「先輩たちについていく立場」からの変化。香川真司、30歳の現在地

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©Kenichi Arai

3月、昨年夏のロシア・ワールドカップ以来9カ月ぶりに香川真司(ベシクタシュ)が代表に復帰した。10年以上、代表の顔として過ごしてきた香川にとって、日本代表という場所はどんな意味を持つのか。そしてチームはどう変化するのか?

■先頭を走り、若手を盛り上げる

「日本代表に呼ばれたときの準備はもうできています。アジアカップは決勝で負けましたが、可能性は非常に感じたし、これからコパアメリカもある。次のカタール・ワールドカップまで3年あるし、楽しみなチームになっていくと思っています」

3月10日、トルコ・スュペルリグ第25節、ベシクタシュvsコンヤスポル戦。

香川真司は、75分に交代出場すると、アディショナルタイムに劇的な決勝点を挙げ、3-2の勝利に貢献した。移籍から2カ月が経ったトルコで強烈なインパクトを与えた一戦。試合のあと香川は冒頭の言葉を語っている。ベシクタシュで試合出場を重ねるなか、森保ジャパンでも躍動する自身の姿を明確に思い描いていたのだろう。

その4日後の14日、キリンチャレンジカップ・コロンビア戦(22日・日産スタジアム)、ボリビア戦(26日・ノエビアスタジアム)に臨む日本代表メンバーが発表された。そこには2011年から8年間、エースナンバー10を背負い続けた男の名があった。

3月17日に30歳の大台を迎えた香川は、18日、横浜市内の練習場にいた。冒頭のランニングから笑顔で先頭を走り、若い選手たちを積極的に盛り上げようとしている。

代表のジャージーに袖を通すのは、昨年7月2日、ロシア大会ラウンド16・ベルギー戦(ロストフ)以来となる。「次のカタールはまだ考えられない」。ラスト14秒の高速カウンターに沈んだ後、迷いを口にしていた男は、横浜で完全に気持ちを切り替えていた。

セレッソ大阪に在籍していた2008年、「平成生まれ初の代表選手」として19歳で日本代表に初招集された。同年5月のキリンカップ・コートジボワール戦で初キャップを飾ってから11年が経とうとしている。

その間、香川はつねに「先輩たちについていく立場」だった。ロシアまでは、川島永嗣(ストラスブール)や長谷部誠(フランクフルト)、本田圭佑(メルボルン)といった年長者たちがいた。自分から周りを鼓舞したり、声を出して指示を送るようなタイプではなかった。

しかし、今回のメンバーのなかで「国際Aマッチ95試合出場31得点」という実績は傑出している。

「自分より全然経験があって高いレベルの選手。自分のプレーをしていれば、やりやすくやらせてもらえる。そこは頼っていきたい」。

こう語るのは森保体制発足後の10番中島翔哉(アル・ドゥハイル)だ。

横浜で先頭を走り、積極的にコミュニケーションを図るその姿からは、自身が持つ圧倒的な存在感があらためて伺えた。

■森保ジャパンで香川はどう生きるか

2018-06-19 Kagawa Japan Colombia

▲ロシア大会・コロンビア戦でPKによる先制点を決めたのは香川だった(C)Getty Images

所属するベシクタシュでは、4-2-3-1のトップ下でプレーしている。ご存知のとおり、その位置が香川の本職であり、自身の能力を最も引き出せるポジションでもある。しかし、森保ジャパンではセレッソ大阪の後輩・南野拓実(ザルツブルク)がチーム発足時からこのポジションを務めている。

「タイプは違うと思っている。拓実はアジアカップではゴールがなかなか取れていなかったけど、非常に推進力があって、パワフルなところもある。そこが特長だと思う」

香川がこう言うように、南野のほうがよりストライカーに近いタイプだ。実際、南野はザルツブルクでも2トップの一角で起用されるケースが多く、代表でも最前線でプレーする可能性がある。今回のメンバーでFWに名を連ねるのは鎌田大地(シント=トロイデン)と鈴木武蔵(北海道コンサドーレ札幌)の初招集コンビのみ。森保一監督も新たなプランを模索していく必要がある。最終ラインを3バックにして、鎌田と南野を2トップ的に並べ、その背後に香川を置くような変則的戦術も見られるかもしれない。

もちろん、これまでどおりの4-2-3-1の可能性もある。その場合は、南野が先発、香川がジョーカー、あるいは反対という形になるだろう。

日本代表ではずっと先発出場してきたが、ベシクタシュ移籍後は、セルビア人MFアデム・リャイッチに代わって後半途中からピッチに立ち、攻撃のスイッチを入れる役割が中心だ。トルコの名将ギュネス監督も「彼はドルトムントで試合に出ていなかったので、体力的な問題を抱えている」と指摘しており、頭からの起用に躊躇していた。

16日のギョズテペ戦はスタートから起用されたが、やはり後半はスタミナ切れの印象が少なからずあった。そういった現状を踏まえると、代表でもスーパーサブという新たな役割を託される可能性はある。香川が先発でもサブでも結果を出せる存在になれば、チームの戦い方にも幅が生まれるはずだ。

香川の復帰は、森保ジャパンにピッチ内外で多様な変化をもたらすことは間違いない。14日の代表発表会見で森保監督はこう語っていた。

「ロシアW杯に参加していた選手たちはみんな力がある。基本的に全員招集したいと思っていたが、ケガがあったり、タイミングが合わなかった。彼らが力を持っているのは分かっている。また一緒に仕事できてうれしく思う」

20日、日本サッカー協会は日本代表の背番号を発表した。中島翔哉は8番をつけ、10番は香川が再び背負うことになった。重ねてきた自信と経験を森保ジャパンで生かし、再び代表で輝き続けるために――香川真司は全力を尽くす。

文=元川悦子

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