今夏の移籍市場で注目を浴びるであろう選手の一人に、20歳ゴールキーパー、アレックス・メレットがいる。現在ウディネーゼからセリエBのスパルにレンタル移籍中の未来ある若きゴールキーパーは、レオナルド・センプリチ監督の下で大きな成長を見せているのだ。
彼と同じポジションにはジャンルイジ・ドンナルンマがいるが、ドンナルンマは18歳という信じられない若さで所属するACミランのみならず、イタリア代表でもすでに必要不可欠な存在となっている。彼と比べると知名度に欠くメレットであるが、最大のライバルになるとの呼び声も高い。
そんなメレットの有力移籍先と言われているのがユヴェントスである。ジャンルイジ・ブッフォンの後釜を探し始めているユヴェントスはイタリア人選手の獲得を重視しており、メレットの動向に随分前から注目している。経営陣は他のクラブを出し抜くために早くもウディネーゼとの接触を図っているようだ。ユヴェントスのマロッタCEOとパラティチSDは400万ユーロ(約4.8億円)という金額をウディネーゼ側に提示したとの報道もある。なんとしてもメレットを獲得したいという意向が伺える。
対してウディネーゼは、メレットの移籍額をまだ具体的には設定してはいないようだ。しかし少なくともウディネーゼにとっていい取引となることは、メレットの活躍を見れば、一目瞭然だ。両者の関係性も良好である。
しかし、関係性が移籍交渉の結果を決めるわけではない。結局は最良のオファーをしたクラブがメレットを手に入れる事が出来る、これが現実なのだ。ユヴェントスとウディネーゼの間では今後話し合いが予定されている。しかしメレットを狙っているのは、ユヴェントスだけではない。ナポリやインテルも獲得に乗り出している。
果たして、どのクラブがこの若きゴールキーパーを口説くことができるのか。ますます今夏の移籍市場が楽しみである。
文=ロメオ・アグレスティ/Romeo Agresti