Son Tottenham Man City

もはやケインは忘れるべき…トッテナム最大のスターはソン・フンミンだ

■ケインのワンマンチームではない

トッテナムは18日早朝、マンチェスター・シティ相手にチャンピオンズリーグ(CL)準々決勝セカンドレグを迎える。そこでソン・フンミンは、ケガで離脱したハリー・ケインの代役を果たす可能性が高いとみられているが、実際のところ「代役」といった表現は適切ではない。ソンには、彼自身が試合を決定づける力を持った唯一無二の存在として活躍することが期待されているといったほうが正しいだろう。

韓国代表キャプテンも務める彼はファーストレグで78分に決勝弾を突き刺した。このゴールのお陰で、スパーズはわずかなアドバンテージを持ってアウェイのエティハド・スタジアムに乗り込むことができる。ソンは、ケインの調子が悪いときにはじめて出番をもらえるだけのプレーヤーではない。もしそのように考えるのであれば、あなたは彼の実力を過小評価してしまっているだろう。

世間では「スパーズ(トッテナムの愛称)はケインのチームであり、ケイン以外の選手は彼を活躍させるためにプレーしている」といったようなイメージを持ちがちだ。マン・C指揮官ペップ・グアルディオラも、2017年にスパーズを「ハリー・ケイン・チーム」呼ばわりして非難を浴びたことがある。

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そうした表現は、スパーズ指揮官マウリシオ・ポチェッティーノはもちろんのこと、クラブに関わる誰にとっても受け入れられるものではない。そんな中、先週のマン・C戦での決勝ゴールが、ケインの退いた後にケイン以外の選手によってもたらされたことで、彼らはその不名誉な印象を払拭したのだ。

確かにケインはトッテナムの得点力を支えるゴールスコアラーであり、彼がチームに留まる限りは、おそらくチーム内で彼のゴール数を上回る者は出てこないだろう。しかし、だからといって彼らがワンマンチームというわけではない。当然ながら、ケイン以外からもたらされたゴールも多く、実はスパーズはケインが出場していない試合で調子を落としたことはめったにない。彼らは、ケインがいる場合といない場合の両方の戦い方を心得ており、そのいずれも効果的なのだ。

今シーズンの戦いぶりからは、スパーズはケインがいないほうが強くなるのではないかといった議論も交わされている。1月のプレミアリーグ第22節、勢いに乗ったマンチェスター・ユナイテッドをウェンブリーに迎え、0-1での敗戦を味わったその日は彼らにとってのバッド・デイだった。ひょっとすると、足首の酷使によってケガを負いながらもフル出場したケインの存在が、その敗戦の一因だったかもしれない。

■ケインは不要なのか?

Harry Kane Tottenham PS

スパーズがどうしてCL出場権を争うライバルに敗れ、しかもキャプテンを失うといった危機を脱することができたのかを不思議に思う人も多いだろう。しかし、実のところスパーズはケインなしで調子を落とすどころかその勢いを増したのだ。

ユナイテッドに敗戦を喫した後、ソンがアジアカップのため戦列を離れたが、続くフラム戦では勝利を挙げた(2-1)。そしてその翌節にソンが復帰すると、チームはさらに波に乗り、フラム戦を含めて4連勝を達成。復帰直後の26歳は3試合連続でゴールを奪った。その期間はスパーズが今シーズンで最も良い成績を残した時期の1つとなっている。

ケインなしでプレミアリーグを戦い、勝利した試合は他にも3つある。さらにCLラウンド16ファーストレグ、ボルシア・ドルトムント戦では見事なパフォーマンスを見せ3-0で完勝を収めたが、ピッチの上にケインの姿はなかった。その夜のスターは、オープニングゴールを沈め、相手を大混乱に導いたソンだったのだ。

その試合は、ケインなしでスパーズがどのうように戦うのかを示した最高の例となった。ソンはルーカス・モウラとともに攻撃を担い、後ろにはクリスティアン・エリクセンが控えた。みな生粋のストライカーというわけではないが、器用さと動きのバラエティを持っており、それらはケインの特徴にはないものだ。

そしてケインがチームに戻ると、逆に彼らはケインの存在にアジャストするのに苦労しているようだった。ケインが復帰してからプレミアリーグ5試合で獲得した勝ち点はわずか「1」。首の皮一枚つながっていたタイトルへの夢も途絶えることとなった。

マン・C戦の勝利で勢いを取り戻しつつあるトッテナムだが、前節ハダースフィールドを4-0で圧倒した試合にケインの姿がなかったというのも皮肉な話だ。

モウラは、その試合で新本拠地トッテナム・ホットスパー・スタジアムで最初にハットトリックを達成したプレーヤーとして称賛を浴びた。さらには彼だけでなく、ソンも輝きを放っていた。ゴールを決めなくともチャンスメイクで力を発揮できるこの韓国人は、今やポチェッティーノが最も信頼を置く、スパーズにとっての攻撃のキーマンといってもいいだろう。

■トッテナム最大のスターへ

Son Tottenham PS

現在の足首の状態から考えて、ケインが再びチームに合流できるのはおそらく来シーズンとなるだろう。スパーズは、それまでにチームにおけるすべてのアタッカー陣の連携を深めることが必要とされる。クリスマスシーズンに6-2でエヴァートンを下した試合のラインナップにはケインとソンが名を連ねていたことからも分かるように、スパーズは何といってもこの2人が揃ったときに抜群の破壊力を発揮することが多いチームなのだ。

とはいえ、ポチェッティーノは2人の不在時において無策なわけではない。ソンが韓国代表に合流し、ケインがケガで離脱した際にも結果を残したことで、そのことはすでに証明済みだ。

今シーズン、チームで最も活躍した選手がソンであること認めないスパーズファンを見つけ出すことは非常に難しいだろう。それは、たとえケインがケガでチームを離れた期間がなかったとしても同じことだ。他にも、著しい成長をみせたムサ・シソコを挙げる人も少なからずいるだろう。ソンとシソコの更衣室のロッカーは隣り合っており、そんな2人が今シーズン切磋琢磨を続けてきたのだ。

年間通して補強選手はゼロ。夏のみならず、1月の冬の移籍市場でも補強に失敗したことはスパーズにとって大きなフラストレーションとなった。だが、ポチェッティーノはシソコのプレーを改善することでこれを切り抜けた。彼もまた、ソンと同じようにネクスト・レベルに達した選手であるといえよう。

もはやソンのことを、スパーズを語る上で「脇役」と思う人は誰もいない。今や彼は、トッテナム最大のスターとして、ファンの心を魅了し続けているのだ。

文=ピーター・スタントン=Peter Stanton

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「※」は提携サイト『 Sporting News』の記事です

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