■新天地では難しい1年目に

昨年8月、移籍市場もあと数日で閉幕しようかという頃、川島永嗣のストラスブール入団が発表された。
ストラスブールは第1GKとして、ベルギー代表でティボー・クルトワとシモン・ミニョレの後継者とされている27歳のマッツ・セルスを獲得。第2GKは、昨シーズンから所属する元U-21フランス代表の22歳、バングルー・カマラ。川島は3番手として迎えられた形となったが、長いシーズンにはケガやコンディションの乱れもある。
前所属クラブのメスでも、そうして正GKの座を勝ち取ったが、今シーズンは2人がともに好調をキープ。第2GKカマラは全試合でゴールを守ったリーグカップで優勝するなど、川島にとっては流れのこない難しい状況だった。
■GKコーチも川島を高く評価

「そういう流れの中で、自分は自分ができることをやってきているつもりだし、そこに関して悲観していることはまったくないです。それよりも、自分がその中で何を目指していて、何を自分自身に求めているのかということが大事なのかな、と思いながら1年間が経ちました…」
川島は今季をそう振り返った。
リーグ・アン最終節のナント戦で今季初出場の機会が与えられると、元日本代表監督ヴァイッド・ハリルホジッチ率いるチームに1-0で勝利し、最終順位を一つ上げてシーズンを終えた。
(C)Yukiko Ogawaシーズン最後に巡ってきたこの機会について川島は「プレゼントのようなもの」と控えめに話すが、GKコーチ、ジャン・イヴ・ウールは日本人GKの功績を高く評価する。
「国際マッチ出場経験も豊富で、ベルギーなど複数のリーグを知っているエイジには彼の経験値を求めていたが、今シーズンの働きには非常に満足している。彼は我々に、経験だけでなく、活力や日々の生きる喜びをもたらしてくれた」
「エイジは彼より10歳若い選手よりも動きが速い。実際、彼のフィジカルレベルは驚異的だよ。その分、相当努力しているし、いつも一生懸命取り組んでいる成果だ」
ウールGKコーチは、クラブが来季も川島をキープしたい意向であることを明かした。それについて川島は「あとは自分がどう考えるかですね。自分が何をもって挑戦と考えるのか、自分が何に挑戦しているからこの環境を選ぶのか。試合に出たい気持ちは変わらない。そういう気持ちとどう折り合っていくかじゃないかと思います」と、心境を明かす。
ドイツに近いストラスブールは、街並みも美しい都市で、生活環境も良い。リーグカップに優勝し、予選からだが来季はヨーロッパリーグにも参戦する。そして、クラブOBのマーク・ケラー会長が率いるストラスブールは、財政難により5部降格のペナルティを課せられながらも、わずか数年でトップリーグに返り咲いた善良クラブだ。今季のリーグ・アンで、パリ・サンジェルマンとリールの2強に一度も破れなかった唯一のクラブでもある。
「自分は常に挑戦し続けていたいし、とりあえずのものを目指すくらいだったらやめたほうがいいと思っている」と語る一方で、「自分が挑戦できると思えれば全然どこでもいい」と、場所にこだわりはない。
来季、川島は果たしてどんな決断を下すことになるのか。
■「日本代表の力になれるのは最高の喜び」
(C)Getty Imagesしかしその前に、昨夏のロシア・ワールドカップ以後初めて日本代表に復帰し、この夏はキリンチャレンジカップとコパ・アメリカに挑む。
「呼ばれることに関しては嬉しい気持ちはありますし、光栄です。でも結局、結果として何を残せるかだと思うし、自分が日本代表チームに対して何を与えられるかだと思うので、本当の意味で、チームを良い方向に導いていくための力になれることを形にしたい、という気持ちのほうが強いです」
そう召集の感想を話した川島は、「呼ばれるだけで満足するくらいだったら行く必要がない」と、代表メンバーに選ばれることの意味を重く受け止めている。
今回の日本代表は、17歳の久保建英選手がA代表に初選出されるなど、若い世代が中心。ここでも川島に求められるのは、豊富な経験値だ。
「日本代表に呼ばれるためだけにやっているわけじゃなく、自分は自分の中でより高いレベル、さらなる成長を求め、それが日本代表という場所につながっていけばいいな、というスタンスでやっています。そういう意味で固執はしていないですけど、日本代表の力になれるのは自分にとっては最高の喜びだし、そのためにすべてを捧げたいと思っています」

今シーズン、1試合しか試合に出ていないことで、試合勘を問う声も上がりそうだが、「それは出ていたほうがいいと思います。試合に出ていたほうが感覚とかは確実に良い部分はあると思いますけど、こんな状況で言うのもなんですが、自分は試合に出る、出ないにかかわらず、常に自分は出て当たり前、と思ってやっていますし、そこに関して自分を疑うこともないです」と言い切った。
ウールGKコーチも舌を巻くほどのフィジカルコンディション、そしてぶれることのない向上心。
「試合や練習に飢えているので、(代表合宿が)楽しみです!」
川島永嗣の挑戦は、まだまだ続く。
取材・文=小川由紀子
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