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ヘルタ・ベルリンの星、ミッテルシュテット「若いうちにサッカーだけに没頭するのはよくない」/インタビュー

マクシミリアン・ミッテルシュテットとベルリンの絆は固い。この22歳は、ヘルタ・ベルリンに所属しオリンピア・シュタディオンのピッチを走り回ることを幼少の頃から夢見てきた。U21ドイツ代表も経験したミッテルシュテットは、長い時を経てついにブンデスリーガに出場を果たし、今やマルヴィン・プラッテンハルトのポジションを奪うに至った。

『Goal』によるインタビューで、ミッテルシュテットはプロサッカー界の厳しさについて、今シーズンの活躍ぶりについて、そしてヘルタ・ベルリンの現状について語った。

■ヘルタファンだった少年時代

Maximilian Mittelstädt Hertha 02092018Getty

――ミッテルシュテットさん、ここにあなたの写真があります。少年時代、ミヒャエル・プレーツのサインをもらったときの写真ですね。当時、ヘルタでプロ選手になっている想像はできましたか?

子供の頃からサッカー選手になるのが夢だったんだ。そのために自分にたくさんのことを課してきたし、たくさんのことを諦めた。だけど、もちろんプロの世界にたどり着けるかどうかは分からなかった。今、自分自身が子供にサインをあげる立場になっていて、その状況を僕は望んでいたいんだ。だから夢が叶ってよかったと思うよ。

――あなたは少年時代から常にヘルタに関わっています。最初のスタジアムでの経験を思い出せますか?

実はもう思い出せないんだ。けれど、小さい頃から、オリンピア・シュタディオンになるべくたくさん行くようにしていたよ。よく覚えているのは、ヘルタがシャルケに4-2で勝った試合だね。映像で見た光景が目の前に広がっていて、今でもあの光景が頭の中から離れないんだ。だから、僕にとってオリンピア・シュタディオンでプレーすることはとても特別なことなんだ。

――あなたは以前インタビューで、キラーイ・ガーボル・フェレンツを尊敬しているとおっしゃっていました。彼のどこに惹かれたのでしょうか?

キラーイは常にヘルタのゴールを守っていたよね。僕自身ゴールキーパーだったことがあって、彼のパンツを買ってみて、真似をしようとしていたんだ。キーパーが僕には向いていないと分かるまではね。

――あなたをフィールドプレイヤーに導いたのは誰ですか?

あの当時、キーパーとフィールドプレイヤーを行ったり来たりしていて、あるタイミングでどちらかに決めなくてはいけなかったんだ。その時、ユースのコーチが、僕はキーパーでは能力を発揮できないと言ったんだ。

――今思えば、悪くない決断ですね。

(笑)。そのとおりだね。彼にはヘルタ・ツェーレンドルフで教わっていて、長いこと僕のコーチだったんだ。今でも良い関係だよ。

――他にあなたの人生に影響を与えた人物はいますか?

僕はユースのコーチと自身のキャリアに恵まれていたと思う。SCシュターケンで長い時間を過ごしたけれど、そこは競争とは無縁なことでとても有名なクラブだったんだ。人間として、サッカー選手としてじっくりと成長することができたよ。

■「重要だったのは心強い家族がいたこと」

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――振り返ってみて、15歳のときにヘルタ・ベルリンに移籍したのは正しかったでしょうか?

たくさんの選手が早くブンデスリーガのクラブに移籍したがって、そのせいで燃え尽きてしまうこともある。若いうちにサッカーだけに集中してしまうのはよくないというのが僕の意見だ。子供や思春期の少年はまず人間性を磨く必要がある。そのくらいの年齢では、サッカーを楽しむことが最も大切で、成果や成功を優先すべきではないんだ。

――つまり、忍耐があなたの成功にとって最も重要な要素だったのでしょうか?

我慢する必要があったね。プロになってからも、初出場の機会が得られるまではそうしなくてはいけなかった。自身の持ち味を高め、自信を持つことができれば結果的にうまくいくんだ。

――ご自身の道に疑問を持ったことはありましたか?

