湘南ベルマーレは8日、曹貴裁監督の退任を発表した。後任については決定次第伝えるとしている。
2012年から湘南で指揮を執り、2度の明治安田生命J2リーグ優勝に、JリーグYBCルヴァンカップ制覇を成し遂げた曹監督。昨シーズンは初めてJ1残留を果たし、今シーズンで指揮8年目に突入していた。
しかし、8月に一部スポーツ紙によりパワーハラスメント疑惑が報じられ、Jリーグの調査が終了するまで現場指揮および指導を控えることに。今月4日にJリーグ調査報告が行われ、「スタッフとの関係においては、パワーハラスメント行為を多数繰り返しており、その結果、スタッフが出勤できなくなったり、精神的に辛い思いをするなどの被害が複数生じた」と発表。曹監督には、けん責(始末書をとり、将来を戒める)と公式戦5試合への出場資格停止の処分が科された。
出場資格停止処分については、すでに自粛している5試合をもって制裁が科されたものとなり、同指揮官は6日に行われた明治安田生命J1リーグ第28節の川崎フロンターレ戦から指揮が可能に。しかし、その試合で現場復帰することはなく、引き続き高橋健二コーチが采配を振るっていた。
退任することになった曹監督は「湘南ベルマーレに関わる全ての関係者の皆様に改めて深くお詫び申し上げますとともに、本日をもって監督の職を辞することを報告致します。これはクラブ側と重ねて協議をさせて頂いた上での結論であります」と報告し、以下のように心情を綴った。
「今回のJリーグ裁定にて処分が決定し、関係者の皆様のご心情に触れ、改めて自分の指導者として、人としての力の無さを痛感致しました。この反省からもう一度初心に立ち返り、受け手が感じる気持ちに深く寄り添い、共に歩んでいける真の強さを身に付けなければいけないと思います」
「トップチームの監督を含めた15年間このクラブの関係者の皆様に本当にお世話になり、感謝の念に堪えません。辛いこと、嬉しいこと、たくさんの経験をさせて頂きました。このような長年の歩みに関わって頂いた選手、スタッフ、サポーター、スポンサー、株主の皆様、トップチームを夢見る子どもたち、全ての方々に御礼を申し上げますとともに、このような形での退任となりましたことを心よりお詫び申し上げます」
また、眞壁潔代表取締役会も「この度のパワーハラスメントの問題につきまして、まずは被害に遭われた皆様に深く謝罪をいたします。大変申し訳ございませんでした。また、応援して下さる皆様、ご支援いただいている皆様には、ご心配、ご迷惑をおかけし重ねてお詫び申し上げます。クラブとしての責任を重く受け止めるとともに、二度とこのような事態に陥らないために再発防止に努めて参ります」と謝罪し、指揮官への感謝を伝えた。
「曹貴裁監督には、トップチームでは2012年より、またアカデミーでの指導を含めると2005年より15年間、アカデミー選手の育成、トップチームの強化、そしてクラブの発展に大きく貢献していただきました。湘南のスタイルを築き、有形無形の財産を残していただき心より感謝しております」
また、水谷尚人代表取締役社長と坂本紘司スポーツダイレクターにそれぞれ、「月給50%の3ヶ月の減給」、報酬を受け取っていない眞壁代表取締役会に「代表取締役社長水谷尚人と同額を一般社団法人Ring Smileに寄付」の処分が下されたことも発表されている。
8月から6試合未勝利が続き、第28節終了時点で15位に沈んでいる湘南。J1参入プレーオフ圏の16位・サガン鳥栖とは勝ち点31、得失点差-18でともに並んでおり、総得点数で辛うじて上回っている状況だ。また、降格圏の17位・松本山雅FCには勝ち点差3にまで迫られている。
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「※」は提携サイト『 Sporting News』の提供記事です

