名古屋が王者・川崎Fに“ワンサイドゲーム”。11試合ぶり白星の要因はどこにあったのか

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これまでの鬱憤を晴らす快勝劇だった。名古屋グランパスは10日、明治安田生命J1リーグ第22節で川崎フロンターレを3-0で下し、11試合ぶりの白星を手にした。さらに、リーグ戦で7年も勝てていなかった川崎F相手の快勝。なぜ、名古屋は王者を圧倒することができたのか。スポーツライターの飯尾篤史氏は、自分たちの枠組を取り戻すことができたことに、名古屋勝利の要因があると見ている。

■王者からもぎ取った3カ月ぶりの白星

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 名古屋グランパスが実に11試合ぶりに掴んだ勝利は、今季のベストゲームと言える内容だった。

 立ち上がりから相手を押し込んでミスを誘い、早い時間帯に2点を先行。その後も主導権を握って3点目を叩き込み、ワンサイドゲームを演じてみせた。それも、リーグ2連覇中の川崎フロンターレを向こうに回して――。

 「忘れていた自分たちのサッカーができたというか、こういうサッカーをして勝っていくんだ、という手応えが得られた試合だったと思います」

 川崎F攻撃陣を沈黙させたセンターバックの中谷進之介は、こう言って胸を張った。2ゴールを奪った和泉竜司のプレーはキレキレだった。ダメ押し点をマークした前田直輝のプレーはノリノリだった。

 その一方で、選手間の距離も適切だった。

 守備陣は常にハイラインをキープし、川崎Fを自分たちの枠の中に閉じ込めた。「ラインを高くすることができたので、相手がボールを受けるスペースはなかったと思います」と振り返ったのは、左サイドバックの吉田豊だ。

 全体がコンパクトに保たれているから、ボランチのジョアン・シミッチとエドゥアルド・ネットは軽快にボールをさばいて、相手に潰されることはなかった。十分なサポートに恵まれたガブリエル・シャビエルも気持ち良さそうにプレーしていた。

■システム変更に見えた強気の姿勢

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 なぜ、自分たちの枠組を取り戻せたのか――。その要因のひとつが、システム変更だろう。

 ここ数試合、名古屋は3バックを採用してきた。前節の浦和レッズ戦では2-1とリードして後半を迎えたが、勝利から見放され、自信が揺らいでいるのか、あえて5バックに変えて、引いて守って凌ぐという判断を、ピッチ内で下したようだ。

 その結果、アディショナルタイムに同点ゴールを浴びてしまった。

 「ここ2試合、自分たちで相手を受け入れる時間が長すぎたから、今日は自分たちがしっかりボールを持って、自分たちが相手を操ることを積極的にやっていこうと」

 川崎F戦後、風間八宏監督はこう語った。この言葉を聞くと、4バックへのシステム変更には、5バックにするという弱気の選択肢をなくし、「積極的に相手を操れ」というメッセージが込められていたように感じられた。ガブリエル・シャビエルも言う。

 「久々の布陣でしたが、自分たちが慣れている布陣なのでやりやすさがあった。ジョーへのサポートも増えるし、良い守備もできたと思う」

 川崎Fが思わぬアクシデントに見舞われた影響も小さくない。

 5試合ぶりにスタメン復帰した大島僚太がウォーミングアップ中に負傷し、欠場を余儀なくされたのだ。

 急きょ出場することになった山村和也にとっては、酷な状況だった。しっかりとした準備ができなかったはずだし、プレーメーカータイプの大島とはタイプがあまりに違いすぎた。

 この日、川崎Fは両サイドハーフに阿部浩之、脇坂泰斗という、相手の間でボールを受けるのが得意な選手が起用された。そこには、ボール保持で名古屋を上回る、という狙いを感じ取れたが、この起用が大島の欠場によって裏目に出た。

 ボランチ陣がゲームを組み立てられないため、阿部と脇阪がボールをもらいに下がる場面が増える。こうして川崎Fは前線と中盤以降の距離が空き、バランスを崩すのだ。

 「最初は我慢していた」という中村憲剛がたまらずビルドアップのヘルプに行く頃にはすでに2点を失っていて、ゲームの趨勢は決していた。

■この快勝劇で問題が解決したわけではない

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 暗く、長いトンネルを抜けたら、快晴が待っていた――。しかし、このまま快晴が続く保証はどこにもない。

 今回の快勝劇は、川崎Fが名古屋の土俵に乗ってくれたおかげだからだ。いや、もともと両チームは同じ土俵で戦うチーム。それゆえ、5月17日の前回対戦のように、互いの良さを引き出し合う好ゲームになることもあれば、ちょっとしたアヤでワンサイドゲームになることもある。

 問題は、同じ土俵に乗ってくれないチームに対して、どうするか。名古屋対策を講じてきた相手を攻略できるようになってこそ、本物だろう。

 ただ、確かなのは、風間監督のチームは、スランプを乗り越えたとき、大きく成長するということだ。風間監督時代の川崎Fも、好不調の波を繰り返しながら、リーグ屈指の攻撃力を誇るチームへと変貌を遂げたのだから。

文=飯尾篤史

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