Argentina celebrating Copa America 06282019

ブラジル、PK戦での薄氷の勝利で見えたもの。大一番アルゼンチン戦への不安は?

就任3年目を迎えたチッチ監督にとって、コパ・アメリカは初めての大会だ。

クラブレベルでは国際経験豊富な指揮官は、ボリビアとの開幕戦を前に、こんな言葉を口にしていた。

「コパ・アメリカは南米予選とは異なり、どちらかといえばコパ・リベルタドーレスに似た性格を持つ」

南米のクラブ王者を決めるコパ・リベルタドーレスで、ブラジル勢は審判のジャッジにいらついたり、相手のしたたかな戦い方に自滅したりすることが珍しくない。

そういった点を考慮すれば、パラグアイはまさに難敵と言える相手。2011年と2015年大会にブラジルをPK戦の末に葬り去っており、「負けない戦い」を体現できるパラグアイは天敵と言い換えることもできた。

■パラグアイは予想通りの戦法を選択

2019-06-29-brazil(C)Getty Images

今大会最多となる48211人の大観衆を飲み込んだアレーナ・ド・グレミオで行われた27日の準々決勝はまさに指揮官が予見したコパ・リベルタドーレスを思わせる試合展開だった。

開始早々の4分、売り出し中のエヴェルトンを起点に、ダニエウ・アウヴェスとロベルト・フィルミーノが絶妙の崩しを披露。この試合最初の決定機をフィルミーノが決めきれなかったものの、場内が一気に沸騰する。

ブラジルが前半からボールを握りながらも、パラグアイは決して引いて守るだけのチームではない。前線からのプレスでスイッチを入れると、2ボランチが巧みな動きでフィリペ・コウチーニョやアルトゥールを封じにかかる。

前半だけでパラグアイは3度の警告を受けたものの、ブラジルをいらつかせる戦い方はお手の物。試合を裁いたチリ人主審のロベルト・トバルの判定に、イライラを募らせるサポーターの罵声やブーイングがしばしばスタジアムに響いたが、CKの際には「俺たちはPK戦でもいいんだよ」といわんばかりに、ボールをゆっくりとセットするなど、あの手この手で揺さぶりもかけてくる。ただ、チッチ監督率いるカナリア軍団の強みも、負けない強さである。

前半28分にデルリス・ゴンサレスに決定的なシュートを許すもののアリソンがビッグセーブ。やはり、今大会、コロンビアと並んで唯一無失点で勝ち上がってきた「黄色い壁」は安易な失点を許さない。ペルー戦を除けば、スコアレスでハーフタイムを迎えるのは今大会3度目のブラジル。

「前半は相手のマークが非常に厳しかった。そこでリズムを上げすぎると、当然その後、ペースが落ちてしまう」(チッチ監督)

試合前日の会見でアディショナルタイムを含めた試合時間を95分と予想していた指揮官は、あくまでも粘り強くパラグアイの堅守をこじ開けるつもりだったが、後半12分にパラグアイのCBバルブエナがVAR判定によって退場に。

■PK戦で勝利の女神が微笑む

Alisson_BrazilvsParaguay_Copa America(C)Getty Images

数的不利の展開でパラグアイが選択したのは自陣に8人で守備ブロックを形成し、残り時間を守りきることだった。

圧倒的にボールを支配するブラジルと、徹底抗戦の構えを崩さないパラグアイーー。後半25分にウィリアンを投入し、4トップ気味の超攻撃布陣にスイッチすると、ほぼパラグアイを自陣に釘付けにするが、ガブリエウ・ジェズスらが決定機を決めきれず、時間だけがジリジリと過ぎていく。

後半36分にはダニエウ・アウベスを下げて、今大会初出場となるルーカス・パケッタを投入。「草サッカーでもお目にかからない布陣」と試合後に、あるブラジル人記者が苦笑したほどのなりふり構わないテコ入れで1点を目指したブラジルだったが、後半44分にウィリアンが放ったシュートもポストに嫌われる。

スタジアムで仲間の戦いを見守ったネイマールも思わず頭を抱えるほど、終盤の決定機を逃したカナリア軍団はPK戦にその運命を委ねることになったのだ。

「PK戦の時に心が穏やかだったことは一度もない。PK戦はフェアではない」

強気な指揮官がパラグアイ戦の前日会見で、懸念したPK戦にもつれこんだブラジルを救ったのは、ポルトアレグレを地元とするアリソンだった。

「PK戦はくじみたいなものだろ」と試合後に記者から問われたリヴァプールの守護神は「くじだとは思っていない。1本目を止めることで、仲間に安心感を与えることができる」と胸を張った。

■「大陸を揺るがす」決戦へ

Argentina celebrating Copa America 06282019

パラグアイのしたたかさに冷や汗をかかされたブラジルだが、辛うじて「鬼門」を突破。準決勝に駒を進めたものの、ミネイロンスタジアムで待つのはアルゼンチンである。

コパ・アメリカの長い歴史においてブラジルが無失点で準決勝に進むのは初めての快挙だが、一方でベネズエラとパラグアイ相手にスコアレスドロー。ネイマール不在の攻撃陣は、やはり勝負強さを欠いたまま最大の宿敵を迎え撃つことになる。

今大会のスローガン「南米大陸を揺るがせろ」という今大会のスローガンにふさわしい南米の二大巨人が、2007年決勝以来の激突を見る。

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「※」は提携サイト『 Sporting News』の提供記事です

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