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ヴェンゲル氏が指摘する日本サッカーの弱点とは?「失点するとパニックに陥ってしまう」

かつてアーセナルや名古屋グランパスを率いたアーセン・ヴェンゲル氏が来日を果たし、24日にメディア取材に応じた。

先日には吉本興業とマネジメント契約を結んだヴェンゲル氏。日本で70歳の誕生日を迎えた知将は、『渋谷未来デザイン』が主催する基調講演会に出席。講演会前に行われたメディア取材で日本サッカーの印象について問われると、直近20年で成長したと言及。しかし、弱点は変わっていないと語った。

「名古屋に来たのが1995年。ちょうどJリーグが発足してすぐのころだったので、サッカー熱が盛り上がっている時代に日本に来ることができた。日本を発見したという経験が、今も私の中に残っている。サッカーを知りたいというとても勢いのある時代だったし、ギラギラした、どん欲な人たちに囲まれた時代だった」

「日本のサッカーというのは、ここ20年でとても進化したと思う。ただ、20年前からの弱点は残念ながらまだ克服していないように思う。確実にワールドカップでその弱点が漂っており、失点するとパニックに陥ってしまう。ベルギー戦などがいい例だろう。そういった弱点の克服が、まだ追いついていないと思う」

また現代サッカーでは、身体能力に優れたトップアスリートが必要になっていると言及。そして、そんな中でもメンタル面が重要であると説いた。

「日本もトップレベルに近づいていると思う。監督としては、有望な若手選手を引き上げていく職務があるし、技術を身に着けるためのパーフェクトさが求められていると思う」

「身体能力が優れた選手に残っているのは、メンタルの部分だ。かなり若い年代の育成からメンタルを鍛えていく。常に厳しいプレッシャーの中で、それに耐えて勝ち抜いていくメンタルの強さが求められているだろう」

「ストレスにどれだけ強く耐えられるかというのは、個々の力量による。プレッシャーに常にさらされている選手がプライベートでもストレスにさらされると、サッカーでのプレッシャーに打ち勝つための余力が減ってきてしまう」

「モダン・フットボールでは、常にモチベーションを高く保っている中で、緊張感のないリラックスした状態で臨まなければならない。フットボールは常に身体的に動くわけだが、リラックスしつつも、今のボールと自分の関係の中で必要な筋肉だけを動かすというのが理想だ。シンプルに言えば、頭でやろうと思ったことをまっすぐに身体へ伝える、このインテリジェンスがトップレベルのアスリートの能力だ」

1981年に指導者キャリアをスタートさせたヴェンゲル氏。その後1995年からは名古屋を指揮し、クラブ史上初のビッグタイトルである天皇杯優勝を達成。1996年にアーセナル指揮官に就任している。

アーセナルでは、就任2年目となった97-98シーズンで初のリーグ優勝。FAカップとのダブルを達成した。その後01-02シーズンにもダブルを達成すると、03-04シーズンにはプレミアリーグ史上初となる無敗優勝の快挙を成し遂げる。ティエリ・アンリやパトリック・ヴィエラら、彼の教え子たちが躍動するチームは“インビンシブルズ”と恐れられ、無敗記録は49試合に到達している。

17-18シーズンを最後に22年間指揮したアーセナルを離れたヴェンゲル氏だが、FAカップ優勝7回は史上最多記録となっている。またピッチ内で黄金期を築いただけでなく、2006年に開業したエミレーツ・スタジアムの建設にも尽力。ガナーズをビッグクラブへと成長させた偉大な指揮官である。

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「※」は提携サイト『 Sporting News』の提供記事です

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