■金曜夜でもスタジアム周辺は人がたくさん
2019年の明治安田生命Jリーグがついに開幕する。キックオフまでまだ2時間半近くあるものの、長居へと向かう地下鉄・御堂筋線には思ったよりサポーターが少ない印象だ。金曜の夜だからギリギリの来場が多いのかもしれない。
そんな予想をしながら長居に到着。その予想は見事に大外れだった。すでに大勢の人がスタジアム周辺に集結しており、テレビの取材を受けている人もいた。
©J.LEAGUEむしろいつもより出足が早いように思う。

「大阪の人は肉が好きなのか?」というほど、スタジアムに隣接したグルメ通りにはすごい行列ができていた。
試験期間中という高校生、会社を休んだ人、早退をしてきた人、定時に終わり、すぐに出てきた人、それぞれがキックオフまでの時間を楽しんでいる。
スタジアム内のラウンジも人で溢れている。みんな笑顔だ。森島(寛晃)社長を始め、C大阪関係者に御礼の挨拶をした。試合前なのにもかかわらず、熱気のこもったヤンマースタジアム長居は、素晴らしい雰囲気だ。
■神戸は“ゼロトップ”の形に
C大阪のスタメンは、GKキム・ジンヒョン、3バックに木本恭生、マテイ・ヨニッチ、山下達也が入り、右ウイングバックにJ1初出場の20歳・舩木翔、左ウイングバックは丸橋祐介、ボランチはソウザと奥埜博亮(←仙台)がコンビを組み、2シャドーに水沼宏太と清武弘嗣、そして1トップに柿谷曜一朗が入った。
一方、神戸の先発はGKにキム・スンギュ、西大伍(←鹿島)、大﨑玲央、渡部博文、初瀬亮(←G大阪)が4バックを形成。MFには三田啓貴、三原雅俊、山口蛍(←C大阪)が入り、その前にアンドレス・イニエスタ、ダビド・ビジャ、ルーカス・ポドルスキの豪華メンツを揃えた。
ではハイライトをどうぞ。
ハイライトを見てもわかるように、ビジャは左サイド、ポドルスキは右サイドに張っていて、イニエスタが中央で引いたトップ下のようなポジションをとっている。つまりセンターフォワードがいない、いわゆる“ゼロトップ”の形を敷いたのだ。
そして、両サイドバックの西と初瀬はかなり高い位置をとっている。57分のシーン、イニエスタから西へのパス。しかし、ゴール前にいるのはC大阪の選手ばかり。この場面ではまずニアサイドに神戸の選手が入り込むか、あるいはフォアサイドからDFとGKの間を狙う選手が欲しかった。
ボールは回るが怖さはそこまでない。神戸は危険な場所に入り込む選手が少なかったように思う。C大阪の選手はそう感じていたに違いない。
ビジャはもう少しゴールに近い場所でプレーした方が、相手にとっても怖いのではないか。三田や山口がペナルティエリア付近でプレーできる回数が増えてくれば、より得点が増えるだろう。ちなみに、山口はボールを触るたびにスタンドから大ブーイングだった。
今後は途中出場したスピードのある古橋亨梧、出場停止中で高さのあるウェリントンをどう組み合わせていくのか。西、初瀬と攻撃力のある両サイドバックを補強しただけに、前線とのコンビネーションが高まればより攻撃力は増すはず。
一方でその攻撃と全体の守備のバランスをどう取るのか。ファン・マヌエル・リージョ監督による今後の手腕を楽しみにしたい。
■C大阪は都倉投入で流れが変わる
C大阪は64分に新加入の都倉賢を投入。都倉の前への推進力が加わり、1列落ちてシャドーに入った柿谷とソウザにシュートチャンスが訪れる。
そして、途中出場した新加入のレアンドロ・デサバトの守備力も垣間見えた。シンプルだが、リズムの良いパスを何本も繰り出していた。ケガ明けらしいが、かなりの戦力だとみる。
そして、奥埜はチームによくフィットしている。J1初出場のレフティ舩木は、慣れない右サイドでまだまだ遠慮気味だった。次は、持ち味のスピードと素晴らしい左足のキックをもっと見せてほしい。昨年はJ3で30試合出場、飛躍の年にしてほしいね。
ハーフタイムにはNMB48もライブショーで登場した。

勝利後のミゲル・アンヘル・ロティーナ監督。表情は変わらず、東京Vの時より少し痩せたかも。

いつも笑顔の清武。しかし、得点を決めた山下と写真は撮れなかった。
スタジアムの外に出ると…

外国籍の集団がいたので思わず記念写真をパチり。
2019シーズンのJリーグ開幕戦。ヤンマースタジアム長居には42,221人の大観衆が詰めかけ、素晴らしい雰囲気を作ってくれた。初めてJリーグを観に来た人がまた来てくれたら嬉しい。
1時間後でも地下鉄の階段で大渋滞だ。金曜の夜だからと近くの飲食店へ流れる人もいる。近くの飲食店も大繁盛の様子。
やはり金Jは良い。
今年も皆さんよろしく!
文=原博実/【写真提供=Jリーグ】
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