火曜日の夜、アヤックスはトッテナムに敵地で1-0と勝利を収めた。試合ではドニー・ファン・デ・ベークが唯一の得点を奪ったが、彼はユヴェントス戦でも価値あるゴールを挙げた男だ。アヤックスのエンジンであり、3冠の可能性を残すチームの中心に立つ。さらに言えば、親友のアブドゥルハーク・ヌーリとともに長年思い描いた夢の舞台に立っているのだ。
この2人はアヤックスのヒーローになるはずだった。2人でチャンピオンズリーグ(CL)優勝を経験し、まさに世界の頂点に躍り出る可能性すらあったのだ。数えきれない少年たちが夢見てきた舞台。しかし、ファン・デ・ベークはその夢を現実へとまさに今、変えようとしている。そこには「絶望的な事故に決して屈さない」というヌーリへの誓いがあった。
■アピーとの約束
PROSHOTSすべてのサッカーファンの心に永遠に残る光景だろう。アブドゥルハーク・ヌーリは、2017年8月にオーストリアで行われた練習試合の最中にピッチに倒れた。彼は2年近くも昏睡状態に陥り、目を覚ました現在も復帰は不可能と言われている。あまりに受け入れがたい状況を突如として押し付けられ、チームメイトたちは苦悩した。特にファン・デ・ベークにとって彼は、ユースアカデミーでともに優勝を勝ち取った良き友人だったのだから。
その瞬間から2人の夢を一人で実現しなければならず、ファン・デ・ベークはそのためにすべてを捧げてきた。事故から3週間後、CL予備予選でニース相手に得点。鮮やかな金髪を湛えた青年は宙を見上げ、はっきりと指で3と4を指し示した。「34」はアピー(ヌーリの愛称)の背番号だ。
その試合から遡ること1週間、彼は記者会見を固辞した。しかし、ニースとの試合後、初めて事故の話題を口にすることとなる。友人のために何かを形として残したいと考えていたことを明かす。
「心から思っていたことだ。僕はいつも得点したいと思っているけれど、この夜はどうしてもアピーと彼の家族のために得点したかった。そして、アピーは僕らにこれまで通りやってほしいと思っているはずだ」
そして、ファン・デ・ベークは“これまで通り”を続けた。それ以降彼はアヤックスのために全力を尽くし、4月30日にはトッテナム相手に再び得点した。洗練された走りで試合を通じて相対するディフェンダーを動かし続け、素晴らしい動き出しからキックフェイントを入れて得点を奪ったのだ。
■クライフにも称賛された才能
GettyImages彼はまた、エリック・テン・ハーグ監督の展開するポゼッション志向の戦術で強みを発揮している。ファン・デ・ベークはハキム・ツィエクやフレンキー・デ・ヨングほどボール捌きに長けているとは言えないが、彼がいなければチームメイトも真価を発揮できない。彼は周囲の選手がうまく動けるように走り続ける。彼の後ろではデ・ヨングがラインを統率し、彼の周囲には代わる代わる味方が顔を出し、敵を悲劇に陥れるのだ。
さらに、今シーズンすでに試合を決定づけるゴールを幾度となく決めている。トッテナム戦で2ゴール目を狙った時はダビド・ネレスに渡すべきだったとしても、あの夜のヒーローは紛れもなくファン・デ・ベークであった。
2016年の『アヤックス・ショータイム』の会話では、父アンドレが、ヨハン・クライフが息子を評価していたことについて誇らしげに語っていた。その会談で、クライフはユース選手であったドニー・ファン・デ・ベークについて多くを語ったという。ファン・デ・ベークの父は「彼はこう言ったんだ。『あなたの息子さんを知っていますよ。彼は何々がうまくて、あれこれがうまくて…』とね。息子のことを事細かに知っていたんだ」と回顧している。
ファン・デ・ベークはこれまで12年もの間プレーしている。2015年のベストユースプレイヤーとして彼は主力選手たちに溶け込み、次の夏には彼の心躍るネクストキャリアが待ち受けているだろう。パリ・サンジェルマン、バイエルン・ミュンヘン、そして様々なイングランドのクラブが彼の獲得を画策していると言われており、本人もステップアップには乗り気だ。金銭的犠牲を背負う覚悟もあるという。
いずれにせよ、アヤックスはCL決勝にあと一歩のところまで来ている。そして国内カップ戦決勝では日曜日にヴィレムIIと戦い、エールディビジ優勝のために2つの勝利を重ねる必要がある。34番、ヌーリのために。
文=Goalオランダ語版
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「※」は提携サイト『 Sporting News』の記事です





