先発組と交代組の「暗」と「明」。総入れ替えは森保ジャパンの強化になっているのか?

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©Kenichi Arai

 日本代表は26日、ノエビアスタジアム神戸でキリンチャレンジカップ2019・ボリビア代表戦に臨み、中島翔哉の得点により1-0で勝利を収めた。先発メンバーを総入れ替えしたこの一戦。試合を決定づけたのはやはりレギュラ―組だった。もちろん勝利は大切だが、このようなチーム作りはコパアメリカそしてその先の強化につながるのか? スポーツライターの飯尾篤史氏はこう見る。

■繰り広げられた全く同じ光景

2019-03-27-japan-kagawa

 まるでデジャブを見ているようだった。

 一緒にプレーする機会の少ないサブ組が出場した時間帯は低調だったが、慣れ親しんだメンバーが出場すると連係・連動が生まれ、スタジアムが歓喜に包まれる――。昨年11月のキルギス戦とまったく同じ展開が、ボリビア戦でも生まれた。

 61分に宇佐美貴史と乾貴士に代わって堂安律と中島翔哉が、68分に香川真司と小林祐希に代わって南野拓実と柴崎岳が登場すると、その8分後にゴールが生まれた。速攻から堂安、南野、中島と素早くつなぎ、中島が切り返しからニアサイドを鋭く破る。

 先発したメンバーと途中出場したメンバーの、「暗」と「明」のコントラスト――。

 だが、それも当然のことなのだ。「プレーの再現性という意味で言えば、まだまだ。個人のアイデアや個人技に頼る部分が多くて、前線のどこに入ったときに、どう動くっていうことをある程度パターン化したり、チームとして明確にしていく必要がある」と柴崎が語ったように、選手任せの部分が多いからだ。

 だから、南野が「お互い(自身と中島、堂安)の特徴は日に日に理解し合っているし、練習でも同じチームで長い時間プレーすることが多いので、連係は良くなっている」と言うように、レギュラー組は着々とイメージをすり合わせているが、その一方で、香川が「苦労すると思っていた」「難しい試合になると思っていた」と繰り返したように、サブ組は即興に頼ることになってしまう。

 2列目に絞って言えば、本来確認すべきは、香川や宇佐美、乾が、南野、中島、堂安、柴崎らと一緒にピッチに立って何ができるか、だったはずだが……。

 招集した選手をなるべく全員起用したい――。だから、メンバーを総入れ替えするのは、今回に限った話ではない。

 パナマ、ウルグアイと対戦した10月シリーズでも、ベネズエラ、キルギスと戦った11月シリーズでも、そして1月のアジアカップでも、総入れ替え、もしくは大幅な入れ替えを行なっている。しかも、入れ替えの仕方は決まってレギュラー組とサブ組で、シャッフルすることはない。

 攻撃の形が選手任せだから、なるべく同じメンバーでプレーさせて、連係・連動を磨きたいのかもしれないが、これではレギュラー組とサブ組が明確に分けられ、チーム内の序列がはっきりしてしまう。また、即席チームになりがちのサブ組は連係・連動を構築できず、チーム全体の底上げがなされているようにも見えない。

■鎌田はオプションとなる動きを見せたが

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 そんな収穫の少ないボリビア戦での数少ない光明が、大迫勇也不在時のオプションにひとつのメドが立ったことだろう。

 1トップに入った鎌田大地が時間を追うごとに、裏を狙ってボールを引き出したり、フリックで相手DFを翻弄したり、中盤に落ちてボールを収めたりして、存在感を発揮した。試合後、鎌田が胸を張る。

「最初はやっぱり探り、探りで難しかったですけど、徐々にボールに触れるようになって、良い受け方を見つけられたり、うまく収めることができたので、今日1試合ですごく成長したかなって思います」

 興味深かったのは、南野とともにプレーした15分間だ。鎌田が中盤でポイントを作ってスルーパスを繰り出し、入れ替わるようにトップ下の南野がゴールに近い場所でプレーしたのだ。こうした関係性は、大迫と南野もよく見せるもの。その流動性に鎌田も「拓実くんとはお互い両方(トップもトップ下も)できる感じなので、やりやすかった」と、手応えを感じていた。

 もちろん、鎌田の適性がトップ下にあるのは間違いないが、大迫を見ても分かるように、このチームの1トップはいつも最前線で相手DFを背負う必要はない。中盤に下がってボールを収めてタメを作り、2列目が飛び出すための時間とスペースを作るのも大事なミッション。その能力の一端を、鎌田はボリビア戦で示した。

 時間を追うごとにボールを持ち運び、くさびのパスを入れた畠中槙之輔、広範囲に動いてボールを回収した橋本拳人も及第点の出来だった。だが、彼らも、鎌田もレギュラー組で長い時間試してみないことには、本当のところは分からない。

 ボリビア戦後、森保一監督は「我々がやろうとすることは、これまで招集させてもらった選手には確実に浸透していると思います」と語ったが、コロンビア、ボリビアと対戦した3月シリーズを見る限り、その言葉には素直に頷くことができなかった。

 アジアカップでスタメンを張ったベテランを外し、チームのベースをさらに強固にする狙いがあった3月シリーズ。しかし、そこで見えたのは、困ったときの主力頼みという現実だった。

取材・文=飯尾篤史

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