トッテナムのピークはまだ先。CL決勝で失意の敗戦にも前を向くべき理由

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マドリードでのチャンピオンズリーグ決勝で、リヴァプール相手に全てを出し切ったトッテナムだったが、0-2での敗戦により彼らの弱点が露呈される結果となった

スーツのジャケットは早々に脱ぎ捨てられ、黒いシャツの袖はきつく捲りあげられていた。

舞台はチャンピオンズリーグの決勝。マウリシオ・ポチェッティーノはテクニカルエリアの端に立ち、88分のディヴォック・オリジのゴールによって前へ前へと押し寄せるリヴァプールファンを眺める。この瞬間にトッテナムの夢は潰え、ファンを長らく熱狂させたシーズンは終わりを迎えたのだった。

■決勝進出可能性「1%未満」からの躍進

Fernando Llorente Tottenham ManCity 17042019

グループステージ開幕後の3試合で獲得した勝ち点はわずかに1であり、最終的には得失点差も-1であったスパーズは、首の皮一枚をつなげて決勝トーナメントへと進出した。様々な統計を扱うウェブサイト『FiveThirtyEight』は、その時点で彼らが決勝まで駒を進める可能性は1%未満であると結論づけていた通り、下馬評は低かった。

しかし、ラウンド16でドルトムントと対戦した際には、スパーズは息も絶え絶えだったグループステージからは打って変わって優位に立ち、余裕を持って次のラウンドへと進出する。

さらに準々決勝では、新たなトッテナム・ホットスパースタジアムにてウーゴ・ロリスがセルヒオ・アグエロのPKをセーブして、彼らはギリギリの勝利を収める。マンチェスター・シティは、エティハド・スタジアムでのセカンドレグで4ゴールを奪い、もしアグエロのあのPKがネットを揺らしていれば、そこでスパーズは力尽きていたことだろう。

また、VARによってラヒーム・スターリングのハットトリックが幻となったことで、スパーズに一筋の光が差し、ファンですら予想していなかった道が開けていった。

Tottenham - Ajax CL

次に待ち構えていた、若き次世代のワールドクラス・タレントを擁するアヤックスこそ、トッテナムの夢を終わらせる存在であると考えられていた。フレンキー・デ・ヨング、マタイス・デ・リフト、ハキム・ツィエクなどといったビッグネームを揃えたチームは、タイトルホルダーであるレアル・マドリーだけでなく、クリスティアーノ・ロナウド率いるユヴェントスをも破って勝ち上がってきていたのだ。

アヤックスがロンドンでのファーストレグを1-0で制したことで、彼らの決勝への道は確保されたと思われた。マドリードでの決勝では、XXXのタトゥー(アムステルダムを象徴するもの)が腕に彫り込まれたオランダ人たちの姿が確認されたが、彼らは準決勝のファーストレグとセカンドレグの間にフライト予約を急いだのだろう。

アムステルダムでのセカンドレグで、アヤックスがスコアを2-0とした瞬間、誰もが勝敗が決したことを悟った。しかし、スパーズは今季のチャンピオンズリーグで多くの戦い方を学んでいた。必然性は発明の母とはよく言ったもので、度重なる選手のケガや出場停止により、様々な選手起用を強いられたポチェッティーノは多様性を持った戦い方を心得るに至っていたのだ。

こうした背景の中で、フェルナンド・ジョレンテはキープレイヤーの1人となり、キーラン・トリッピアーは欠かすことができない選手となっていった。彼らはもともとベストチョイスではなく、単に他に適任がいなかったがゆえの起用だったことは忘れられない。

■「機が熟す」のはいつか

劣勢の中でもトッテナムは、信じる気持ちと不屈の精神でロングボールを前線へと送った。しかし彼らが乗り越えなければならない壁は大きく、冷静になってみれば、ここからの逆転は難しいと考えるのが自然な状況だった。

そこからルーカス・モウラが達成したハットトリックは、その前夜にリヴァプールのオリジがバルセロナを相手に奪った4点目に勝るとも劣らない衝撃を世界に与えた。ただオリジは、その後さらなる衝撃を与えることになる。マドリードでの決勝でも今季のチャンピオンズリーグでの通算3点目を奪い、スパーズに対して現実を突きつけたのだから。

Mohamed Salah, Liverpool

試合を通して、彼らには多くの後悔が残ったことだろう。マドリードの午後の暑さは両チームの体力を奪い、互いのレベルを均一にしてしまうほどのものだったが、リヴァプールは自分たちの力を出し切り、スパーズにはそれができなかった。

トーナメントの序盤で危険な攻撃を披露してきたのはルーカスとソン・フンミンのコンビだったが、決勝でハリー・ケインをピッチに置きたいという欲求に抗うことはできなかった。ケインも最善を尽くしたが、チームに貢献できるレベルにはなかった。

最近の試合におけるスパーズのベスト・プレイヤーといえるデレ・アリも結果を残せず、クリスティアン・エリクセンも数少ないシュートチャンスをフイにしてしまった。

彼らはできる限りのことはやったが、おそらく最後に振り絞る力が残されていなかったのだろう。

また、たとえスパーズがこの試合に勝っていたとしても、ファンたちはチームがこのままでいいとは思わなかったはずだ。ポチェッティーノ、あるいはその後継者が求めるスタンダードに達していないと目される選手が、チームの中に4、5人はいるのだ。

ここでトロフィーを得たところで、チームの状態は変わらなかっただろう。カップを争う戦いは、シーズンを通しての戦いとは別物であり、それはトーナメントでの強者であることを意味するのみだ。

とはいえスパーズが依然として成長を続ける好クラブであることに違いはなく、さらには近年リヴァプールやアトレティコ・マドリーが失意の底から復活した姿を見ている彼らは、そこから抜け出す方法を見出すことができるはずだ。

シーズンを通して、スパーズのファンたちはチームが調子を落とすことを不安に思っていたが、彼らは見事にシーズンを乗り切ってみせた。彼らは自分たちの運命に抗い、そして競り勝ったのだ。

チャンピオンズリーグ決勝の敗戦により、彼らの脆さが証明されたわけではない。彼らは単に、より強い「機が熟した」チームに負けたのだ。しかしスパーズの時代はきっと来る。そう確信できるシーズンだったと言えるだろう。

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