「スクデットを獲得するまでは…」ナポリへの忠誠誓うユネス。メルテンスとの友情も…/インタビュー

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SSCナポリのアミン・ユネスがイタリアでの暮らしや親友ドリース・メルテンスについて語る。

2018年は、アヤックスからの移籍の延期や長引くケガなど、アミン・ユネスにとって苦難の1年だった。だが年が変わり、今彼は再びフットボールを楽しみ始めている。

ドイツ代表招集歴もあるユネスは、セリエAで2位を確定させているナポリで先発の座をつかむべく模索を続けている。3月17日のウディネーゼ戦では、ついにセリエAで初ゴールを挙げてみせた。

ユネスは『Goal』のインタビューに応えてイタリアでの新生活の模様を明かし、毎日気分よく目覚められるワケやロッカールームで交わされるキスのこと、おいしい食べ物、家探しまでしてくれるベルギー生まれの愉快な友人など、多岐にわたる話題について大いに語った。

■ナポリを「僕の居場所」と語る理由

Amin Younes, Ajax, 01262018

――ユネスさん、あなたは移籍問題やケガに悩まされた2018年が嘘のように、今年は再びポジティブな意味で話題をさらっていますね。その原因はどこにあるのでしょう?

何より僕の体調が良くなったおかげさ。アキレス腱のケガで長い間苦しんだけど、やっとまた健康になれたんだ。僕にとってはそれが一番重要なことだよ。だけど、そうしているうちにナポリにも溶け込むことができたような気がするんだ。新しい国へ行って、新しい暮らしや新しい言葉に慣れるのは決して簡単なことじゃない。イタリアへ来ることは僕にとって大きな決断だったし、ケガのせいでその大変さがちょっと増したんだよ。12月に入ってからやっと初めて試合に出ることができて、3月には初めてのゴールを決めることもできた。ゴールを決められたことはとてもうれしいよ。イタリア語がどんどん上手くなってることと同じくらいにね。

――ただ、1月にはあなたが出場機会の少なさに不満を覚えて、ナポリを見限ろうとしているという噂もありました。

ナポリを出たいと思ったことは一度もないよ。僕はずっと、ナポリで認められるようになりたいと思っていたんだから。そんなことに関係なく、1月にはまだアキレス腱がすっかり治ってなかったから、100%のコンディションを取り戻すためにベルギーで特別なリハビリを受けることに決めたんだ。最初から僕は、ナポリこそ自分のいるべき場所なんだと思っていたよ。

――それはなぜですか?

まず一つは、ナポリのプレースタイルが完璧に僕にマッチしているからだ。僕にとってフットボールの面ではアヤックスにいた頃とほとんど何も変わっていない。ナポリもアヤックスと同じように、ボールキープを重視するプレースタイルだからね。ただ、ナポリの方がよりレベルが高いんだ。セリエAは戦術面でもフィジカル面でもものすごく手強いクラブばかりだから、アタッカーの僕にとっては特別な魅力があるんだよ。対戦相手のほとんどが非常に深い位置で守りを固めていて、そのぶんゴールやアシストを決めるのが難しくなるからね。2つ目の理由は、ここの生活がとても気に入っているってことだ。

――それは天候のことも含んでいますか?

前は、フットボールをやるのにどんな天気でも問題ないって思っていた。だけど、12月になってもまだ半ズボンで練習できて、練習場がいつも完璧な状態にあるとしたら、確かにその方が気分はいいよ。毎日太陽が輝いていれば、朝起きる時も自然といい気分でいられるんだ。これは一見些細なことに思えるけど、はっきり体調にいい影響があるんだから大きな違いだよ。

■「SSCナポリではいつもみんなが笑っている」

Napoli celebrating Frosinone Serie A

――イタリアの食べ物も悪くないんじゃないですか?

もちろん、こっちのパスタはドイツに比べるとはるかにおいしいね(笑)。だけど、どんな時でも僕にとって一番重要なのは、自分がどういう人たちと付き合うことになるのかっていうことだ。イタリア人はとても人情に篤くて、クラブにも特別な雰囲気が強く感じられる。ナポリの練習場へ行くと、今でもディエゴ・マラドーナのユニフォームや、他にも身の回りの物が置いてあって、何人かの年輩のコーチはよく“栄光の時代”のことを話してくれるんだ。こういう歴史あるクラブの一員になれて、とても誇らしい気持ちだよ。それに、チームのみんなと一緒にいるとすごく楽しいんだ。僕たちは、まるでひとつの家族みたいだね。

――どうしてそんなふうに感じるんですか?

