■ビジャのJリーグ参戦の理由とは
(C)Getty Imagesダビド・ビジャはJリーグで新たなキャリアを築き始めた。そして直近で日本への挑戦を決めた選手の中で最も有名なフットボーラーであることに疑いはない。
ビジャは神戸で、MFアンドレス・イニエスタとFWルーカス・ポドルスキの「W杯優勝者の集い」に参加している。3人はヨーロッパの数ある栄誉の中でも、最も偉大な賞を獲得した選手たちだ。
スペイン代表歴代最多得点の記録保持者は、メジャーリーグ・サッカー(MLS)のニューヨークFCで計80ゴールを挙げ、その後神戸へと移籍することを選んだ。なぜ日本だったのだろうか? そして、なぜヴィッセルだったのだろうか?
シーズン開幕前のアメリカキャンプ中、ビジャは『Goal』の取材に対して、神戸のフロント陣への信頼を口にしている。
「彼らは最初から、僕がクラブに必要だと示してくれた。ニューヨークを去ることを決めてから、最も僕と契約したいチームはヴィッセルなんだと分かったんだ」
「ただ、それだけが理由ではないよ。家族や関係者と話し合って、実際に神戸へと下見に行って、アンドレスのような、神戸でプレーしたり生活したりしている友人と話したんだ。結局はそれが一番大事な理由になったんだ」
■J経験者のヨーロッパ人から見えるもの

日本でビジャがキャリアを続けていくにあたって、ヨーロッパ人が西洋以外の文化圏に晒されるというのは大変なチャレンジでもある。西ドイツ代表として3度のW杯出場を経験した攻撃的MFピエール・リトバルスキーも深く理解していることだ。
リトバルスキーは14シーズンをブンデスリーガで過ごしたのち、Jリーグに移籍してキャリアを終えた。引退までの4シーズンをジェフユナイテッド市原・千葉、ブランメル仙台でプレーし、“本場”の実力を見せつけていった。
我々が想像するように、食べ物や文化、さらには生活様式に至るまで「非常に極端な」違いがあることを認めているリトバルスキー。一方で、最初のシーズンとなった1993年には、予期せぬ問題があったことを『Goal』で明かしている。
「変に聞こえると思うけど、芝生が全然違うのでたくさん転んでしまったんだ。特に私のプレースタイルだと、たくさんボールを持って短いターンやムーブ、ドリブルを仕掛けていく。そしたら、ゲーム展開が遅くて私は何度もボールの上で転んでしまった。何が起こっているか自分にも分からなかったよ。慣れるのに2週間かかってしまったね」
©J.LEAGUEイニエスタは昨年5月に神戸と3年契約を結び、7月にクラブでのデビューを果たした。ヨーロッパのトップレベルのコンペティションと比べると、日本のサッカーには他にも相違点があることに気がついたという。それはスタイルの違いである。
「確かにフットボールへの向き合い方はヨーロッパほど熱心ではない。けれど、彼らはチームプレーをしようという気持ちは強いと思う」
リトバルスキーもこの意見に同意し、「とてもシンプルに言えば、ヨーロッパ人はより自分中心の、自分の成功のためのプレーをする。日本人はチームの成功を考えるんだ。それが大きな違いだね」と欧州との差異を語る。
この違いには日本の文化が影響しているとイニエスタは感じているようだ。
「ヨーロッパよりライフスタイルが落ち着いていて、静かだ。スポーツのレベルも生活様式と関係があるのだと思う。それぞれサッカーに対しての考え方があって、状況はそれぞれ異なっている。どちらが良い悪いということではないんだ」
■生活の快適さはお墨付き
©J.LEAGUEこういった“日本流”に落ち着きを感じている選手もいる。それが2017年に加わった最初のビッグネーム、ポドルスキだ。
移籍が決まった直後にユニークな動画で親日ぶりを見せ、デビュー戦で2ゴールを挙げた千両役者はこのように話す。
「住むのには本当にいい国だ。人は親切だし、安全だ。子供にとっても最高だね。観光地もたくさんある。僕が住んでいる神戸以外にもね。近くに訪れることができる街がたくさんあるのが最高にクールで、とても楽しいことだ。僕はこの国の文化が好きだし、ここでの生活も気に入っている」
人々の親切さに驚き、生活の快適さを知るのはリトバルスキーも同じだ。
「日本人がよく僕の面倒を見てくれることにポジティブな驚きを受けたよ。それは僕が有名なプレイヤーだから、というだけではなかったんだ。僕のことを知らない人でもいつもとても優しくて、とてもオープンだったよ。何か問題があったときは、僕を助けようとしてくれた。もちろん言葉の壁はあったけれど、それでもいつでもみんな親切なんだ。これは予期していなかったことだね」
■Jリーグに見える成長も…
(C) Getty Imagesリトバルスキーは彼の来日当初より、日本のサッカーが成熟してきていることにも言及。欧州と同じように、監督がフォーメーションや戦術を微調整して、試合中の変化に対処していることに気がついたという。
「私がJリーグでプレーし始めたとき、状況対応にはヨーロッパと大きな差があった。例えば相手が1点リードしたときに試合のリズムを変えるといったようなことだね。そういうプロとしての対応や戦術的なレパートリーに関して本当に大きく変化したと思う」
「今では、ずっと柔軟に対応できるようになっている。他国のスタイルや戦術を学んでいるし、それをピッチで表現するのがとても上手だ。最近のW杯では、いくつかのゲームで代表チームに柔軟な対応が見られた。フィニッシュの際には、まだゴール前でのクオリティに欠けているけどね。けどリーグの中ではより闘争心あふれる試合が見られるようになっている」
その結果、ポドルスキはJリーグをアジア最高と位置づけている。特にアジア・チャンピオンズリーグ(ACL)の頂点に輝いた鹿島アントラーズの躍進を高く評価しているようだ。
「アジアの中では、日本のリーグは強いと思う。去年日本のチームがクラブW杯を戦い、日本代表はロシアW杯でも良い結果を残した。本当に良いリーグだし、強いリーグだ。けどヨーロッパとは比較できない。別物だと思う」
ポドルスキは「比較できない」としたが、日本が欧州と肩を並べるために求められるものはメンタリティかもしれない。リトバルスキーは闘争心の部分を挙げ、金言となりうるコメントを残した。
「日本の選手は、相手をとてもリスペクトするんだ。これがヨーロッパとは大きく異なる点だよ。ヨーロッパではただ勝つために戦い、勝つためには何でもすると言っていいからね」
■異文化の経験をキャリアの成熟に繋げられるか
(C)J.LEAGUEリトバルスキーはキャリア終盤に日本にやってきたが、その経験がターニングポイントともなったという。つまり、アジアでの経験が、サッカー観だけではなく人生観を変えることにまでなったと明かしている。
「私はちょっと頑固で狭量なドイツ人らしい性質を持っていたわけだけど、違う考え方で生きることができるとわかった時、自分の見識を広げることができたんだ。日常生活は完全に変わったよ」
最後にリトバルスキーは、日本での精神面の成長をこうまとめた。
「器の小さいフットボールプレーヤーから、とてもオープンな人間になって、他の文化を経験して理解し、人に対して敬意を持って接することも理解できるようになった。そうだな、彼らは物事を違う側面から見ることを教えてくれたんだと思う」
ポドルスキやイニエスタ、ビジャにも契機となりうるJリーグ挑戦。日本という国、文化に適応する必要があることは間違いないが、彼らのパーソナリティにもいい影響を及ぼすことを期待したいところだ。
取材・文=Joseph D'Hippolito
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