アジアカップを準優勝で終えた日本代表。5度目のアジア制覇は達成できなかったが、若手とベテランが一つになり、ほぼ1カ月にわたる大会を戦い切った。新たなサイクルに入った日本代表のなかで、チームを鼓舞し続けた長友佑都。彼のサッカー人生にとって欠かせないツールが「スパイク」だ。今回はそのこだわりを詳しく聞いた。
■サッカーはアスリート型のスポーツになってきている
「スパイクが合わないといいプレーができない。サッカー人生が変わってしまう」
長友佑都はそう言ってはばからない。サッカー選手にとって、スパイクはそれほど大切なツールなのだ。
現在、長友が愛用しているのがナイキの『マーキュリアル』。アジリティや一瞬のスピードといったサイドバックに欠かすことのできない能力を引き出してくれる最高の“相棒”だ。
「サッカーがどんどんアスリート型のスポーツになってきていて、スピードのある選手や走れる選手が重要視されてきていると感じますね」
「僕自身、このスパイクを履きはじめてからパフォーマンスがどんどん上がりました。その結果、海外で勝負できるようになりましたし。今では体の一部みたいな感覚ですね」
(C)Goal2月1日に新たに発売される『GAME OVER パック』。長友はニューカラーのスパイクを手に取り「カッコいい」と笑顔で語る。
選手のポテンシャルを最大限に引き出す最新技術が詰め込まれている中で、長友が特に重要視するのが「フィット感」だ。
自分の足とスパイクがフィットしているかどうか……まるで自分の足の一部であるかのように感じられるかどうかで、パフォーマンスにも大きな差が出てくるという。
「スパイクが合わないと、ストレスを感じながらプレーしなければいけないんですよ。そうすると良い判断ができない」
「動くたびに『足が痛い』『合ってないな』ってなると、そっちに気が取られてしまう。結果としていいプレーができなくなってしまうんです」
「スパイクでサッカー人生が変わる。僕はそれぐらいだと思ってます」
もともとのポテンシャルに加え、「体の一部」と感じられるほど自分に合ったスパイクに出会うことができた結果、名門インテルでレギュラーとして活躍するまでに飛躍を遂げた。現在もトルコの強豪ガラタサライに所属し、世界で挑戦を続けている。
中でも印象深かった対戦相手を振り返ってもらうと、「オランダ代表だった(アルイェン)ロッベン」という答えが返ってきた。
「ロッベンとプレーしたとき、相手と言い合ってケンカみたいになりながら戦ったのを今でも思い出しますね」
「世界のトップと戦うときはすごいモチベーションで戦いますし、その選手を止めたときは自分がゴールを決めたときより快感を覚えますね。もう、気持ちよくて(笑)」
「(相手が)イライラしてくると、逆サイドにポジションを移すことがあるんですよ。もう僕と当たりたくないから。その時は『勝ったな』って思いますね」
トッププレーヤーと対峙し、最高峰の舞台で戦ってなお、長友の情熱が消えることはない。次なる世界最高峰の戦いで勝利をつかむために。長友佑都は最高の相棒とともに、加速を続けていく。
聞き手=松岡宗一郎