朝ロッカールームへ入っていくと、チームメイトがキスとハグで迎えてくれるなんてことはドイツでは考えられないよ。僕も最初は思ったね、「こりゃ一体何なんだ?」って。だけど、南の方のやり方はそうなんだよ。ここでは、みんながお互いに親しくなれるんだ。小さなグループに分かれてしまったりしないんだよ。まったくその反対で、ピッチの外でもみんなで一緒にいろんなことをやるし、“チームの集い”もよく開かれるんだ。それに、何人かのチームメイトは練習に行く時も一緒だ。誰も除け者にされたりしないし、自分のことを特別だと思ったりするやつも一人もいない。それに、いつもみんなが笑っているんだ。

――あなたを一番笑わせてくれるのは誰ですか?

ドリース・メルテンスだね。

――中でも一番愉快だったエピソードはどんなことですか?

ここでそれに答えるのはよした方がよさそうだ(笑)。 だけど、ピッチの上で彼がやってることを見るだけでも、彼のユーモアのセンスがよくわかると思うよ。1対1で競り合った後で地面に座りこんでる彼を相手チームの選手が誰も助け起こしに来ないでいると、彼は腕を突き出して、それをもう一方の腕で引っぱって、自分で自分を助け起こしている。あと、ゴールを決めた時なんかに犬の真似をして、コーナーフラッグにマーキングしたりするんだからね。

■「ドリースは僕のお手本だ」

 
 
 
 
 

――インスタグラムへの投稿を見ていると、あなたとメルテンスはかなり仲がいいみたいですね。

そうなんだよ。僕が少しオランダ語も話せて、彼の方はフラマン語(ベルギーで話されているオランダ語)が話せるから、二人とも相手の言ってることがよくわかるんだ。お互い、素晴らしい関係だよ。だけど実を言うと、メルテンスは誰とでもいい関係を築くことができるんだ。彼は素晴らしいフットボーラーだけど、それ以上に人間として素晴らしいやつなんだよ。ものすごく謙虚で、親切なんだ。彼の悪口を言おうとしても、そんなのは絶対無理だね。僕は生まれつき、新しいクラブに移ってすぐに、誰かに近づいていけるようなタイプじゃないんだ。そのクラブでレジェンドになっているような選手だったら特にね。だけどドリースの場合は、彼の方からすぐに僕に近づいてきて、僕の力になってくれたんだよ。

――どんなふうにですか?

たとえば僕が家を探すのを手伝ってくれたり、どこへ行けばいい食料品を買えるのかも教えてくれたんだ。ナポリは、勝手がわかってないと何かと不便な町なんだよ。ドリースもよそから来たから、それがよくわかっているんだ。だから彼は、新しくナポリに来た選手みんなの助けになってやるんだよ。彼のそういうところに僕はすごく感心しているよ。彼は僕のお手本だ。まずフットボーラーとして言えば、彼は32歳になったのに、相変わらずどんな練習にも全力で取り組んでいる。けれど人間的な面でも、彼は独特のポジティブなやり方でチームを引っぱっていってるんだからね。彼はすごく上手にイタリア語が話せて、ナポリを愛している。そして、ナポリも彼を愛している。ファンは彼を崇拝しているよ。マレク・ハムシクがクラブを去ってからはなおさらね。

――あなたはナポリで注目を浴びずに外出することができますか?

ナポリではどこへ行っても、みんながフットボールの話をしている。そんな町だから、最初の何試合かに出る前からもう、外出すると気づかれないでいるのは難しかったよ。それにどっちみち、今じゃもうゴールを決めたから気にしなくてよくなったしね(笑)。 だけど、それで困ったりはしていないよ。ナポリの選手を見つけた時の町の人たちの反応はとても温かくて、時にはちょっとうるさいこともあるくらいだ。彼らの気持ちはよくわかる。彼らは心からSSCナポリに情熱を注いでるんだから。ミラノやローマのようにいくつものトップクラブやファンの団体がある町とは事情が違うからね。この町にあるのは僕らのクラブだけだ。町の人たちは僕たちのクラブを愛して、僕たちのクラブと共に生きているんだよ。信仰みたいなものだよね。

――これまで伺ったようにイタリアやイタリア人には数々の美点がありますが、それでもスタジアムでは、あなたのチームメイトのカリドゥ・クリバリのような肌の色の黒い選手に対して人種差別的侮辱が浴びせられることがよくあります。そういうことには大きな怒りを覚えますか?