もちろん結果が出ないこともあった。そこから抜け出すためにどうすればいいか悩むこともあった。僕の場合重要だったのは、うまくいかない状況に陥った時、いつも僕のそばにいてくれる心強い家族がいたことだね。いつも家族に元気づけてもらったから、ネガティブな経験とうまく付き合えたんだ。

――あなたは思春期にヘルタ・ベルリンに移籍したことで、多感な時期に突然環境が変化する形になりました。ご友人達と比較して、その変化の中で普通に生きることはできましたか?

たくさんのことを諦めなくてはいけなかったけれど、僕は家族のつながりを大事にする人で、パーティーには滅多に行かないタイプなんだ。だから、他の人と比べれば、僕は多分いろんな困難を回避することができていたと思うよ。誕生日パーティーに行って、みんなが夜中の3時まで騒ぎ回って次の朝に寝始めるようなことをしていても、僕は次の朝には練習場に戻っていたよ。いつでも規律正しい生活を心がけてきたんだ。

■恩師ダルダイに感謝の意

Pal Dardai Hertha BSCGetty

――パル・ダルダイは2015年2月からヘルタの指揮を取っていますが、今季限りで契約を満了することが決まりました。競技面や個人的に彼から学んだことを教えてください。

パルは骨の髄までヘルタの人だね。ずっとチームにいて、僕たちに教訓を与えてくれるコーチなんだ。彼から教わったことは、決して諦めてはいけないということと、常に100%の力を出すことだ。そして、彼のおかげで僕はやっていけている。彼の下で僕はプロデビューを飾ることができて、徐々に成長できている。その点で非常に感謝しているよ。

――彼の特別な点はどこでしょうか?

彼は常に勝ちたいと思っている。それが彼の最優先事項で、その信念をチームに植え付けているんだ。難しい状況でもその気持ちがあれば持ち直せる気になるし、皆が勝利を信じて進んでいけるんだ。

――しかし現状のチームは不調ですね。直近の7試合で獲得した勝ち点はわずか「2」です。総合的に今シーズンをどのように評価されますか?

僕たちのシーズンは非常に良いスタートを切れて、いくつかの試合では番狂わせを起こした。だけど、同時に見過ごせない改善点もいくつかある。今はうまく行っていないけれど、こういう状況はサッカーでは普通のことだよ。僕たちはまだ成長段階のとても若いチームだ。とはいえ、もっと勝ち点を取るためには一体になって成長していかなければいけないけどね。特に前半戦では、チームに絶大な力があることを示すことができた。その力をピッチで取り戻すことができれば、僕たちをなかなか倒せなくなるんじゃないかな。

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――U21代表チームにヘルタから4人の選手が選ばれています。ドイツ代表チームにこれだけの人数を輩出しているチームはありません。これについてどう思いますか?

ジョーダン・トルナリガだけではなく、アルネ・マイアー、ルーカス・クリュンター、そして僕もいる。それだけではなく、もっとたくさんの選手が続くだろう。ここ数年は、パル・ダルダイの下でユース育ちの若手を以前より重要視するようになっているんだ。この方針はクラブの主義を体現しているし、それによってユースチームが良い仕事をしていることを示せていると思う。

■最も苦戦した相手は?

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――ベルリンとのつながりが非常に強固なあなたですが、2020年以降のステップアップの可能性などについてはいかがでしょうか?

可能性があれば悪いことではないけれど、ヘルタに満足しているし、ここにとどまる想像もしているよ。けど、フットボールは将来のことを一切保証してくれないからね。

――ここまでブンデスリーガでは48試合出場となりました。最も厳しい相手は誰でしたか?

(元ドルトムントの)ウスマン・デンベレかな。彼を相手に守備をするのは難しかったことを覚えているよ。あれはU18の代表だったか、ボルシア・ドルトムント戦だったかな。彼はとてつもないスピードでただでさえ予測不能なプレーをする選手だけれど、そのうえ両利きだから本当に予測のしようがないんだ。

――そして、一緒にプレーした中で最高の選手は誰でしょうか?

(長く考え)純粋にサッカーをするという意味ではオンドレイ・ドゥダだね。ほとんど見たことのないレベルの選手だ。一方でマルコ・グルイッチも印象的だ。彼は中央で存在感を発揮する選手で、総じて優れた選手だよ。

インタビュー・文=Celine Chorus

構成=Goal編集部

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「※」は提携サイト『 Sporting News』の記事です

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