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明治安田生命J1リーグ

いざ昇格組対決。大分・片野坂戦術の起点“和製エデルソン”高木に懸かる期待

16:23 JST 2019/03/01
2019-03-01-oita-takagi

明治安田生命J1リーグは3月1日・2日、第2節の9試合が行われる。第1節でアジア王者・鹿島アントラーズを下した大分トリニータは2日、昭和電工ドーム大分に同じ昇格組の松本山雅FCを迎える。J2でしのぎを削ってきた両者の対戦は一筋縄ではいかないだろう。【文=ひぐらしひなつ】

■鹿島を倒し、大番狂わせを演じた大分

▲藤本はJFL、J3、J2、J1で開幕戦ゴールを挙げた(C)J.LEAGUE

昇格組の大分トリニータが、開幕戦でアジア王者・鹿島アントラーズを下す大番狂わせを演じた。

チーム人件費はダントツでJ1最少、開幕前順位予想ではJ2降格筆頭候補。そんな大分の勝利そのものがセンセーショナルだったが、さらにさまざまな記録が花を添えた。JFLからキャリアをスタートし、実績を評価されながらコツコツとカテゴリーを上げ国内トップリーグにまで上り詰めてきたストライカー・藤本憲明の全カテゴリー開幕ゴール。片野坂知宏監督の16年の就任以来4シーズン連続、J3・J2・J1での開幕戦勝利。

この快挙を導いたのは、片野坂監督が時間をかけて積み上げてきた独自のスタイルだ。鹿島戦では、互いに相手の出方をうかがって慎重に入った立ち上がりから駆け引きを続ける中で、大分が徐々に試合の流れを手繰り寄せていった。そのカギを握っていたのがGK高木駿だった。状況を見つつ遠く近くと散らす高木の配球が、鹿島の守備組織を少しずつ侵食していった印象だ。

押され気味に見えていた11分、高木から最前線の藤本へと一本の長いパスを通して生み出した絶好機は、相手守護神の好セーブに遭い得点にこそならなかったが、「さながらエデルソンからヴァーディのよう」とサッカーファンを楽しませた。

■11人目のフィールドプレーヤーGK高木

▲大分トリニータ、松本山雅戦の予想フォーメーション(C)Goal

大分ではマンチェスター・シティと同様、GKが11人目のフィールドプレーヤーとしてビルドアップに参加する。これは最初から力強くゴールに向かうものではない。大きく開いた最終ラインでボールを回し、時には下りてきたボランチへと縦につけながら、相手のアプローチを誘うのが目的だ。

つられて相手がボールを奪いにきた瞬間に、その背後に生まれたスペースを使ってボールを前に運ぶ。ボール回しの過程でGKにまで戻されたところに相手がプレスに来れば、フィールドのどこかに数的優位の状況が生まれている。GKは、相手の守備の連動が遅れた瞬間や数的状況を見定めては、そのスキを突いていく。

広い視野と瞬時の判断力、相手の出方を見極めてのポジショニング、チーム全体での意思疎通が必要とされる戦術だ。自陣ゴール前で相手を食いつかせるというリスクを背負うため、足元の技術も求められる。鹿島戦でも何度かパスミスが生じ、バタついた場面があった。相手もミスを誘おうと勢いよく球際に寄せてくるし、アウェイのスタンドからもGKを動揺させようと激しいブーイングが降る。それでも高木は泰然としていた。

「全然影響ありませんでした。この戦術にミスは付きものなので、つねに互いにカバーし合う意識が浸透しています」

周囲との呼吸が合い戦術が完成度を高めるまでの苦労は伊達ではない。おっかなびっくりボールを動かしていた頃はむしろ、自陣ゴール前での鳥カゴ状態にヒヤヒヤする大分サポーターの悲鳴にメンタルを鍛えられた。

トライが形になって結果が出始めると当然、相手チームからも研究される。ボール回しのパターンを読んでプレスをかけられたり、ボールを動かしてもブロックを組んだまま動かなかったりと、さまざまに対策を練られ、昨夏はそれで5戦白星なしという時期もあった。チームはそのたびに、ボール回しのパターンを増やしたり、引いた相手の崩し方を工夫したりすることで、戦術をブラッシュアップしてきたのだ。

「そこに関しては昨夏、本当に苦しんだので。昨季はいろんな戦術オプションを本当にたくさんやって、一周回ったくらいな気がしてるんです(笑)。だから行き詰まったらどうすればいいかというのは、選手の中にあるんじゃないかな。昨季みたいに研究されたら、また変化していければ、それで自分たちも成長できるし」

■相手対策はJ2のほうが嫌らしい

▲大分は前田大然に何度も苦しめられてきた(C)J.LEAGUE

相手対策を練ることにかけては多分J2のほうがJ1よりも嫌らしいと話す高木だが、今節は前節とは一転、同じ“昇格組”とのマッチアップだ。J2で何度も対戦して互いに手の内を知る間柄で、反町康治監督の知将ぶりにも苦しめられてきた過去がある。ちなみに昨季J2では大分が最多得点、松本が最少失点と、それぞれの特徴が対照的な形で表れた。

 [3-4-2-1]同士のミラーゲームが予想される中で最も脅威なのは、J2でもさんざん猛威を振るった前田大然だ。前田が水戸でプレーしていた2017年には、その迫力あるアプローチでビルドアップのミスを突かれ失点もしている。松本の1トップには、前節は機動力のある永井龍が配置された。大分は昨季対戦時に高崎寛之の高さと強さに苦戦したが、今節はどうなるか。その人選によって、攻守のテイストは大きく変わることになる。

ともに降格候補に挙げられ、残留争いの序章とも言える今節の対決。大分は松本の堅守をどう打開し、迫力ある攻撃をどう抑えるか。鹿島戦ではセットプレーから失点を喫した。セットプレーが得意な松本のストロングポイントを引き出さない展開に持ち込みたい。ハイボール処理にアグレッシブさと安定感を増した“和製エデルソン”高木に、攻守両面での期待がかかる。

文=ひぐらしひなつ

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