? 印象的と言うと、負けた試合のほうが印象に残っているんですよね、悔しくて。それこそナビスコカップの決勝やリーグ戦最終節で勝ったのに勝ち点が足りなくて優勝できなかったとか。タイトルを獲っていればそのゲームになると思うんですが。僕自身は「もうちょっとのところで逃した」っていうシーンが印象的です。

――現役時代に、三回J1で2位でした。

そうですね。2006年と2008年と2009年ですね。

――あと少しで届かなかった悔しさが今の強さにもつながっているのでしょうか?

初めて優勝した時(2017年)、僕はもう選手を離れていましたが、やっぱりうれしかったですよ。見たことのない景色だったし…。

いざリーグタイトルを獲ってチャンピオンチームになると、当然周りの見る目も違ってくるし、選手たちもすごく自信を持ってやっているように見えます。「やっぱりタイトルを獲るってすごいことなんだ」と感じました。

――選手として川崎Fで12年プレーされ、今でもスタッフとして活躍されています。一番の良さは何だと思われますか?

すごく長い時間をかけて地域と密着してきたことだと思います。

いろんなイベントを見ても地元の人との距離感が近い。長い時間をかけて街のシンボル的な存在になってきています。そういうところが僕はフロンターレらしい、フロンターレの魅力、ピッチ外の話ですがそう思います。地域とのつながりを大切にしてきたことがこういう形で花開いた。自分自身もうれしいし、それが一番の良さだと思います。

■前線からの連動した守備を観てほしい

2019-03-01-kawasaki-LEANDRO DAMIAO©J.LEAGUE

――今シーズンは3連覇を懸けて戦っています。達成するポイントは何だと思われますか?

開幕戦のFC東京もそうでしたが、ウチに対しての対策として相手はり強固なブロックを作ってくると思います。当然フロンターもより質を上げてチャレンジしているとは思いますが、なかなか難しい。今まで鹿島しか達成していない偉業なので、簡単ではないのは間違いないです。外国籍選手(レアンドロ・ダミアン)が前線に入ってきましたし、そういった新加入の選手がうまくマッチしてくることも一つ必要なことでしょうね。

――迎える鹿島戦はどういう意味を持つとお考えですか?

鹿島は昨季のアジアチャンピオンです。フロンターレの連覇はやっと獲ったタイトルですが、それとは対照的に、鹿島はものすごい数のタイトルを獲ってきて、それこそ3連覇も成し遂げています。そういうチームに勝てば自信になる。フロンターレが3連覇を達成するための最初の壁、山だと思います。

――それでは鹿島から勝ち点3を奪うためのポイントは?

鹿島は失点が少なく、チーム全体でハードワークして手堅いサッカー、勝ち切るサッカーをしてくる印象があります。これは僕に限らず皆さん持っていると思うんですが。そういった意味でも、やはり失点しないことがすごく大事。失点せず焦れずに自分たちのサッカーを貫いていくことがポイントだと思いますね。

――3連覇のキーマンは誰だと思いますか?

うーん…。今のフロンターレはチームみんな素晴らしい力を持っていますから。しいていえば新加入FWのダミアン選手かな。今までなかった武器、高さを持ちたいとうい意味での新戦力だと思うので。ダミアン選手がどれだけ点を取るのかにも注目していますし、頑張ってもらいたいです。

――最後に、寺田さんはディフェンダーでしたが、川崎Fの守備面でここを見てほしい、というポイントはありますか?

やはり、ディフェンスラインだけじゃなくて、前線からの連動した守備。意思統一された中での狙いを持った守備。切り替えも含めてですが、そういうところですね。僕自身、すごく参考になりますし、視聴者のみなさんもそういう点を観ると面白いと思います。

■試合情報
明治安田生命J1リーグ第2節
3月1日(金)19:00キックオフ
川崎フロンターレ vs 鹿島アントラーズ(等々力)
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