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マルセロから定位置を奪ったレギロンとは何者か?「まぬけ」からレアルのトップスターへ

17:05 JST 2019/03/01
Sergio Reguilon Marcelo Real Madrid GFX
ソラーリ監督のもと、レギロンは左サイドバックのファーストチョイスとして確固たる地位を築き上げた。今回はこのサイドバックのルーキーについて紹介する。

■3部からの驚くべきシンデレラストーリー

セルヒオ・レギロンの急成長は友人たちも予想し得ぬことであった。そう、彼は少し前まで「まぬけ」と考えられていたのだ。

この左サイドバックのトップチームでの今シーズンは、Bチームからひっそりと追加登録される形で始まった。しかし、そこから伝説級のサイドバック、マルセロのポジションを奪取するまでに至り、水曜日のコパ・デル・レイ準決勝バルセロナとの大一番でも先発してみせた。

これほどのシンデレラストーリーを歩みだすとはーー。セグンダ・ディビシオンB(3部)のUDログローニョでともに戦っていたあるチームメイトはこう回顧する。

「彼がチームに来た時俺たちは笑っちゃったんだ。ちょっとまぬけな感じのやつだったからね。でも去年からはあのマルセロから定位置を奪ったんだ。それからは俺たちにシューズとチケットを送ってくれるんだよ」

チームに必要な存在として揺るぎない立ち位置を確保したが、22歳のレギロン自身、シーズン開始当時には想像もできないものだった。この選手の驚くべきシンデレラストーリーは、幼少からレアル・マドリーを応援し続ける少年が編み上げた想像上のできごとのように思えるほどだ。

レギ(友人は彼をこう呼ぶ)はこれまですべてのカテゴリで「ラ・ファブリカ」、つまりマドリーのユースでプレーしてきた。もちろん彼の目標は常にトップチーム。しかし、2015年にレアル・マドリー・カスティージャに昇格できず、レギロンは3部のログローニョに短期間レンタルで移籍。そして2016-17シーズンに、彼の居場所だったマドリーに帰ってきた。

マドリー・カスティージャに戻ってくると、当時Bチームの監督だったサンティアゴ・ソラーリに抜擢され30試合に出場、11回キャプテンマークを巻いている。そこでのパフォーマンスが評価され、2018年にプロ契約を締結することになった。

■インスタグラムで振り返るレギロンのキャリア

若者の動向を追うのに、役立つものは一つ、SNSである。レギロンも例に漏れず、インスタグラムで「8歳の時からこのエンブレムをつけてプレーしてこられて、光栄に思う。そして、これからの数年間、世界最高のクラブに所属できることを誇りに思う」とプロ契約を喜んだ。

2014年3月、ギャレス・ベイルと一緒に写ったスナップが投稿されている。その下には「人生で最高の瞬間だ」と記されている。

スワイプを続けて数年前の投稿を見てみると、そこから受ける彼の印象は、「練習場のあるバルデベバスをぶらついて、トップチームのスターと写真を撮ろうと奮闘するただの少年」といった感じだ。

それは基本的に間違いではないのだろう。2014年にマドリーがチャンピオンズリーグ(CL)を制したときには、彼はレプリカシャツを着て、スカーフを巻き、スタンドでチームを応援する姿がアップされている。

その後何年か経って、髪型にもトップスターのようなこだわりが出てきたレギロン。インスタグラムを下から上へ眺めるだけでも、彼がただのファンからチームのためにプレーする戦士へと変わっていく様子を見ることができる。かつては憧れだった選手たちと、今はともにピッチへ立つ写真がそこには収まっている。ただただその場面を空想していただけではなかったのだ。

■マドリーで異彩を放つ「気が利くバランサー」

ロベルト・カルロスやマルセロのような有名かつ、見栄えもする左サイドバックと比べれば、レギロンの能力はそれに見合っていないようにも思える。しかし、今マドリーがバックラインに求めているのは超攻撃的アタッカーではないのだ。

いずれにせよ、彼のプレーは過去マドリーで名を馳せた左サイドバックの特徴とは異なっている。

前出とは異なるログローニョ時代のチームメイトは、冗談めかしながらも、レギロンの能力を示唆するようなコメントをしてくれた。

「他のやつはみんな同じようにコーヒーと、ヨーグルトと、ビスケットをプレゼントにくれるんだけど、セルヒオはいいハムと、エビと、それからたまにワインをプレゼントしてくれる。彼はグルメなんだ。そういう気の利いたところがあるからあいつがマドリーにいて、かたや僕らがセグンダBにいるのかもしれないな」

