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【原博実の超現場日記/第22回】アウェイで耐えきった浦和…アジア王者まであと一つ

ドバイ経由でサウジアラビアのリヤドに到着したのが午前11時頃。9月に日本代表が試合した紅海沿いのジェッダとは違い、内陸部のリヤドは空気が乾燥していてカラッとしている。試合が行われる夜はもっと涼しくなりそうだ。

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12時過ぎにホテルへ到着し、小休憩の後、16時45分にホテルを出発。ほどなくキングファハドインターナショナルスタジアムに到着した。スタジアムはすでにほぼ満員だ。浦和レッズのサポーターも無事に到着している。

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皆さんはもう結果をご存知のことと思うが、AFCチャンピオンズリーグ決勝第1戦はアル・ヒラルと1-1のドロー。アウェイゴールを奪っての引き分けは正直悪くない結果だ。

8分、ラファエル・シルバのカウンターからの得点は狙いどおり。ただし、その後はずっと押し込まれる展開が続いた。アル・ヒラルの両サイドバック、特に2番のモハンメド・アルブライクはスピードもバネもあって、まるでウイングのようなポジションを取る。左サイドバックの12番ヤシル・アルシャハラニも同じだが、こちらは武藤雄樹がうまく対応しており、どちかといえばアルブライクのほうが怖い。とはいえ、高いポジションを取りすぎるので、奪い方が良ければアルブライクが攻め上がった裏のスペースを使える可能性が高い。7分に決めたラファエル・シルバの先制ゴールは、まさにそのスペースを使った得点だった。

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アル・ヒラルはペトロヴィッチ監督が指揮を執っていた頃の浦和と同じような攻撃をする。4バックの両サイドバックがウイングのような位置を取り、ボランチの8番アブドゥラー・オタイフがセンターバックの間に下がって3人の最終ラインでボールを回す。注意すべきは77番のシリア代表FWオマル・フリービーン。29番のサレム・アルダウサリ、3番カルロス・エドゥアルドは中央寄りで自由に動き回る。このエドゥアルドもアルヒラルのエース的存在なのだが、19分に負傷交代。代わって入ったのは、24番のナワフ・アルアビド。浦和は小回りが利く活動的なプレーを披露した小柄なMFに苦しめられることになる。この攻撃的な二人に加えて、16番のニコラス・ミレシ、7番サルマン・アルファラジも攻めに絡んでくる。

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浦和は大きなサイドチェンジで右サイドのアルブライクに預けるアルヒラルの攻撃にピンチを作られていた。右サイドからのクロスをヘディングで折り返しされる形。アルブライクには宇賀神友弥が対応していたが、決して彼一人だけが悪いわけではなかった。ラファエル・シルバが中盤でどんな守備をするかが明確になっておらず、その結果、柏木陽介が相手のセンターバック対して守備をするようになり、長澤和輝、青木拓矢、ラファエル・シルバの役割がハッキリしていなかった。

37分の失点シーンも同じような形から生まれてしまった。だが、この日はGK西川周作が“当たっていた”ことに何度も助けられた。彼のファインセーブがなければ、前半だけで3失点していてもおかしくないほどだ。西川は中東勢には強い。ハーフタイムに村井満チェアマンと「1失点で良かったね」と話をした。

このスタジアム、雰囲気は非常に良いのだが、実は陸上競技場である上に、VIPルームから試合が見にくい。しかもベンチでタッチライン沿いが隠れてしまう。さらに目の前に柱があるので、体を右に傾けたり左に傾けたり忙しい。おかげさまで良い運動になった。

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浦和は後半も我慢の展開が続く。動きの良かったラファエル・シルバが負傷交代。ACLではコンディションが良く見えていただけに残念だった。交代で入ったのはズラタン。浦和はズラタンと興梠慎三の2トップにフォーメーションを変える。中盤は4選手を横並びにして右から武藤、柏木、青木、長澤を置いた。これで相手との関係も良くなるはず。右サイドで相手のキーマンになっていたアルブライクをフリーにさせる場面が減った。それでも危ない場面はあったが、全員で最後まで集中を切らさずに守りきった。中でも柏木の攻守に渡る運動量、球際のファイト、集中力は素晴らしかった。

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結局、第1戦は1-1の引き分け。25日に埼玉スタジアム2002で行われる第2戦でアジアチャンピオンが決まる。確かにアル・ヒラルは強いが、この引き分けは大きい。土曜日の決戦までに、いい準備をしてほしい。

頼むぞ、浦和レッズ。あと一つだ!

文=原 博実

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