みなさん、こんにちは。中村憲剛です。ヨーロッパの最強クラブを決めるUEFAチャンピオンズリーグ(CL)もいよいよ準々決勝。いずれ劣らぬ強豪が勢ぞろいですから、激戦必至でしょう。そこで今後の展望を含め、3回シリーズでお届けします。まずは初回ということで、ここまでの戦いを振り返り、触れておきたいトピックを絞り込みました。1回目のテーマはずばり、なぜ4連覇の夢はついえたか――。
王者レアル・マドリー(スペイン)の敗退については、やはり触れないわけにはいきません。結論から言うと、フロレンティーノ・ペレス会長以下、フロント陣の戦略ミスでしょう。外に出してはいけない選手(クリスティアーノ・ロナウド)を手放し、代わりに連れてくるべき選手(トップクラスのタレント)を取らずじまいでのこの結果ですから、失態と言われても仕方ないかもしれません。確かにヴィニシウスは大変な逸材ですが、まだ欧州での実績もない10代の若者にレアル・マドリーというビッグクラブの希望の光を見いださなければならないという時点で少し無理があったかなと。未来を託すならともかく、現在(いま)を託してはまずいでしょう。

個人的にはアセンシオに期待していたのですが、なかなか殻を破れず、足踏みしている感じ。カリム・ベンゼマもC・ロナウドがいなくなったことで攻撃の大黒柱としての自覚と責任感が見える試合は昨シーズンに比べ明らかに増えましたが、C・ロナウドあってのベンゼマという役割で長年プレーし続けてた分、フルシーズン通して毎試合独りで試合を決めるだけの力を求めるには厳しかったかもしれません。
大駒ガレス・ベイルに至っては相変わらずケガがちで、それに加えてピッチ外でも何かと問題を抱えていました。解任が相次いだ大揺れの監督人事を含め、シーズンが始まる前からここまでずっと落ち着かない状況でしたから、さすがに巻き返しを図るのは至難の業ですね。おそらく誰が監督をやってもミッション・インポッシブルだったと思います。
ただ、勝ち続けてきたチームにメスを入れることはレアル・マドリーをもってしても簡単ではないのだなと改めて感じています。近年、スタメンの顔ぶれはほぼ同じ。だからこそチームの完成度が高く、空前の3連覇につながったわけですから。ただ、それに伴い、イレブンが一つずつ年齢を重ね、マンネリ化も進んでいく。C・ロナウドの放出もそうした文脈から下した決断でしょう。そうであるなら、ここが新たな変革を起こすタイミングだったんじゃないかと。
ましてや、今シーズンはロシア・ワールドカップ直後のシーズンでした。開幕前の前回の連載の時に懸念材料として指摘したことが実際に起きています。ワールドカップのファイナルを戦ったフランス人とクロアチア人の心身両面におけるコンディションの不良。前者はラファエル・ヴァラン、後者はルカ・モドリッチですね。とくに25歳という若さでワールドカップとCLのダブルを成し遂げてしまったヴァランが「燃え尽き症候群」になりはしかないかと心配してましたが、やはり難しかったようですね。疲弊したモドリッチも前半戦は本来の彼からすれば低調なパフォーマンスが続きました。
バロンドールを受賞したモドリッチも、すでに33歳。セルヒオ・ラモスも3月に33歳となり、ベンゼマが31歳、さらにマルセロも30代へ突入。そんなレアルの4連覇を打ち砕いたのが若きアヤックス(オランダ)というのも何だか暗示的です。ホームゲームにもかかわらず、1-4のスコアで完敗した決勝トーナメント1回戦第2レグではセルヒオ・ラモスとマルセロという二人の鉄人が不在でした。攻守両面で著しく安定感を欠いた要因の一つでしょう。今回の敗退をもってサイクルの終焉と断定するには早過ぎるかもしれませんが、第2次ジダン政権の発足を機に新たな時代を踏み出すことになるのかと。
■一方、レアルを離れたC・ロナウドは…

対照的なのはレアルを離れたC・ロナウドの健在ぶりですね。もちろん、その背景にはユヴェントス(イタリア)ならではの組織力があるわけですが、新しい環境に己をフィットさせていくC・ロナウド自身のスタンスも見事だと思いました。
以前にも話しましたが、レアルでは王様然として振る舞っても何ら問題はなかった。ただ、新天地のユーヴェも伝統ある名門ですから、黙って俺のやり方に合わせろ――とはいかない。そこで自らをアジャストさせる姿勢が見て取れました。あれだけ名前のある選手が新たな環境に適応する努力を惜しまない。純粋に凄いなと。真のプロフェッショナルということですね。
もちろん、マッシミリアーノ・アッレグリ監督も周囲の選手たちもC・ロナウドに合わせる部分があったでしょう。互いに歩み寄るスタンスがあったからこそ、従来のシステムに大駒を組み込むという難しい作業をこなせたのかなと。ともあれ、C・ロナウドはいろいろな意味で別格なのだと、あらためて感じましたね。
この現実に直面し、レアルのフロント陣は何を思うのか。おいそれと埋まる穴ではなかったんだということを痛感していると思います。僕はバルサ好きを公言してはばからない人間ですが、レアルが仇敵と呼ぶにふさわしい存在でなければ、面白くないですから。何とか立て直してもらい、来シーズンの『クラシコ』を盛り上げてほしいですね。
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