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名古屋グランパス守備のマルチロールや反撃ののろしとなるゴールを決めた川崎フロンターレの新生FWらをピックアップ/今週のヤングガンVol.14

日本サッカーの未来を担うU-23世代を輝かせるべくスタートした『タグ・ホイヤー ヤングガン アワード』。Goalでは彼らの奮闘に注目し、U-23世代の活躍をピックアップしてお届け。明治安田生命J1リーグ第31節、明治安田生命J2リーグ第39節からは、4名のヤングガンを紹介する。

小泉慶(アルビレックス新潟)

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鮮やかな右足シュートがゴール左隅に突き刺さった。CKのセカンドボールから得たシュートチャンス。右サイドから積極的に攻め上がる右サイドバックはその5分前にも二度の決定機を逃しており、豪快な一撃は“三度目の正直”となる今季2ゴール目となった。その後も高い位置で攻撃に絡むなどアグレッシブなプレーを披露。終盤はサガン鳥栖の猛攻を受ける形となったが、そこでも田川亨介とのマッチアップを封じ、危ない状況にはゴール前で仲間とともに体を張り続けた。

チームは値千金の先制ゴールを守り切って勝利。まさしく全員でつかんだ白星だった。他会場の結果次第でJ2降格が決定する崖っぷちの状況で、ライバルたちの足止めもあって今節のJ2降格は何とか回避した。横浜F・マリノスジュニアユースから流通経済大付属柏高に進み、アルビレックス新潟でプロデビューしてから抜群の運動量を武器に順調に成長を続けてきた小泉。今季は背番号を25から8に変更して活躍が期待されながら、思わぬ低迷を経験した。この大きな勝利を飛躍のきっかけにできるか。意地を見せ続けるチームとともに残りシーズンのパフォーマンスに全力を注ぐ。

上原力也(ジュビロ磐田)

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後半開始と同時に投入された21歳のプレーメーカーは、雨のピッチをものともせずに大きな存在感を見せた。ピッチに立つのは9試合ぶり。U-18から昇格3シーズン目となるが、ボランチはジュビロ磐田でも最も厳しいポジション。なかなか出場機会を得られず、今季リーグ戦の出場は90分にも満たない。

だが、YBCルヴァンカップなどで結果を残して評価を高めると、この日も持ち味のハードワークを生かした守備から高い推進力と積極的な縦パスで攻撃に勢いを付ける。鋭いミドルシュートは惜しくもゴールに至らなかったが、4日前にも天皇杯準々決勝で対戦して苦杯をなめた横浜F・マリノスのカウンターに押されがちだったチームに推進力を与え、劣悪なピッチ状況をはねのけてリベンジの原動力となった。この活躍には名波浩監督も「チームに大きな勇気をもたらしてくれた」と高評価。上昇を続ける磐田において、今後の成長を見ていくべき選手が出てきた。

知念慶(川崎フロンターレ)

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豪快なヘディングシュートで決めたリーグ戦初ゴールだった。家長昭博のボールキープを起点に生まれたチャンス。雨が降りしきる空中をタイミング良く舞うと、車屋紳太郎が左から上げたボールにピンポイントのヘッド。これが柏レイソルGK中村航輔の牙城を破り、力強くゴールネットを揺らした。

知念の存在を広くファンに知らしめたのは、10月4日のYBCルヴァンカップ準決勝第1戦でのプロ初ゴール。この時も家長の左クロスをファーで小林悠が折り返し、中央で競り勝ってヘディング弾を決めていた。名字と同じ知念高から愛知学院大を経て川崎フロンターレにやってきた沖縄県出身のアタッカーは、ゴール前で非凡なパワーとシュート技術を発揮。細かなパスワークを操るチームにあって、シンプルにフィニッシュできるストライカータイプのFWで、時には泥臭いプレーも見せる。悲願の初タイトル獲得を目指す川崎で貴重なオプションになりつつある。将来のエース候補と言える逸材だ。

宮原和也(名古屋グランパス)

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最下位のザスパクサツ群馬と2-2で迎えた86分、右サイドを攻め上がって深い位置から中央のシモビッチにボールを入れると、長身FWが落とした位置に走り込んだ田口泰士がダイレクトシュートを叩き込んで勝ち越しに成功。後半アディショナルタイムにも1点を加えて4-2で勝利し、名古屋グランパスがJ1自動昇格の2位以内に望みをつないだ。

その名古屋で風間八宏監督の攻撃的なパスサッカーを支えるのが宮原だ。サンフレッチェ広島ユースで台頭し、2013年にはU-17ワールドカップに出場。当時から“万能型”として知られていたが、期限付き移籍してきた名古屋で風間監督に才能を高く評価され、後方からの組み立て役として重用されると、主に右サイドバックや3バックの右ストッパーとして開幕から先発出場を続けてきた。だが、2位争いの大一番となったV・ファーレン長崎との前節は体調不良で今季初の欠場。チームは引き分けに終わって昇格争いで優位に立つことはできなかった。

攻撃的なチームの中で守備のバランス感覚や粘り強いクリアなども目を引く彼が、現在のチームに最も欠かせない一人であることは間違いない。今回、群馬との復帰戦で宮原が好パフォーマンスを披露したことは、残り3節でJ1自動昇格を目指す指揮官、チームメート、そしてサポーターにとって大きな収穫となったはずだ。

【今週のヤングガン プロフィール】

小泉慶(アルビレックス新潟)
上原力也(ジュビロ磐田)
知念慶(川崎フロンターレ)
宮原和也(名古屋グランパス)

【TAG Heuer YOUNG GUNS AWARD】

Jリーグの次世代を担う若い選手層の育成・Jリーグの発展を目的に、各メディア・著名人など、本企画に賛同するアワード サポーターが、J1、J2、J3のクラブに登録されているU-23選手の中から候補者30名を選出。その後、一般投票を含む最終選考にて11名を選抜、2017年12月に表彰する。

詳しくは こちら から

2017-09-20-TAGHeuerBanner
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