ただただ腹立たしく思うね。2019年にもなって、まだ人種差別の問題に取り組まなければならないのは悲しいことだ。けれど僕は、そういうことは全部できるだけ無視するようにしてるんだ。こうやって注目を浴びることこそ、人種差別主義者たちが求めていることだからだ。彼らは、自分たちが話題になるのがうれしいんだよ。

――このあいだヴォルフスブルクで行われたドイツとセルビアの国際親善試合でも、以前代表チームであなたのチームメイトだったリロイ・サネとイルカイ・ギュンドアンに対して差別的行為が見られましたね。あなたのお母さんはドイツ人ですが、お父さんはレバノン出身です。今までに人種差別的な侮辱を受けたことがありますか?

いや、一度もないよ。どっちかというと僕は、そんな馬鹿なやつらが時々スタジアムでしでかすようなことより、もっとポジティブなことについて話したいね。たぶんそんなやつらは、今のドイツじゃむしろ少数派なんじゃないかな。

――では、ポジティブな話をどうぞ。

僕の父を例に取れば、父はレバノンの内戦から逃れてドイツへやって来たんだけど、ドイツで人種差別なんかとはまったく別のものを見つけたんだ。父は今、立派で安全な我が家で暮らしている。そのことを僕はとてもありがたいと思っている。そもそもドイツで暮らせるというのがどんなに幸せなことか、僕たちはそれを忘れてはいけないんだ。

■「代表入りまでにはまだ距離がある」

Amin Younes

――ドイツ代表チームでは文化や宗教の違いが完全に尊重されていると感じますか?

間違いなくそうだね。誰もが文化や宗教の自由を完全に保証されているよ。DFB(ドイツフットボール連盟)はどんな出自や宗教も受け入れてリスペクトしている。特にオリヴァー・ビアホフ(ドイツ代表のチームマネージャー)とヨアヒム・レーヴはその点を重要視しているんだ。このところDFBは何かと批判されているけど、その点は是非言っておきたいと思うよ。

――あなたはまだヨアヒム・レーヴと連絡を取り合っているんですか?

いや、連絡は取っていない。だけど、それで別に問題もないと思うよ。僕はフットボーラーとしての自分の状況を肯定的に評価することができるし、同時に、今のところはまだまだとても代表に招集されるようなレベルにはないこともわかっているんだ。

――あなたは2017年に代表チームの一員としてコンフェデレーションズカップに参加して優勝を経験しました。またああいう大きな大会に出てプレーしたいと思いますか?

いつかまたそういう大会に出場するのが夢だとは言えるけど、まずクラブの方でコンスタントにいいパフォーマンスを見せられるようにしないとね。もしそれができれば、いつかまた自然と代表チームに入る機会がやって来るはずだ。

■指揮官の仕事ぶりとポジション変更

Amin Younes Roma Napoli

――今あなたはナポリで、ブンデスリーガの頃から顔なじみのカルロ・アンチェロッティ監督の指揮下にいます。ナポリへ来る前、バイエルンでの彼は、最高の成績を残したとは言えない状態で終わりました。

それは僕に判断できることじゃない。僕に言えるのは、彼はナポリでとても気分よく仕事をしてるってことだけだ。自分の生まれた国で、自分の文化と自分の言葉に囲まれてね。だけど、彼は最初の日から僕たちの仕事ぶりやチームの雰囲気にも満足していたよ。ナポリへ来たことは彼にとって正しい決断だったと思うね。

――アンチェロッティの監督手法は締めつけが厳しくないことで知られています。ミュンヘンでは、彼とそのスタッフの仕事ぶりがあまりに緊張感に欠けており、プロとは思えないような練習をさせることもあると非難されていました。

