GFX Erling Haaland Robert Lewandowski Split 2019-20Getty/Goal

ハーランドは“New レヴァンドフスキ”となれるのか?正しい決断と与えた衝撃

アーリング・ハーランドと初めてトレーニングを行ったあと、マルコ・ロイスは『Sky』のインタビューで「ロベルト・レヴァンドフスキが去って以来、彼のようなタイプのストライカーはクラブにいなかった」と語った。

レヴァンドフスキがドルトムントからバイエルン・ミュンヘンへと移籍してからの6年間、ロイスは様々なタイプのフォワードとともにプレーしてきた。ピエール=エメリク・オーバメヤン、チーロ・インモービレ、パコ・アルカセルといった面々だ。なかでもオーバメヤンは、2016-17シーズンのブンデスリーガ得点王に輝き、通算141ゴールを奪った。またアルカセルも46試合で26ゴールを叩き込み、強い印象を残している。

だが、こうした選手の誰一人として、レヴァンドフスキのようなタイプのセンターフォワードではなかった。ロイスはハーランドこそが、ブンデスリーガ歴代3位の得点記録を誇るかつての同僚のようにプレーできると信じている。

「彼の加入により、僕たちは異なるシステムやスタイルでプレーできる。よりフレキシブルな選択ができるようになったんだ」

「彼はとてもオープンな人間だね。まず新加入選手については、その選手自身のことを知ることが大切だ。彼は僕たちに新しいプレーの可能性を与えてくれるし、僕たちも彼と共にプレーできるように、彼の強みを引き出せるようにならないといけない。でもそれは時間の問題だね」

■正しい決断

IMAGO IMAGES Erling Haaland 2020Imago Images

ハーランドは1月の移籍期間中、大人気銘柄だった。2019年1月にノルウェーのモルデからレッドブル・ザルツブルクに移籍し、起用され始めてからわずか5カ月で、さらなるステップアップを果たすことになる。

元モルデ指揮官オーレ・グンナー・スールシャールは、この19歳をマンチェスター・ユナイテッドに引き抜こうと試みた。恩師から熱心なラブコールを受けたハーランドだったが、次なる挑戦に選んだのはドルトムント。彼はこのクラブに行くことこそが、トップレベルのクラブでレギュラーとしてプレーし、チャンピオンズリーグ(CL)を戦うという彼の目標を叶える上で、最善の道だと考えたのだ。

「直接僕のもとに来て、こう言ったんだ。『我々は君を前線に置きたい。君のプレースタイルが好きだし、我々のチームに来てほしい』ってね。そう言ってくれたことが嬉しくて、それが(移籍を決める)引き金となったんだ。僕自身とドルトムントはきっと合うと思うよ」ハーランドはこう語っている。

マンチェスター・Uに移籍していたならば、ハーランドの舞台はヨーロッパリーグになっていただろう。だがドルトムントであれば、引き続き世界最高峰の舞台で得点王を目指す挑戦を続けることができる。

このティーンエージャーは、大会に旋風を巻き起こしている。CLで最初の3試合で6得点奪った史上初の選手となったからだ。この快挙により、ハーランドは欧州大会で初出場から5試合で得点を決めた最初の10代選手としても歴史に刻まれた。

グループステージでは計8得点を決めたが、その上を行くのはただ1人しかいない。現在世界最高の9番、レヴァンドフスキだ。

レヴァンドフスキは21歳の頃、母国ポーランドのレフ・ポズナンからドルトムントに移籍。レフ・ポズナンでは計82試合に出場し41ゴールを記録。移籍後初シーズンは9ゴールとスロースタートだったが、翌年から3シーズン連続で20得点を超えるゴールを記録した。

ザルツブルクで今シーズン既に22試合28ゴールを記録していることからも、ハーランドはドルトムント時代のレヴァンドフスキを上回る活躍が期待されている。ハーランド加入によって、現時点でのクラブ内得点王のアルカセルが退団するという噂が浮上してもいる。

アルフ・イング・ベルントセンは、ブリンFKで少年期のハーランドと共に働いた経験がある。下部組織時代から彼のことを知るベルントセンは、スタメンで出場することが大切だと主張し、もしベンチを温めるようなことがあればレヴァンドフスキ級の選手になるための成長を止めてしまうと『Goal』に語っている。

「彼はレヴァンドフスキと肩を並べる選手になるために、歩んでいる最中だ。アーリングは支配的な性格で、ベンチに座っていることを好まない。多くの人が忘れているが、ハーランドは最近まではザルツブルクのレギュラーですらなかったんだ。」

「彼にとって最も大切なことは、可能な限り最高のレベルで、継続的にプレーすること。新たなクラブに移ってプレーできないなんて最悪のことだ。進化するためには、最高レベルの環境でプレーすることが必要だ。仮にトップクラブに所属していたとしても、交代要員ではその成長を妨げてしまう」

■与えた衝撃

20190118_Haaland_Dortmund(C)Getty Images

そんな19歳は、ブンデスリーガ第18節アウクスブルク戦で初めてドルトムントの選手として招集された。彼にとってはフラストレーションの溜まるベンチスタートで、ピッチに立ったのは2点のビハインドを背負っていた56分からだった。

そして、その鬱憤を晴らすような圧巻のパフォーマンスを見せている。わずか3分間で初ゴールを奪うと、70分、79分と立て続けにネットを揺らし、3得点を挙げた。出場わずか23分、シュート3本でハットトリックを達成したのだ。5-3の大逆転勝利をもたらし、一夜にしてヒーローとなった。

勢いは止まらない。続く第19節ケルン戦はまたもベンチスタート。出場は65分からだった。しかし、彼に時間は必要ない。ピッチに入ってから12分後、チーム4点目を記録。そして87分にはダメ押しの5点目を奪って見せた。ジグナル・イドゥナ・パルクでのデビュー戦で、スタジアムを熱狂に陥れたのだった。

ファーブル監督は「我々の攻撃的プレーにバリエーションを加えてくれる」と絶賛。そして当の本人は、記者からコンディションについて問われると「あなたにはどう見えた?」と“逆取材”。大物ぶりを見せつけている。

ロイスはハーランドの加入で、これまでチームに欠けていたものが加わったと感じている。ドルトムントでレヴァンドフスキの穴を埋める、このオールラウンダーが加わったことで、チームは優勝候補として相応しい陣容になったと。

「今のチームを見て、これ以上どんなクオリティが必要だって言うんだ? 僕たちはそれをピッチ上で示さないといけない。ただ、どこまででもいけるはずさ」

「最高のストライカーと新たなオプションを手に入れたんだ。それに良い位置につけている」

シーズン開幕前の大型補強で優勝候補に推されながらも、前半戦はやや苦しんだドルトムント。しかしハーランド加入後2試合で連勝、10得点をたたき出している。19試合消化時点で4位、首位ライプツィヒとの差は4ポイントだ。8季ぶりのマイスターシャーレも現実的な位置につけている。

主将は語る。

「(タイトル獲得は)シーズン開幕時以上に現実的なものになった来た。それが僕たちの手にあるとは言えない。でも、反撃に向けて正しい位置につけているよ」

「(タイトルレースにおいて)今のドルトムントを忘れてもらっちゃ困るよ」

文=ロナン・マーフィー/Ronan Murphy

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