2019-05-28-urawa

リーグ戦4連敗、失われたオリヴェイラ・レッズの強み。苦しむ浦和の打開策とは?

■オリヴェイラ監督の本来の手腕は

 試合前、「We are REDS」の大合唱が沸き起こり、ゴール裏には「No guts, No glory」(闘志なくして、栄光なし)のビジュアルサポートが浮かび上がった。

 浦和レッズサポーターが作り出した雰囲気は、5日前に行なわれたACLの大一番、北京国安戦に勝るとも劣らないものだった。

 ところが、結果はまるで異なるものになった。

以下に続く

 5日前は3−0の完勝を収めたが、この日は0-4の完敗。これで浦和は、リーグ戦4連敗となってしまった。

 5月26日の第13節・サンフレッチェ広島戦。早くも6分に先制点を許した浦和は、引いた相手を攻め崩せず、カウンターを浴び続けた。30℃を超す暑さに体力を奪われ、最後まで攻撃に鋭さを欠いた。

「引いた相手を崩すための攻撃の形がまだない」

 そう嘆いたのは、左ウイングバックの山中亮輔だ。この日は柏木陽介が負傷のために不在。このプレーメーカーを欠くと、たしかに攻撃が単調になる傾向がある。

 とはいえ、そもそもオズワルド・オリヴェイラ監督は、攻撃のアイデアが豊富なタイプではない。どちらかというと、攻撃の形は選手に任せる属人的なスタイル。

 むしろ魅力は、モチベーターとしての能力であり、相手チームの的確な分析であり、元フィジカルコーチゆえのコンディショニングのうまさにあったはず。

 そうした手腕がすべて凝縮されたのが、昨季の天皇杯だった。

 準決勝、決勝の前にサポーターを練習場である大原グラウンドに招き、最高の雰囲気を作って選手のモチベーションを高め、負傷していた武藤雄樹には「立てるなら、おまえを使う」と言って奮起させた。そして、相手の弱点を突き、鹿島アントラーズ、ベガルタ仙台をいずれも1-0で撃破した。

 オリヴェイラ・レッズのスタイルは、高いインテンシティで相手に襲いかかり、僅差でもしっかり勝ち切るサッカー。それには、最高のモチベーション、最高のコンディションで試合に臨む必要がある。

 だが、このところ最高の状態を保てていないのだ。

■指揮官が認めた自身のミス

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 0-2と完敗した5月12日の第11節・名古屋グランパス戦も、5日前のACLの疲労を引きずり、選手がまるで動けなかった。そして、この広島戦でも――。

 指揮官も自身のミスを認めている。

「前の試合(ACL・北京国安戦)で掛かった負荷の影響が大きかったと思う。火曜日の試合の消耗度合いの評価をし切れなかった。中4日だったので選手は十分回復できているという見込みで今日のメンバーを組んだが、そうではなかった」

 では、どうすれば、選手を最高の状態でピッチに送り出すことができるのか――。

 ヒントは、敵将の言葉の中にあった。

 浦和と同じようにACLを戦う広島の城福浩監督は試合後、力強くこう言った。

「ACLとリーグ戦でメンバーを大きく変えながら戦ってきたが、ACLで頑張った選手がリーグ戦に割り込んでくると信じてやってきた。競争こそがこのチームの生命線だと思っている」

 浦和戦で3ゴールに絡んだ森島司は、まさにACLでのアピールが実り、リーグ戦で初先発した選手だったのだ。

 いや、何も敵将の言葉を参考にするまでもない。北京国安戦に備えてスタメンを休ませた第12節の湘南ベルマーレ戦で、出場機会の少ない選手たちが熱いプレーを見せたではないか。

 サポーターはチームを勝たせるために、最高の雰囲気を作った。

 あとは、指揮官が心身ともに最高の状態の選手をピッチに送り出すだけだ。

 阿部勇樹、山田直輝、柴戸海、荻原拓也、岩武克弥、茂木力也、汰木康也といった選手たちは、万全の準備をして出番を待ちわびているはずだ。

取材・文=飯尾篤史

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