ロティーナ新監督率いる新生・セレッソ大阪、J1開幕・ヴィッセル神戸戦で見せた大いなる可能性

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今季のJリーグが開幕した。2月22日、ヤンマースタジアム長居で開催された明治安田生命J1第1節・セレッソ大阪vsヴィッセル神戸の一戦は、金曜日にもかかわらず、42,221人もの観客を集めた。ともにスペイン人監督が指揮し、戦術的にも見どころがあった一戦は1-0でC大阪が勝利を収めている。

■オーガナイズされた守備を実践

2年間指揮を執り、セレッソ大阪に二つのタイトルをもたらした尹晶煥監督が退任し、昨季までの軸を担った山口蛍(→ヴィッセル神戸)、杉本健勇(→浦和レッズ)、山村和也(→川崎フロンターレ)が去った。迎えた今季、ロティーナ新監督体制でどのような変化を見せるのか――。

22日の開幕戦はその重要な試金石でもあった。対するヴィッセル神戸には、ルーカス・ポドルスキ、アンドレス・イニエスタ、ダビド・ビジャというワールドカップ優勝トリオを前線に擁する。ここで勝ち点3を奪うことができれば大きな弾みがつけられる。

42,231人の観客が見守る中キックオフ。立ち上がりのC大阪はパス回しに長けた相手に支配され、守備的な戦いを強いられた。

しかし、チームは慌てない。

「ロティーナ監督の目指しているサッカーはポジショナルプレー。自分のポジションを一人ひとりがしっかりと守らなければいけない。一人がわがままなことをして動かないとかがあってはいけない」と新キャプテン・清武弘嗣が強調した通り、チーム全体が新指揮官の戦術を忠実に守り、非常にオーガナイズされた守りを実践する。

[3-4-2-1]の最前線に入った柿谷曜一朗も、相手のプレッシングに行った後にはすぐさま自分の位置に戻ることを繰り返し、機を見てゴール前へ飛び出していく。この動きの鋭さと献身性はキャリアハイの年間21ゴールを叩き出した2013年シーズンの彼を彷彿とさせるものがあった。

■交代とポジションチェンジで入ったスイッチ

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前半を0-0で折り返したC大阪は、後半途中から都倉賢(←コンサドーレ札幌)、レアンドロ・デサバト(←ヴァスコ・ダ・ガマ)という新戦力を次々と投入。彼らが一気にスイッチを入れる。特に際立った存在感を示したのが都倉だ。

「前半はよく耐えたなと外から見て感じていた。後半になって間延びしてくるのが予想された中、僕が頂点に入って相手の2センターバックを引っ張ることで、相手4バックと中盤の間にギャップが生まれると思っていた」と語る新背番号9の推進力がチームを活性化したのは間違いない。1トップの位置から右シャドーに落ちた柿谷が躍動し、清武が入っていた左シャドーに上がったソウザも持ち前の攻撃センスを発揮し始める。

値千金の決勝点を叩き出したのはまさにそんな時間帯だ。

77分、ソウザの決定的なシュートを防がれ得た右CK。左の名手・丸橋祐介のキックに木本恭生が中央で競って落とすとファーサイドに飛び込んだのは山下達也。ヘディング弾がネットを揺らし、桜色のサポーターが激しく揺れた。

「自分についていた選手のマークが少し小さかったので、チャンスがあるかなと思っていた」というベテランDFの一撃は、この日の選手全員の意思統一と献身性が結実した成果と言っていいだろう。

試合はそのまま動かず1-0でタイムアップ。C大阪は虎の子の1点を守り切り、勝ち点3を得、大きな一歩を踏み出した。

勝利という結果はもちろん、ポジショナルプレーというロティーナ監督の新戦術を選手たちが早い段階で理解し、公式戦で示せたことは今後に大きな意味を持つ。

「まだ1~2か月しかこのやり方でやっていないし、完成度が高かったらもっといいゲームができたはず。ただ、みんながそれをやろうとしているし、今まで2年間積み重ねてきたものを崩さずに、新しい監督の戦い方をプラスアルファしていこうとしている。それができればもっといいサッカーができると思います」と柿谷は語る。尹監督が植え付けたハードワークと守備の重要性を生かしつつ、チームはさらなる前進を図ろうとしている。

■新キャプテン・清武の影響力

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彼らがポジティブな方向に進めているのも、新キャプテン・清武の影響力による部分が大だろう。

親友・山口蛍が担っていた大役を引き継いだ彼は、今年に入ってからもケガに見舞われ、タイキャンプ不参加となるなどコンディション面で不安を抱えていた。が、大一番前に何とか復帰を果たし、チーム全体が一体感を持って戦えるように努力していた。

苦戦を強いられた神戸戦の前半、C大阪のチャンスの大半は背番号10を経由して生まれている。その卓越した戦術眼と高度なスキルが不可欠であることをあらためて示した。

「今年30歳なので、甘いことを言っていられない。本当にいつサッカーができなくなるかも分からない。そういう気持ちもあるので、今できることをしっかりやろうと思っています」

そう語る姿には覚悟が見えた。彼のリーダーシップが今季チームのカギになるなることは間違いない。

また、開幕からボランチの定位置をつかんだ新加入の奥埜博亮(←ベガルタ仙台)、後半からインパクトを残した都倉とレアンドロ・デサパトら新戦力がうまく融合したことも特筆すべき点だ。サッカー人生初の右サイドにチャレンジした若い舩木翔も含めて、チームに新たなバリエーションが増えたのは確かだろう。

「オク(奥埜)にしてもすごい頭のいい選手ですし、監督のコンセプトをよく理解できている。そういう選手が多いので、チーム力がすごく上がっていると個人的に感じています」と話したのは都倉だ。彼らの存在も含めて新生・セレッソへの希望が見えた。

ただ、重要なのはこの先だ。今後は名古屋グランパス、サンフレッチェ広島、浦和と難との対戦が続くが、神戸戦の貴重な勝ち点3を意味あるものにするためにも、白星を重ねていくことが肝要だ。ロティーナ監督率いる新チームの完成度がどこまで上がっていくのかが大いに楽しみである。

文=元川悦子

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