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「この1年苦しかったし、ムカついた」。男泣きの鄭大世が静岡ダービーで示した矜持

完全復活を予感させる一撃だった。清水エスパルスFW鄭大世がジュビロ磐田戦で貴重な先制点をマーク。チームも静岡ダービーで今季リーグ戦初白星を手にした。

「去年のことを考えたら、涙が止まらなかった」

意地とプライドがぶつかり合う静岡ダービーで、3試合連続の先発入りを果たした鄭大世は、前半に今季2点目となる先制点を奪取。チームの今季初勝利に大きく貢献した。大一番で見事なゴールを決めた9番は試合後、人目をはばからず涙を流していた。

以下に続く

「ちょっとね。しんどかったです。1年間、屈辱を味わったと思っているので。キャプテンをやって、絶対的エースから滑落したから」

清水のエースストライカーとして地位を確立しつつあった鄭大世だが、ヤン・ヨンソン監督が就任した昨季より出場機会が激減。ベストを尽くしている自覚はあっても、「自分でいくら点を取っても監督は絶対使ってくれなかったし、少ないチャンスでも点を取ったのに使ってくれなかった」と、なかなか出場機会に結びつなかった。

J2に降格した2016年に26ゴールをマークし、1年でのJ1昇格に大きく貢献するとともに、自身もJ2得点王を獲得。J1復帰初年度の2017シーズンは出場こそ23試合にとどまったが、二桁となる10ゴールを記録するなど、申し分ない数字を残してきた。

それでも厳しい現実を突きつけられた。

「この1年やっぱり苦しかったし、納得いかなかったし、ムカついた。良いモチベーションでやっていても、ふとした時にガッと落ちるあの感じがすごくしんどかった。でも、今年はまた心を入れ替えて、今あることに感謝しながら毎日幸せに、毎日ベストを尽くしてきた」

腐らず努力を続けた結果、ついにチャンスが訪れる。第5節の湘南ベルマーレ戦から3試合連続で先発入り。試合に出れないことが多かったからこそ「点は取れてないけど試合で使われるというのはそういうこと。努力しないとダメ」であることが身に沁みたという。

本人曰く、当時は「監督のせい」にしたり「普通にやっていればできる」と思っていて、「ライバルが出てきたら自分が努力するよりも周りのせいにして逃げていた」部分があったという。

必死の努力をしてチャンスを掴んだいま、自らを客観的に見ることができるようになった。だからこそ「自分が足りていなかった」部分に気付き、それは「監督のせいでもないし、周りのせいでもないし、問題は自分」であることを自覚できたのだという。

「それで1年経ち、やっとチャンスが来て、こうやって決めて…。勝利の中心に自分がいるのが懐かしくて。この感じ久々なんですよ、マジで。スタメンで1点取って勝ったぐらいなんですけど、自分の中では長かった。気持ち良かったですね」

人一倍エスパルスへの思いがあるからこそ、チームの苦境を誰よりも感じていた。静岡ダービーというターニングポイントを勝利で飾ったことで「絶対調子は戻る」と断言する鄭大世。15年に味わった屈辱を知るストライカーは「降格だけは絶対にしたくない」と語気を強める。

そのためには「ストライカーが仕事しないと試合に勝てない」。再びエスパルスをけん引するために――。静岡ダービーで示した矜持をリスタートに、鄭大世の飽くなき挑戦は止まらない。

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「※」は提携サイト『 Sporting News』の記事です

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