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これでやらなきゃ男じゃない。首位撃破の川崎F、最高の結果を引き寄せた3つのアクション

予想に反するワンサイドゲームだった。通算34回目の多摩川クラシコは、3連覇を目指す川崎フロンターレが首位を快走するFC東京を3-0で粉砕。シュート数ではFC東京の約3倍放つなど、ほとんどの時間帯でゲームを支配した。ディフェンディング・チャンピオンはいかにして首位チームを攻略したのか。そこには、明確な3つのアクションがあった。

■1.選手個々が見せた強い覚悟

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 川崎フロンターレのベテランたちの振る舞いが、試合に懸ける想いを表していた。

 20分にCKからドンピシャヘッドを叩き込んだ小林悠は、ゴールセレブレーションを一切行わず、負けているチームのように、駆け足で自陣に戻った。これが小林にとって記念すべきJ1通算100ゴールだったにもかかわらず。

  「とにかくチームを勝たせるゴールを奪いたい一心で、記録のことは意識していませんでした」

 一方、中村憲剛は前半、ボールを失うと猛犬のような勢いでプレスバックし、ディエゴ・オリヴェイラに深く、強烈なタックルを見舞った。まるで“生粋の守備者”のように。

 それだけではない。ゲーム終盤にも再びタックルを放ち、ユニホームを汚したのだ。先発出場は2カ月ぶりのため、疲労困憊だったにもかかわらず。

  「ここでやらなかったら、どこでやるんだ、っていうのは、みんなと話してました」

 中村の言う“ここで”とは、首位・FC東京との大一番であり、4万人を超える観衆を集めた多摩川クラシコという注目の一戦のこと。しかも、前節にはサガン鳥栖とスコアレスドローを演じ、今季8つ目のドローを記録したばかりだった。

 この試合に懸けていたのは、ベテランだけではない。

 登里享平にポジションを譲って右サイドに回り、この試合で久しぶりに左サイドバックを務めた車屋紳太郎は「サポーターが最高の雰囲気を作り出してくれた。アップのとき、これでやらなきゃ男じゃない、と思った」と熱い言葉を口にした。

 大島僚太、守田英正に代わって出場機会を掴んだ下田北斗は「普段なかなか試合に出られていないけど、出たときに何ができるか示すのがプロとして大事だと思っていた」と胸を張った。

 負傷欠場が続いていた中村も「今日は自分も気持ちが入っていた。自分の存在意義を出さないといけないから」と、相当な覚悟があったことを打ち明けた。

 チームの立ち位置と、選手一人ひとりの想いが掛け合わさり、最高の結果となって表れたのだ。

■2.FC東京のインテンシティを制御

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 それにしても、これ以上にない川崎Fの完勝だった。被シュートは5、被決定機はゼロ。ほとんどの時間帯で川崎Fがゲームを支配し、FC東京にやりたことをやらせなかった。

 これまでドローゲームが続き、勝ち切れなかった川崎Fに、これまで隙のない戦いを続けてきた堅守・FC東京に、いったい何が起きたのか――。

 シンプルに解きほぐすと、テクニックに優れたチームと、高いインテンシティ(強さ、激しさ)を誇るチームの対戦で、前者が後者と同じくらいインテンシティを高めた結果、自ずと前者がすべての面で後者を上回った――ということだろう。

 小林と中村が“守備のスイッチ”を入れ、阿部浩之、齋藤学、下田、田中碧の中列は最後まで守備の意識を切らさず、激しいバトルを繰り広げた。

 なかでも、阿部、下田、田中は攻撃においても鼻が利く選手たち。そこに中村も加わり、巧みなポジショニングとパスワークで、FC東京にインテンシティを発揮させない。

 右サイドでゲームを作れるから、左サイドハーフの齋藤のドリブル突破に頼りすぎることなく、むしろ齋藤をフィニッシャーとして輝かせることができた。齋藤自らが仕留めた2点目、阿部が鮮やかにネットを揺らした3点目はいずれも右サイドを崩し、齋藤がゴール前中央で仕事をしたものだ。阿部が振り返る。

  「正直、メンバー全員が特徴を出せれば、うちは強い。今日はそういうものを出せたと思います」

■3.鬼木達監督のマネジメント力

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 停滞感が漂っていたチームを蘇らせた、鬼木達監督の手腕も見逃せない。

 前節・鳥栖戦でサブだった中村、阿部、齋藤、ベンチ外だった下田は、鳥栖戦翌日に組まれた湘南ベルマーレとの練習試合で好パフォーマンス、好連係を見せた選手たち。その彼らをそのままピッチに送り込み、新しい風を吹かせたのだ。

 さらに、FC東京戦前日には、ボール奪取や闘う姿勢が出ていた昨季の好シーンを集めたビデオを作成し、選手たちに見せてもいる。あの手、この手でチームを鼓舞したのだ。

 首位撃破で思い出すのは、リーグ初制覇を飾った17年と、2連覇を達成した18年の大一番である。あのときもまた首位・鹿島アントラーズと、首位・サンフレッチェ広島を撃破し、勢いに乗った。今回のFC東京戦の勝利も、同じ意味を持つかもしれない。

 一方、敗れてもまだ首位に立つFC東京にとっても、この敗戦は足元を見つめ直す好機になるはずだ。例えば、3失点目につながる森重真人のパスミスは、優勝を狙うチームが犯してはならない類のものだろう。

 久保建英、チャン・ヒョンスと攻守の顔が夏に移籍し、ベテランの太田宏介までチームを去り、チームは苦しい状況にあるが、それゆえ、結束が高まる可能性も低くない。

 予想に反してワンサイドゲームとなった多摩川クラシコは、3連覇を狙う川崎Fにとっても、初制覇を狙うFC東京にとっても、今季が終わって振り返ったとき、ターニングポイントと言える一戦になったのではないか。

取材・文=飯尾篤史

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