そんなふうに考える人がいるとしたら残念なことだよ。特に、カルロがバイエルンで過ごした時期のことについて話す時は、いい思い出しか聞いたことがないのを思うとね。彼とそのスタッフが十分にプロらしい仕事をしていないなんて言うとしたら、そんなのはナンセンスもはなはだしいよ。

僕はナポリへ来た最初の日から、監督と彼のスタッフが信じられないくらい厳密に細部にまで目を配って仕事に取り組む姿に出くわしたんだ。今ナポリでは、カルロ自身はもちろん、息子のダヴィデもフランチェスコ・マウリや他の誰にしろ、みんなが一生懸命に仕事をして、僕がもっと立派なフットボーラーになれるよう毎日僕に力を貸してくれているよ。それに、カルロとダヴィデはちょっとドイツ語も話せるから、僕はすごく助かっているんだ。

――アンチェロッティはあなたの戦術上の役割を変更したようですね。アヤックスではたいていウィングとしてしか使われなかったあなたが、ここのところ中盤で8番としてプレーすることもありましたから。これは、今のところFWの位置であなたがメルテンスやロレンツォ・インシーニエ、ホセ・カジェホン、アルカディウシュ・ミリクとポジションを争っている状況にあるせいですか? それとも、あなたは今ちょうど別のタイプのプレーヤーに成長しようとしているところなんですか?

僕の大きな強みは1対1の戦いにあるけれど、アヤックスにいた頃のようにウィングのポジションにばかりこだわっている必要もないんだ。僕は中盤で左右にボールを散らす役割も果たすことができる。後ろまでボールをもらいに行って、相手を突破しながら、頭を使って得点につなぐ方法を探るのは楽しいよ。監督は、僕たちがフレキシブルに対応することも期待している。僕たちはいろいろなシステムでプレーするんだ。ナポリにはいろいろタイプの違う選手がたくさんそろっているからね。たとえば、ドリースはミリクとはまったくタイプの違うFWだ。イタリアの多くのチームのプレースタイルは守備が堅いから、サイドラインとサイドラインの間でうまくボールをコントロールすることが重要だ。僕たちはたいていの場合うまくやってるんだけど、必ずうまくいくとは限らないんだよ。

――もし常にうまくいっていたら、ナポリがユヴェントスに20ポイント近くもの差をつけられることもなかったでしょうからね。

ヴェローナ戦やサッスオーロ戦では、本来なら手に入るはずの勝ち点を失ってしまった。ユヴェントスは老練なチームだ。美しいフットボールというのとは違うけれど、とにかくあそこには、いつ何をすべきかよく知っている選手たちがそろっている。クリスティアーノ・ロナウドやジョルジョ・キエッリーニ、マリオ・マンジュキッチみたいな素晴らしい個性とメンタリティーを備えた選手たちがいるんだよ。

――ナポリが最後にスクデットを獲得したのは1990年のことです。優勝への願いは切実ですか?

すごく切実だね。町全体が優勝を待ち望んでいるよ。特に、実際僕たちにはタイトルを取れるだけの力があるとみんなが感じているんだからね。確かに今年はもう無理だけど、僕たちのチームにはいつかうまくやってのけるだけのクオリティが備わっている。心の底から思うんだけど、僕は自分自身のためだけでなく、もう長い間待ち続けているチームのみんなのためにも、是非セリエAで優勝したいんだ。それまではナポリを離れたくないと思っているよ。

そして、僕個人の目標はレギュラーになることだ。ずっと健康なままでいて、監督にもっと僕の力を認めてもらい、国際大会にもできるだけたくさん出場できるようになりたいと思っている。最近の試合でうまくそのための基礎を築くことができたから、一日一日成長していけるよう心がけているよ。

――とても自信にあふれた発言ですね。苦難の時はもう終わったと思ってもよさそうですか?

去年ケガをして、新聞でいろいろなことを書かれて、とてもつらかった。けれど、ネガティブな考えはポジティブなものに転換させるようにしてきたんだ。そのせいで僕はフットボーラーとして前より成長したし、人間としても成長できたと思っているよ。

インタビュー・文=ケリー・ハウ/Kerry Hau

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「※」は提携サイト『 Sporting News』の提供記事です

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