2000年代以降、最も物議を醸した監督である一方、フットボール史に名を刻んだ勝者の1人であることも確かであろう。ジョゼ・モウリーニョは、ポルトからチェルシー、そしてインテルからレアル・マドリー、マンチェスター・ユナイテッドと渡り歩き、その発言やピッチにおける派手なジェスチャーなどで世界中のファンを二分してきたが、彼のエピソードは伝説として語り継がれる。モウリーニョは、『DAZN(ダゾーン)』のインタビューにおいて、彼の過去、現在、未来を語ってくれた。
DAZN数カ月前にマンチェスター・ユナイテッドを去った彼は、フットボール界で再スタートを切るのにふさわしいクラブが現れるのを待っている。そのときが訪れるまで、確信をもって次のクラブの名前を挙げることはできないが、新天地はイングランド以外のリーグになることは確かだという。
「ロンドンに戻った今、ここが私にとってスタート地点になる。次の目的地はプレミアリーグ以外になるだろうね。私の成功を何としてでも忘れようとする者もいるだろうが、それは不可能だ。トロフィーが私の成功を証明しているからね。中には、最後にトロフィーを獲得したのが20年前だと思っている者もいるようだが、私は2年前にヨーロッパリーグで優勝している。それに昨年は、FAカップで決勝に進出した。現在は今後に向けて準備をしているところだよ」
数カ月の休養期間を除けば、モウリーニョは常に第一線で活躍してきた。現在は解説者として活動しているが、ピッチサイドに立つ時間以外も貴重なものとなっているようだ。
「時間を無駄にしているとは思わない。私は18年前から立ち止まることなく、ほぼ働き続けているからね。いつ失敗したとか、どこで失敗したとかを考える時間はあまりなかった。ここ数カ月間は、フットボールから離れて、非常に有益な毎日を過ごすことができたよ」
様々な否定的な声もあるが、モウリーニョが獲得してきた名声、タイトルが消えることは決してない。サプライズでもない限り、6月中にもモウリーニョの新チームが見つかる可能性だってあるだろう。
「どこのピッチで再会することになるか? 急いでいるわけでもないし、様子を見てみよう。次のチームでは、私もより準備が整っているはずさ」
自身のことを「賢い指導者だ」と断言するモウリーニョは、「私は人間としてのジョゼが好きだが、“嫌な奴”と呼ぶ人もいるだろうね」と語る。それでも、新たな職場については何も心配していない。
「なぜ私を指揮官に選ぶべきか? 優勝するためさ。むしろ私の方から優勝する気があるかどうかを直接尋ねる。勝てる条件があって初めて、交渉が始まる」
■「インテルは家族」
Gettyイタリアではいまだ伝説の存在。また、インテルでトリプレーテ(3冠)を達成してから、9年という歳月が流れたが、モウリーニョもカルチョでの至福のときを忘れることはない。
「ミラノでは、素晴らしい家族に出会うことができた。毎日、アッピアーノで幸せな気持ちになれたよ。サポーターとの絆が生まれたのは、チームの成績の結果だと考える。勝っているときは、皆、ハネムーンのような気分になって感情移入するから、心に刻まれるものだ。ロンドンの道端でインテルのサポーターに声を掛けられると、ハグされて、キスをされる。イタリアでは自然な習慣なのだと思う。だが私は、イギリスにいるとき、本来とは少し違う自分になるんだ。イタリアでは一日中、24時間にわたってカルチョを生きているし、どの人もカルチョに関する知識は監督よりも豊富だ。これは非常にラテン的だと思う」
「ネラッズーリは家族のように思う」と語るモウリーニョ。インテルと親しい関係は現在も続いている。加えて、最近になって2009-10シーズンの教え子たちと連絡を取り合うようにもなった。
「今は休養中で時間があるので、“トリプレーテ”のチャットに積極的に参加している。繰り返すが、インテルは家族だ。現在、私のように何もしていない者もいれば、監督をしている者もいるし、常にバカンスをしている者もいる。それでも、かつてずっと一緒にいたときのように、まるで9年の年月が経っていないかのように、変わらない存在でいる。監督が特別な何かを持っているだけでは、特別な何かを成し遂げることはできないと考えている。プロフェッショナルなクオリティに加えて、特別な家族のような人間的な結びつきがインテルにはあったのだと思う。私は、選手たちがキャリアのピークにたどり着けるように個人的に何人もの面倒を見てきたつもりだが、私も同時に彼らに支えられていたんだ」
2009-10シーズンのCLにおいて、インテルは、バイエルン・ミュンヘンとの決勝の前に、バルセロナと準決勝で対戦した。当時の試合前には「モチベーションを刺激するために話をした」モウリーニョ。「自然と心から出た言葉」は指揮官、選手の心に深く刻み込まれている。
「私が初めてCLを制したとき、私の息子は4、5歳で何も覚えていなかった。あのシーズンは、常に息子から、『CLで優勝して欲しい。いつまでも僕の記憶に残るだろうから』と言われていた。この話を選手たちにもしたのだが、私の息子だけでなく、選手全員の子供たちについて言及した。多くの選手たちは、あれがCLで優勝する最後のチャンスだったんだ。あの試合でバルセロナに勝てるという気持ちを皆で1つにした。試合は1時間半どころか、5時間続いたかのように感じたがね」
■変わりゆく監督と選手の人間関係
Getty Images数年前までと比較すると、若手選手たちのチームメートや指揮官に対する人間関係は大きく変わった。その変化は、監督業という仕事を愛す者にとって難しくなっていることを明かす。
「あの頃のインテルには、キャプテンが1人、さらにその代わりとなれる選手が他に10人いて、私はボスではなかった。今の世代は、批判にあまり耳を傾けず、チームの利益への関心も薄い。管理するのはより難しいだろう」
そうした現代サッカーにおける一つの答えが、「より個人に特化したアプローチ」であるという。モウリーニョは具体的な選手名を挙げてこう説明する。
「では、チームに革命を起こせるのは誰なのか? すでにワールドカップを制し、現代サッカーに適した潜在能力を持つ選手だよ。それはまさしくキリアン・ムバッペのことだ。私は彼のことが非常に好きだよ」
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