レギロンはマドリーに安定感と気迫、エネルギーをもたらしている。左サイドにマルセロを起用すると頻繁に守備の穴になってしまうが、レギロンならバランスを保つことができるのだ。

レギロンに天性の素質があるのは間違いない。だが、彼が今の立場にあるのは、野心と決断力、さらにはたゆまぬ向上心を備えているからなのだ。

■最初に世界が知ったのは事件で

プレシーズンのツアーで強い印象を与えたレギロンは、当時はジュレン・ロペテギ率いるチームで注目を浴びていた。10月2日のCSKAモスクワ戦で0-1の惨敗を喫したデビュー戦まで、出場の機会すらなかったにもかかわらずだ。

ただ、当時の彼にはスペインで一般的なフットボールファンの興味を引きつけるほどの知名度はなかったし、当然世界に注目されるにも至っていなかった。

彼について初めて人々が耳にしたのは10月、その試合の後のことだ。キャプテン、セルヒオ・ラモスが練習場で怒りのあまりボールを蹴りつけた、その被害者としてであった。それはトップニュースに名を連ねるほどの騒動になるそれから数週間、ベルナベウでは騒動は徐々に忘れ去られていき、その間にロペテギが解任され、ソラーリが新監督に就任した。

これがレギロンにとって大きな転機になった。誰も彼を知らない中で、指揮官だけは彼をよく知っていたのだから。

テオ・エルナンデスがレンタル移籍し、マルセロが負傷する中、ソラーリはためらいなくレギロンを起用した。ロペテギがいつも万能のセンターバック、ナチョ・フェルナンデスをコンバートしていたのとは一線を画す采配だった。

レギロンはそのチャンスをしっかりつかみ取った。それから4試合に出場すると、全勝しただけでなく、3回のクリーンシートを達成してマドリーを救ったのだ。

マルセロが復調した後でもソラーリは、ラ・リーガのセビージャ戦、アラベス戦、アトレティコ・マドリー戦など、重要な試合ほどレギロンを好んで起用してきた。

2人の序列は2月13日のCLのラウンド16ファーストレグ、アヤックス戦で決定的になった。その試合でマルセロは、2015年3月以来初めて出場可能なヨーロッパでの試合に出場できなかったのだ。マルセロがチームの中心メンバーとしてマドリーを過去3回もCL優勝に導いたことを考えると、これは重大な出来事だった。

今シーズンのラ・リーガでレギロンが出場した10試合のうち、9試合でマドリーは勝利を収めた。最近ではレバンテ相手に2-1で勝利している。

一方のマルセロはというと、これまで12試合の出場でたった4勝。ファンやマドリーのメディアの想像と全く逆の結果だろう。

レギロンは同時に、攻撃面でもマドリーの成功を支えている。というのも、ともに左サイドでプレーするヴィニシウス・ジュニオールも真価を発揮しているのだ。ピンチに陥った際にはレギロンが駆けつけてきてくれる、とわかっているからこそ、ヴィニシウスは安心して創造性を最大限発揮できるのだろう。

マルセロやバルセロナのジョルディ・アルバのような攻撃力を身につけることはないかもしれない。だが、彼にはピッチを激しく上下動できる能力がある。これこそが、モダンサッカーで最高級のサイドバックになるために不可欠な資質なのだ。

■油断は禁物

今シーズン一度だけ、そのディフェンダーがうたた寝する姿を目撃されたことがある。アブダビでのクラブ・ワールドカップでのことだ。

もちろんそれはピッチでの出来事ではなく、他のチームメイトが全員チームバスから降りた後のこと。レギロンはびっくりしたように目覚めると、すっかり空になったバスが発車しようとしていることに気が付くと、ドアまで走っていって飛び降り、その様子を見て笑っているラモスたちに話しかけに行ったのだ。かつて怒りをぶつけられた先輩に「どうして起こしてくれないんだよ」とでも言うように。

レギロンは2月にその場面を回想した。しかし、その言葉には彼のこれまで、そしてこれからを含まれているようだった。

「それが『夢』だったのは本当だよ。だから僕はできるだけ長く夢を見ていたいと思っていたんだ」

レギロンが台頭を果たしたマドリー。今後誰が監督を務めようと、就任する監督の決断は非常に難しいものになるだろう。

文=リク・シャルマ/Rik Sharma

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