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Lionel Scaloni Argentina Paraguay Copa America 19062019LUIS ACOSTA/AFP/Getty Images

失態のW杯から更なる“退歩”…苦しむアルゼンチン、国民によぎる「デジャヴ」

Déjà vu―1度も見た(体験した)ことがないのにどこかで見た(体験した)ことがあるように感じること―グループリーグ最終戦でカタールに2-0の勝利をおさめ、まるで苦行から解放されたかのような表情を見せながらベスト8進出に喜ぶ自国の代表選手たちの姿に、アルゼンチンの人々が抱いた感覚はまさにその「デジャヴ(既視感)」だった。

チームの行方の鍵を握っていた初戦では惨憺たるプレーでコロンビアに0-2の敗戦を喫し、メディアの間で「ポジショナル・カオス」という新たな用語が飛び交う現象を巻き起こした。続くパラグアイ戦ではVARの判定によって与えられたPKを主将リオネル・メッシが決めてかろうじて同点に追いつき、チーム内で一部の選手とリオネル・エスカローニ監督の間に不信感が生まれ、自力で次のラウンドにコマを進めるためには最終戦で勝つことが条件になるという展開。これらは1年前、ロシアで起きた出来事を彷彿とさせるものだったのだ。

昨年のロシアW杯でもアルゼンチン代表は似たような境遇に苦しんだ。W杯初出場のアイスランド相手に苦戦を強いられてドロー(1-1)に甘んじたあと、続くクロアチア戦で完敗(0-3)。選手たちはホルへ・サンパオリ監督のアイディアに賛同できないと反発し、チーム崩壊の危機に晒された状態の中、グループリーグ最終のナイジェリア戦でタイムアップ寸前の勝ち越しゴールから辛勝(2-1)して決勝トーナメント進出を決めた。あの時の苦悩と安堵が、コパ・アメリカでも再現されてしまったわけである。

■退歩

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だがよく考えてみると、1年前だけに留まらず、アルゼンチン代表はこの3年間で連続して「ここで勝たなければ終わり」という危機に追い込まれている。2017年10月に行われたW杯予選最終節でも、エクアドルに勝たなければ48年ぶりの予選落ちという屈辱が待ち受けていた(3-1)。2014年から3年続けてタイトル獲得の一歩手前まで勝ち進んでいたチームはその後、「最悪の事態を避けるために最後まで苦悩する常連」になってしまったのである。

今回準々決勝に進んだアルゼンチン代表は、危うくW杯出場権を逃すところだった1年半前のチームからほとんど進歩していない。それどころか、ロシアW杯での失態を2度と繰り返さないためにAFA(アルゼンチンサッカー協会)が立ち上げたはずだった「10年プロジェクト」という再建計画実施の兆しが全く見えない事実からは「退歩した」とさえ言える。

■底辺からの改革

Lionel Scaloni Argentina Paraguay Copa America 19062019LUIS ACOSTA/AFP/Getty Images

サンパオリ監督が指揮したロシアW杯でのアルゼンチン同様、エスカローニ監督のチームにも明確なゲームプランがない。コパ・アメリカが始まってからも試合毎に先発布陣を変えるため、選手たちは疑問と不安を募らせる一方だ。

希望を抱かせたメッシ、セルヒオ・アグエロ、アンヘル・ディ・マリアのトリオがコロンビア戦で機能せず。続くパラグアイ戦では後半からメッシ、アグエロ、ラウタロ・マルティネスの3人が効果的な動きでチャンスを作っていた時、エスカローニ監督がマルティネスを交代させるという“珍事”が起きた。これについてエスカローニ監督は「腰の痛みを訴えたためプレー続行が不可能と判断した」と話したが、当のマルティネスは試合後「プレーできる状態にあった」と語った。ベンチに下がったあとペットボトルを何度も叩きつけた時と同様、監督に対する不満を明らかにすることに躊躇しなかったのだ。

またカタール戦では、レアンドロ・パレデスとジオバンニ・ロ・チェルソにロドリゴ・デ・パウルが加わった中盤のビルドアップに一縷の希望を見出す意見があった一方、相手のボールをカットする5番の不在が指摘され、世代交代の準備を含む強化計画がいかに軽視されたままとなっているかが浮き彫りとなった。マルティネスのゴール前での臭覚とアグエロのシュート技術によって勝利をつかんだものの、課題は山ほど残されているのである。

準々決勝進出を決めたことでひとまずチーム内の雰囲気は穏やかなものになっているが、今大会の結果がどうなろうと、エスカローニにこのまま監督を任せることについて国内では反対意見が圧倒的に多数を占めている。これ以上“退歩”しないため、そしてもうこれ以上メッシを無駄にしないためにも、コパ・アメリカ終了後、アルゼンチン代表で「底辺からの改革」が行われることを祈るばかりである。

文=藤坂ガルシア千鶴(Fujisaka de Garcia, Chizuru)

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