“メキシコのメッシ”ライネス、リーガでの成長誓い「常に何か良いものを盗む気で」

2019年の『NxGn』で8位にランクインした18歳の天才は、バルセロナの10番や他のリーガのスターから多くのことを学ぼうとしているようだ。

ベティスでプレーするディエゴ・ライネスは、2019年の『NxGn』でトップ10にランクインしたことへの喜びと、ファンから「メキシコのメッシ」と呼ばれることに関しては何も問題ではないと語っている。

この18歳のウインガーは急速に知名度を上げ、毎年『Goal』が世界で最も優れた10代フットボーラーを選出する『NxGn（ネクストジェネレーション）』において、8位にランクインした。

昨年ライネスは、メキシコ代表でのデビューを果たしたわずか3か月後の12月に、クラブ・アメリカのリーガMXアペルトゥーラ（前期）優勝にも大きく貢献している。

そして1月、彼は1400万ユーロ（約18億円）でベティスに加入する。そのサイズとファンタスティックな左足、そして柔らかなスキルから幾度となくメッシに例えられてきたこのプレーヤーに、ベティス以外にも欧州の複数クラブが熾烈な獲得競争に名乗りを上げていた。

ライネスは、メッシに例えられることについて悪い気はしていないようだ。なぜならメッシは常に彼のロールモデルであり、スターたちから学ぼうとしている最中であるからだ。

「多くの競争があり、リーガに移籍できたことでトップチームやトッププレーヤーの仲間入りができた気がするよ。個人的にはラ・リーガは世界最高のリーグの一つだと思っている。選手はそうした環境でプレーすることで成長できるんだ」

「最高のプレーヤーたちから、常に何か良いものを盗む気でいないといけない。彼らのプレーを自分のゲームに活かすことをやっていくつもりだ」

「メキシコのメッシ」と呼ばれることに関して、ライネスはそれを迷惑というよりもむしろ、褒め言葉として受け取り、歓迎しているという。微笑みを見せてこう語る。

「いつも自分に対するポジティブなコメントにはありがたく思っているよ。そうした言葉が聞けるのは、僕が頑張っている証拠だからね」

「だから『NxGn』のような賞を受賞するのもすごく嬉しいことなんだ。これも、自分がよくやっている証拠に他ならないからね」

Goal

ベティスが1月の移籍市場に満足していることは言うまでもない。キケ・セティエン監督に丁重に管理されてきたヤングスターだったが、2月のUEFAヨーロッパリーグ、レンヌ戦の土壇場の同点ゴールによってすでにサポーターを魅了し始めている。

「あの瞬間はきっと忘れることができないよ」ライネスは興奮気味に語っている。「ゴールはいつでも嬉しいものだけど、あのゴールは格別だったんだ」

「今のところすべてが順調に進んでいるよ。チームの方針にも満足しているし、毎日、毎回のトレーニングを通して成長していることを実感するんだ」

「この調子でやっていければと思うし、ここにいるすべての素晴らしい選手たちからも学び続けていきたいと思っているよ」

「セティエンの納得いくプレーをすることは決して簡単じゃない。彼の戦術はとても緻密で、ボールキープに重きを置いている監督なんだ」

「でも監督のやり方は気に入っているよ。監督の考え方をゲームの中で意識することで、自分自身がプレーヤーとして成長できるんだ」

「ここ数試合の中ではあまりプレーできていないけど、加入してからのトータルで考えたら、多くの時間をプレーさせてもらっていると思うよ。それに、こうした期間もフットボールの一部だし、最初の1年はいつもこんな感じだよ。でも、プレーさせてもらえた時間に関しては満足しているよ。内容も悪くなかったしね」

10代にして母国を去ったライネス。しかし、当然そこに後悔はない。選手としての成長のためには、必然の選択だったと振り返る。

「メキシコを出ることは、フットボーラーとして成長し続けるために必要なことだと思ったし、自分自身が望んだことでもあったんだ。ずっといつかはそうしたいと思っていた。今自分が身を置いているような環境でプレーをすることは、今の自分と、自分自身の成長のために重要だと思っているよ」

「クラブ・アメリカが、僕の決定を後押ししてくれたことは本当に嬉しかった。そしてこうした機会を与えてくれたベティスにも本当に感謝しているよ」

「結局のところ、ベティス行きはフットボールと自分のライフスタイルといったどちらの観点から考えても、最高の決断だったと思っているよ」

「今ここにいられることは本当に幸せだし、ベティスのためにすべてを出し切ろうと思っている。とにかく成長し続けていきたい。それさえできれば、他のことは何とかなると思っているんだ」

さらに、「ベティスで必ずタイトルを獲りたい」としつつ、今後の目標を口にする。

「当面の目標はヨーロッパリーグ圏内に入ること。僕たちはラ・リーガをできるだけ高い順位で終われるように努力しているんだ。個人としての短期的な目標は、ピッチ上、そして人間としての成長を続けていくことを掲げているよ。これは本当に大事なことだと思っているんだ」

「長期的な目標としては、メキシコ代表としてワールドカップやゴールドカップでプレーしたい。そして願わくば、ベティスでタイトルが獲れたら最高だね」