トリニダード・トバゴ戦の先発は全員海外組か…激化する森保J定位置争い、注目ポイントは？

日本代表は5日、豊田スタジアムでキリンチャレンジカップ2019のトリニダード・トバゴ戦に臨む。27人を招集した今回の2連戦。初戦の注目ポイントはどこにあるのか。【文＝元川悦子】

■先発は全員海外組か。注目は2列目の“三銃士”

©Goal

　6月のキリンチャレンジカップ2連戦は、9月から始まるカタール・ワールドカップアジア2次予選に向けた強化の場であり、ベスト布陣での連係を確認できる最後の機会となる。

　まず、豊田スタジアムでのトリニダード・トバゴ戦に臨むが、森保一監督は「これまで招集してきた選手たちをベースに」と話したように、先発は代表で昨年9月の新体制発足からここまでコンスタントに出場してきた顔ぶれになることが濃厚となった。

　気になるメンバーは、今冬のアジアカップ以来の招集となった長友佑都（ガラタサライ）や大迫勇也（ブレーメン）を含め、スタメン全員が海外組という可能性が高い。なかでも注目なのが、堂安律（フローニンゲン）、南野拓実（ザルツブルク）、中島翔哉（アル・ドゥハイル）の“三銃士”だろう。

　彼らが揃って先発した3月のコロンビア戦（日産）は敗れたものの、彼らが前半に多く決定機を作っていた。続くボリビア戦（ノエスタ）では、3人ともに途中出場したが、特に中島は均衡を破るゴールを奪取するなど、圧巻のパフォーマンスを見せていた。

　アジアカップ以降の3人は所属クラブでコンスタントに出番を得ていたものの、堂安が昨季の9点を下回る5得点で今季を終了。南野もヨーロッパリーグ・ローゼンボルク戦でハットトリックを記録するなど一定の存在感を見せたが、リーグ戦では二桁に届かず。中島も新天地のカタールでリーグ戦は1点のみ。ゴールという部分では揃って若干の物足りなさを感じる。

　堂安もその課題を自覚している。「アジアカップが終わって『もっと取らないといけない』という課題を感じて、それがまた空回りになった。感情のコントロールが難しかった」。それ故に、トリニダード・トバゴ戦で求められるテーマの一つとして得点に直結するプレーの増加が挙げられる。

■大迫に依存しない得点パターンの構築は？

　それを遂行するうえで不可欠なのが、1トップとの関係性強化だ。

　これまでの森保ジャパンの戦いを振り返れば、前線でタメを作れて、相手も背負える大迫が1トップに入り、そこに“三銃士”が縦への速さを発揮する形で得点を量産してきた。大迫が招集されなかった3月シリーズでは、エース不在の影響が色濃く感じられた。この4枚は森保ジャパンのベースであり、トリニダード・トバゴ戦はアジアカップ以降では初めて4人が連係を確認できる貴重な場となる。

　とはいえ、大迫に依存しがちな攻撃陣の現状を打開していくことも、早急に取り組まなければならないテーマだ。ロシアW杯ぶりの代表復帰を果たした岡崎慎司（レスター）は、1パターンに拘るのではなく、多彩な攻撃の必要性を口にしていた。

「サコ（大迫）がつぶされても違うパターンでどこからでも攻撃できるようなチームにならないとダメ。1つのパターンにこだわるのではなくて、もっといろんな種類の攻撃ができるようになったほうが日本代表は勝てるようになる」

　大迫に依存しない得点パターンを見出すことも、9月に向けたテーマであり、2列目と岡崎や永井謙佑（FC東京）といった持ち味の異なる前線とのいい関係を構築できるかは、重要なポイントとなってくる。

　今回のメンバーには、18歳となったばかりの久保建英（FC東京）ら初招集選手も3人加わり、若手の突き上げもあって代表争いはサバイバルの様相を呈している。南野は言う。

「若い選手たちもアグレッシブにプレーしているし、チームとして活性化されている。自分も刺激をもらっています」

　これまで森保ジャパンの主軸を担ってきた中島・南野・堂安の“三銃士”がその存在価値をしっかりと示すのか。それともその3人を脅かす存在が表れるのか。1トップとのコンビネーションを含め、キリンチャレンジカップ2連戦では実りある収穫を期待したい。

文＝元川悦子

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