20200310_Hiroshima(C)J.LEAGUE

【動画】判断はコンマ数秒…百戦錬磨の元主審の“目”はどう動く?昨季開幕節・広島vs清水を例に解説

気になったジャッジを徹底解説する「Jリーグジャッジ リプレイ」の2020シーズン第3回が10日、「特別編2」としてDAZNで配信された。

今回は、お馴染みのJリーグ原博実副理事、Jリーグウォッチャーの平畠啓史さんに加えて、Jリーグの計502試合で笛を吹いた経験を持つ元国際主審の吉田寿光氏がゲストとして登場。SNSでつぶやきが多かったシーンを解説した。

『Goal』では、同コンテンツの中から注目のジャッジをピックアップ。リーグ中断中ということもあり、第3回は昨年2月23日に行われた2019シーズン明治安田生命J1リーグ開幕節のサンフレッチェ広島vs清水エスパルスより、広島の得点シーンについて取り上げる。

■GKの視線はさえぎっていない

議論の対象となっているのは57分の場面。広島のチャンスシーンで清水の選手がクロスを跳ね返したところ、ボックス手前右で反応したMFエミル・サロモンソンが強烈なボレーシュートを放って得点を記録した。しかし、ここではFWパトリックがオフサイドの位置におり、GK六反勇治の視界を遮ってプレーに関与したのではないかという疑問も挙がる。

このシーンの映像をメインスタンド方向から映した通常の角度、ゴール裏からの角度でそれぞれ確認した平畠さんは、「カメラのある場所というか映像によって感じ方が変わる」として、ゴール裏からの映像では「ちょっと六反選手が邪魔されている感じに見える」と語る。

とはいえ、「メインスタンドの方から撮っているカメラだと、単純にファインゴール」であり、「最初の普通の印象で言うと別にオフサイドではないような気はしましたし、ゴールでいい」と得点の判定を支持する。

なお、オフサイドの判定に関しては、競技規則第11条には4つの項目が記載。

・明らかに相手競技者の視線をさえぎることによって、相手競技者がボールをプレーする、または、プレーする可能性を妨げる
・ボールに向かうことで相手競技者に挑む
・自分の近くにあるボールを明らかにプレーしようと試みており、この行動が相手競技者に影響を与える
・相手競技者がボールをプレーする可能性に影響を与えるような明らかな行動をとる

原副理事長は相手競技者の視点をさえぎっているかどうかという点を根拠に、平畠さんに同意する。

「ゴール裏からだとどうしてもそう(GK六反とパトリックが近くに)見えちゃうけど、パトリックも丁度立とうとしているところだし、ボールの軌道がパトリックにまったく関係なく上から来ているので、これはまったくゴールで問題ないと思います」

そして、吉田氏も「オフサイドの項目を1つ1つ消していくと、どれも該当しない」との見解を示し、満場一致で得点の判定は正しかったという結論となった。

■レフェリーの目線はどう動く?

20200310_Hiroshima2 続けて、豊富な経験を誇る吉田氏は、自身がレフェリーだった場合にこの一連の場面でどういった考えを持ち、どういった点に注目するかを具体的に説明する。

「シュートした広島の選手には誰もチャレンジに来ていないので、タックルかファウルがあるかというのは捨てられます。で、シュートが打たれた瞬間に軌道に白(清水)が2人くらいいるので、僕はハンドがあるかどうかを非常に気にして白の選手の手を中心に見る」

「ものすごく速いシュートなので、その2人をボールが越えたら今度はGKの方へ視線が合っていって、これはクリーンに入っていますが、クロスバーに当たって下に落ちるとか、そういった得点ギリギリのシーンもあるので、そこで初めてボールに焦点が合っていく」

注目する点や事象がほんの一瞬で変化していくピッチ上で、判断を下し続けるレフェリー。吉田氏は、そこにかなりの難しさがあることについての理解を求めている。

「俯瞰では見られないというところがまず皆さんには知って欲しいのと、今回はオフサイドに関するビデオクリップになっているのでオフサイドに関して集中すればいいなというのは分かるのですが、ゲーム中はシュートに対するタックルもありますし、シュートが打たれればハンドもあります」

「そういったコンマ何秒のうちにいくつかのことを見ていくので、フォーカスを変えるのも大変ですし、何を見なくちゃいけないか、何に該当するんだ、ということを判断しなくてはいけない。かなり難しいということをご理解いただければありがたいなと思います」

最後に平畠さんが「選手はもしかしたら(ミスした後に)シュート、ゴールを決めて取り返すとかできますけどね。(審判は)ちょっと多めに吹こうとかそんなん…」とジョークを飛ばすと、吉田氏は「そういうことは絶対ダメです(笑)」と反応。取り返しのつかない判断を繰り返し強いられるレフェリーにかかる重圧は、計り知れないものがありそうだ。

なお、今回のジャッジリプレイではこのほかにもオフサイドに関する事象が扱われており、プレミアリーグ第28節エヴァートンvsマンチェスター・ユナイテッドの後半AT、2019JリーグYBCルヴァンカップ・グループ第5節ガンバ大阪vs清水エスパルスの45分のプレーについても、議論されている。

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「※」は提携サイト『 Sporting News 』の提供記事です
「☆」は提携サイト『 DAZN News 』の提供記事です

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