「言葉にならない気持ちが素直なところです」
劇的大逆転も束の間、湘南ベルマーレの曹貴裁監督が激闘の浦和レッズ戦を振り返った。
湘南は17日、明治安田生命J1リーグ第12節で浦和と対戦。前半に2点を先行される苦しい展開でスタートするも、38分にチャンスが巡ってくる。梅崎司の縦パスを受けた杉岡大暉が、DFをかわしてシュートを放つと、これが右ポストに当たってゴールネットを揺らす。湘南が1点を返したように見えたが、主審はノーゴールの判定を下し、プレーは続行。ピッチ上の選手をはじめ、曹監督も猛抗議したが、判定は覆らなかった。
湘南側のハーフタイムコメントは異例の白紙。「指示は何もしてないです。逆にやるかやめるかって言いました」と指揮官。「俺たちは納得できないし、ピッチに立つことができないと言われたらそれを止めることは恐らく僕にはできなかった」と振り返り、それでも「彼らがやると言ったので送り出しました。だから白紙で出しました」と理由を説明した。
「僕がハーフタイムに何を言ったか、そんな金言は無い」とし、「普段のピッチが今日の後半に出た」と話すように、後半は湘南が反撃の狼煙を上げる。
後半頭から投入された菊地俊介がすぐさま1点を返すと、79分にも菊地が同点弾を奪取。極めつけは後半アディショナルタイム。ラストワンプレーの状況でセンターサークルでボールを持った山根視来がドリブルでPAまで進入。右足でシュートを放つと、これが決まり逆転。試合はそのまま終了。湘南が鮮やかな逆転勝ちを手にした。
「今日みたいな展開が本当に人生の中であるのかないのかというくらいとても容易に想像できたりしない展開でした」
劇的すぎる勝利に曹監督はそう言って試合を総括。「本当に選手が反骨心、反発心出して正々堂々フェアに戦ってくれた」ことを評価した。
一方で誤審についての質問が飛ぶと、「スポーツって基本的にフェアプレーの上に成り立ってると思います」と持論を展開。浦和にはっきりと失点したという認識があるのであれば、ゴールをプレゼントする方法もあった。「ただ、僕は浦和レッズさんの監督ではないので。それを彼らがどう反応したかに言及するべきではないと思う」とした。
曹監督の言うゴールをプレゼントする行為は、世界でも事例がある。4月にイングリッシュ・フットボール・リーグ・チャンピオンシップ(英2部相当)のリーズ・ユナイテッドとアストン・ヴィラの一戦で起きた件だ。
リーズは、72分にクリヒがゴールを決めて先制点を手にしたが、この先制点の際にアストン・ヴィラの選手1人が負傷しており、プレー中断を訴えていたがリーズの選手は止めずにゴールを決めていた。これに伴い両チームの選手が衝突。手を出したアストン・ヴィラFWエル・ガジは一発退場となってしまった。
騒動が落ち着いた後、リーズのマルセロ・ビエルサ監督が、選手たちに相手にゴールを許すように指示。再開のキックオフからそのままアドマーが同点弾を決めた。試合は結局1-1のドローで決着。試合後、ビエルサ監督は「イギリスのフットボールはスポーツマンシップで知られているだろう?」とコメントしていた。
「そのことをちょっと思い出した」と曹監督。逆に「湘南の選手にもしそういうことが起きた時に、もし彼らが『ゴールインでした』という顔をしていたら、次のプレーでキックオフゴールを与えるぐらいのことを指示したかもしれないです。ただ自信はないです」と言及。
しかしながら「浦和さんの選手が早く始めようという気持ちも分かりますし、(ゴールかノーゴールかは)レフェリーが判定するものなので。レフェリーがノーゴールと言えば彼らはそのまま進むべきですし。それは別に良かったとか悪かったとかではない」と批判はしなかった。
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「※」は提携サイト『 Sporting News』の提供記事です

