「夢を生きる」アーノルド。リヴァプールファンであり、スターとなった生え抜き最高のSBはどのように誕生したのか?

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(C)Getty Images

19日の夜、トレント・アレクサンダー=アーノルドは、トニー・ブリテンの皮肉な賛歌の最初の節が響き渡るアンフィールドの通路に立つ。そこには決戦の雰囲気がみなぎっていることだろう。同時に、アーノルドはしばし過去を振り返ることになるかもしれない。

リヴァプール生まれ、リヴァプール育ちの若武者にとって、今はまさに人生の絶頂期だと言っても過言ではない。夢をかなえることは人生の最大の目標であるはずだが、アレクサンダー=アーノルドは毎週のようにその舞台に立っている。今となっては、脚光を浴びてチャンピオンズリーグ(CL)を戦う夜が、物静かな話し方をする20歳にとってノルマともなっている。とは言え、ファンのような気持ちも忘れてはいない。

「子供の頃、観客席にいたことを思い出す。あの時は感動して言葉が出なかったけれど、今も感動して言葉がないよ! どう言っていいのか、わからない。こんな経験ができる人は多くないし、チャンピオンズリーグでプレーできるなんて、とてもラッキーで、特別なことだと思う。それも、こんな素晴らしいクラブの選手として、素晴らしい雰囲気の中で戦えるんだ。信じられない夜になりそうだよ」

火曜の試合に出場すれば、アーノルドにとって、リヴァプールで69試合目、チャンピオンズリーグでは18試合目となる。フットボール選手として着々と経験を積んでいるが、若きスターらしく、今でも目を見開いて情熱的に話す姿はいつ見ても印象的だ。もちろん、プレイヤーとしての成長ぶりには目を見張るものがあることは言うまでもない。

■まさにシンデレラボーイ

Trent Alexander-Arnold Liverpool 2018-19

トップチームの試合に出場し始めたのは2016年末のこと。それから2年と少しが経過し、リヴァプールでチャンピオンズリーグの決勝トーナメントに挑む最年少選手にまで駆け上がり、ファイナルでもプレー。イングランド代表としてデビューを果たし、国際試合で最初のゴールを決め、ワールドカップの決勝トーナメントも経験した。クラブでも代表でも、俗にいう「爪跡を残して」いるのだ。

「信じられないような1年だった」

一瞬笑みが浮かんだアーノルドの顔はやはり二十歳そのもの。一方で、「僕自身も家族も、とても誇りに思っている」と、語る様子はただの若者ではなく、成功を約束され、さらなる栄光が待っていることを予感させる。

「若い頃は誰だって、ああいうチャンスが来ることを夢見ている。チャンスが与えられたことをとても感謝しているし、今は、もっとチャンスがつかめるように集中したいと思っている」

アレクサンダー=アーノルドは、リヴァプールの有名なメルウッド・トレーニング・グラウンドに近い、ウエスト・ダービーで育った。生粋のレッズファンとして育ち、一目でいいから憧れのスティーヴン・ジェラードの姿を見たいと、敷地を囲む壁の穴をのぞきこんだという。

今や彼自身がヒーローになり、ジェラードと比較されることも少なくない。「ずっと彼らのようになりたいと思っていた」と、偉大なる先輩たちのようにサポーターの代表としてピッチに立ちたいと思っているようだ。

■「気がついたら夢の場所に」

TRENT ALEXANDER-ARNOLD LIVERPOOL PREMIER LEAGUE 03012019

リヴァプールのアカデミー入学生のスカウトと選手保有に関する責任者であるイアン・バリガンこそ、アレクサンダー=アーノルドを見出した人物だ。バリガンはサンデー・リーグの試合に駆けつけ、未来のスター選手の送り迎えをしていた。当時から天性の才能に疑いはなかったからだ。

6歳の時、アレクサンダー=アーノルドは、カークビーでの練習に誘われた。そして、8歳のときに初めてリヴァプールとの契約に至る。これは、当時アーノルドが同じく練習に参加していたエヴァ―トンとの熾烈な競争にリヴァプールが勝利した結果だった。「ずっとリヴァプールのサポーターで、家族全員そうだった」と明かすだけに、当然の結末だったと言えるかもしれない。

最初は「ただ楽しかったからやっていただけ」だったフットボールだが、アーノルドはメキメキと才能を示していく。週末の試合を経験し、「気がついたら夢の場所にいた」と話している。

■両親のサポートともに最高の舞台へ

Trent Alexander-Arnold Liverpool 2018-19

リヴァプール加入後、アーノルドの成長はさらに加速していく。イアン・ブルンスキルやマイク・ギャリティ、カール・ロビンソンといった監督の下でプレーし、すでに当時から将来を嘱望されていた。テクニックに優れ、生まれつきの運動神経に加えてメンタルも強い。若い選手の将来が予想どおりになることが稀なサッカー界ではあるが、指導したすべてのコーチはトップチームへの昇格は時間の問題と考えていたようだ。

アーノルド自身がプロになるチャンスがあると気づいたのは13,4歳の頃のこと。同時にプロとして過ごすために、犠牲を払う必要性があることにも気づいたという。

「練習のために授業を受けられなかったり、午後の時間を取られたりした。試験でいい点を取るとかそういうことも大事にしていたから、僕と僕の家族にとっては、厳しいことだったよ」

「だけど、僕は両親に支えられて、バックアップしてもらえた。夢がかなうように、僕を信じてくれたんだ。本当に感謝している。『いいえ、そんなことはダメです。学校の勉強が第一で、何よりも大事にしなければなりません』という親だっているだろう。だけど、僕の家庭では、勉強に遅れないように計画を立てて、学校に行けない分、家で勉強したり、ランチや休憩の時間に居残りをしたりした。そういう努力がすべて報われたんだ」

そして今、先行投資に根差した技術がある。足首のケガから復帰したアーノルドは、バイエルン戦の先発メンバーとなり、サポーターたちに再び記憶すべきチャンピオンズリーグの戦いを見せようとしている。

昨季は決勝で夢破れた。しかし、そこから改善を続け、さらなる舞台へ上がろうとしている。CLデビュー当時は「歯が立たなかった」と認めているが、今ではどんなアタッカーとも互角に渡り合う。決して成功の上にあぐらをかくことなどない。誰よりも強い意思を持ち、献身的な男は、KOPのスターになる道を着々と歩み続けている。

取材・文=ニール・ジョーンズ/Neil Jones

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